コピー機やプリンターのセキュリティは「透かし印刷機能」で!そのメリットや注意点をチェックしよう

情報の保管や漏洩に関しては、時代と共に責任の厳しさが増しています。

以前の紙媒体だけの時代なら、保管庫で厳重に管理することが求められているだけでしたが、昨今ではペーパーレス化などデジタル化が進み、ネットワークの中で仕事をする事が当たり前の環境になり、自社防衛のためにサイバーセキュリティを含めて対策を講じる企業が増えています。

しかし、一元的に管理が行えるデジタル化されたデータのセキュリティとは異なり、紙媒体は取り扱う人間のケアレスミスである、「紛失や置き忘れ」などの過ちによって情報漏洩が発生する事は見逃しておけません。

起こってからでは遅い情報漏洩対策については、転ばぬ先の杖として紙媒体にも施しておく方が安心です。

手軽に始められるセキュリティ対策の第一歩「透かし印刷機能」について、そのメリットや注意点を解説します。

目次

コピー機にも求められるセキュリティ

一般的なイメージとしてセキュリティは、パソコンやスマホから漏洩すると異様に思われているかもしれません。

しかし実は情報漏洩を最もたくさん引きおこしているのは、インターネットやUSBメモリ、あるいはスマホなどのデジタル媒体ではないのです。

日本ネットワークセキュリティ協会の「情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によれば、2018年のデータでもっとも情報が漏洩した媒体のナンバーワンが、インターネットを抑えて「紙媒体」と報告されています。

そうなるとデジタルデータのセキュリティだけに注目するのではなく、いかに紙媒体、つまりコピーやプリントした情報のセキュリティを確保するかも、しっかりと検討しなければなりません。

情報漏洩してしまうことのリスクとは

情報漏洩するとどうなるかというリスクは、個人情報の流出や、社外秘の情報流出、あるいは守秘義務のある情報が流出するなど、さまざまなパターンが存在します。

しかしどのパターンであっても本来外部に流出してはいけない情報が漏れてしまうと、必ず何らかの問題が発生します。

では、企業から情報が流出した場合、どのような問題が起こりうるかについて、簡単にチェックしていきましょう。

個人情報を流出させてしまった場合

個人情報に関しては顧客情報の一覧などが外部に漏れてしまうケースがほとんどです。

この個人情報の流出の多くは、データベースやUSBメモリーからの流出が大多数を占めますが、そのようなデータをプリントして保管している場合もあるはずです。

個人情報の流出は、原則的に個人情報保護法で罰則が定められているほどシビアな問題となります。

万一個人情報を流出させてしまうと、法的な問題にまで発展する可能性もあり、舌苔に避けなければならない情報漏洩ということになります。

さらには情報流出してしまった分の補償をしなければならない場合もあり、もちろん流出によって自社の業務に大きなダメージが与えられる可能性も高くなります。

社外秘の情報が漏洩してしまった場合

社外秘の情報にはいろいろな種類のものがありますが、当然ながら社外に漏らすことで不利益になるから社外秘扱いになっているわけです。

もし新製品の情報がリークしてしまえば大きな損害になりますし、経営方針が漏れてしまえばライバル企業がそれに対抗してくるかもしれません。

 

外部に対しての補償などはありませんが、社外秘に指定した情報が漏れてしまうと、将来的に大きな損害を被る可能性もあります。

守秘義務のある情報が流出してしまった場合

業務の内容によっては取引先と守秘義務契約を結ぶ場合もあります。

子の守秘義務契約は携わっている業務に関して、その内容を外部に漏らしてはいけないというものです。

そのため、万一外部に情報を漏らしてしまうと守秘義務契約違反となりさらに情報漏洩したことに関して、損害賠償が請求される可能性もあります。

紙媒体の場合は、最終的な処理についてもセキュリティ面を考慮しておく必要があります。

機密文章の処理方法についての詳細は、以下も併せてご覧下さい。

不正な複製を防ぐための透かし機能

特殊な機器を用いずに、印刷物の保護を行うセキュリティ対策として「透かし印刷機能」が利用されます。

透かし印刷機能が果たせること

透かし印刷を用いる事で、様々なセキュリティ効果が期待できます。

取り扱い注意の喚起

透かし印刷の心理的効果で慎重に取り扱いを行い、置き忘れなどのケアレスミスの防止効果に繋がるほか、持ち出しを躊躇させる事に効果を発揮します。

原本とコピーの区別

透かし印刷を行う事で、正当に印刷された原本なのか?コピーされたものなのか?について、判断することが可能になります。

改竄防止

事前に人間の目には見えにくい透かしを、文章全体に入れておく事で、元の文章から改竄がされた場合に施しておいた透かしが崩れて、改竄の有無だけでなく改竄した場所まで特定する事が可能になります。

情報漏洩の追跡とルート特定

印刷物の中に人間の目だけでは認識出来ない透かしを埋め込む事で、情報漏洩が発生した後に文章を回収できれば、印刷者の特定に繋げる事が可能です。

透かしの技術

透かし印刷には色々な技術が用いられます。

いくつかの代表的なものを、簡単に見ていきましょう。

潜像処理

一般的に印刷機の解像度はコピー機よりも高いため、それを利用する事で行われるのが潜像処理印刷です。

小さい点と大きな点を埋め込み、小さい点がコピー機の解像度では読み込めない設定にしておくことで、原本がコピーされた場合に大きな点だけが読み込まれて、元文章とは変わって注意喚起のメッセージが浮き出るようになっています。

原本とコピーが簡単に識別できます。

地紋透かし

印刷物の背景に情報の埋め込みを行い、印刷者のIDや印刷日時などの数値データが判別できるようになります。

情報が漏洩した場合、印刷物が手元に戻ってこれば、情報漏洩した人物を特定することが可能になります。

フォント透かし

印刷者のIDなどの情報を、人間の目では判別できない程度にフォントの変更を行い、文字の輪郭に微妙なノイズを加えたり、変形させたりする技術がフォント透かしです。

文字だけでなくグラフや図形、ロゴなどにも入れ込む事が可能で、文字も多様な言語に対応が可能になっています。

この透かしが埋め込まれた書類が情報漏洩した場合、文書が手元に戻ればスキャンして解析ソフトにかけることで人物の特定が可能になります。

文書の一部だけ破損して戻っても、認識が可能になっています。

いずれの透かし印刷も、不正を働けば後からでも追求が可能になっている事を公開することで、紙のコピーだからバレっこない!という認識を抑え込むと共に、より取り扱いに慎重を期す事が期待できます。

コピー機・複合機のセキュリティ機能を解説した、以下も併せて是非ご覧下さい。

コピー機の透かし機能を使う際の注意点

企業に対するセキュリティへの要望は今後ますますシビアになっていきますので、デジタルデータのセキュリティと同様、コピー機や複合機、プリンターなどで印刷する紙媒体

に関しても、今まで以上に意識して情報漏洩を防がなければなりません。

印刷に関しては今回紹介した透かし機能をしっかり活用すれば、より確実に情報漏洩を防げるようになるはずです。

さらに紙媒体からの情報漏洩の他に、コピー機や複合機、プリンターでは、印刷するためのデータをネットワーク経由で漏洩してしまうリスクもありますから、もしこれから新しい機種を導入する予定があるのなら、透かし機能を含めた最新のセキュリティ機能を持つ機種を探してみることをおすすめします。

紙媒体からの印刷セキュリティを高めたいとお考えでしたら、例えばレンタルプリンターサービスを利用するという方法もあります。

レンタルプリンターなら月ごとの契約となりますので、必要な時にすぐに最新機種にアップグレード可能です。

気になる最新モデルがレンタルできるモデルに登場する時に、新品を買い換えるのではなくレンタルで最新のセキュリティ機能を持つ複合機やプリンターへの交換が可能となります。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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