コピー機やプリンターをオフィスで使用する際に、リース契約を利用する方もたくさんいらっしゃいます。
特に大型のコピー機能付き複合機を使っているオフィスでは、これまでの慣習としてリース契約を継続して使っているという方も多いはずです。
しかし、今まで使ってきたからという理由だけで、コピー機やプリンターをリース契約し続けるということは、果たして賢い選択なのでしょうか?
今回はそんなコピー機やプリンターのリース契約に関して、契約期間、料金、契約自体などについて、主にそのデメリットをご紹介していきます。
コピー機やプリンターのリースとはどんな契約か
コピー機やプリンターのリース契約のデメリットについて知る前に、まずリース契約自体が一体どのようなものなのかを、あらためておさらいしておきましょう。
一般的にオフィスで利用する器機は、購入することが普通と考えられています。
しかしコピー機やプリンターなどの大型のオフィス器機に関しては、非常に費用がかかるため、一括で支払うと費用的な負担が大きくなってしまいます。
そこで費用を月額の分割で支払える、リース契約が重宝されているのです。
ただしこのリース契約というのは、実質的にはローンで購入しているのと同じ程度のコストとなり、さらに消耗品や保守費用がそこに追加されるため、リースをしているから購入するよりもお得になるというわけではありません。
リース契約のデメリットは?
さて、ではこのリース契約というものには、一体どんなデメリットがあるのでしょうか。
特にリース契約は、リースにした方がお得と思い込んで契約してしまうケースも多いため、まずは実情をしっかり把握しておくべきです。
途中で解約できない
リース契約のデメリットの中で特に気をつけなければならないのは、一旦リース契約をしてしまうと途中解約ができないとうことです。
リースという単語を聞くと、借りているだけだからいつでも好きな時に返却できそうなものですが、コピー機やプリンターのリース契約はほとんどの場合「途中解約ができない契約」となっています。
コピー機やプリンターのリース契約というのは、一旦新品をリース会社が購入し、それを貸し出すという形となりますから、単に契約形態がリースになっているだけで、実質的には新品を購入しているのと同じだからです。
審査が煩雑で時間がかかる
リース契約のデメリットとして大きいのが、このリース契約に関する「審査」が上げられます。
リース契約をする際には、比較的シビアな審査をしなければならず、継続して利用しているのであれば良いのですが、新規で契約する際には最悪の場合審査が通らないというリスクもあります。
審査のための手続きも想像以上に煩雑で、リース契約が完了するまではかなりの負担になってしまうかも知れません。
さらに審査には思ったより時間がかかるので、今すぐにコピー機やプリンターが必要と言う時には不向きな調達方法と言うこともできます。
決してリーズナブルな契約とは言えない
リース契約は、本体を購入しないでコピー機やプリンターを調達でき、さらに支払いも分割となりますから「お得」というイメージがあるかも知れません。
しかし実態としては先ほど説明しているとおり、ローンで分割払いをしているのと同じ条件となっていて、ローンの際には支払わなければならない金利分も、当然このリース料金に含まれています。
そう考えると、リース契約は決してお得でリーズナブルな調達方法では無いことがわかると思いますし、さらにそれ以上にカウンター料金や、保守メンテナンス費というコストも必要となるということは知っておくべきでしょう。
リース契約にはメリットもある
もちろんリース契約はたくさんの企業が利用しているだけあって、メリットもいくつかあります。
では続いてこのリース契約のメリットについてもチェックしておきましょう。
イニシャルコストが不要
まずリース契約の一番のメリットと言えるのが、この初期導入時のイニシャルコストが軽減できるというものでしょう。
リース契約をしているとあまり意識しないかも知れませんが、大型の複合機というのは非常に高価な機械で、100万円以上の機種がほとんどとなっています。
そう考えると、大型複合機というのは、自動車一台分に匹敵する高額な設備であることも、ある程度認識しておいた方が良いかも知れません。
そんな高額な機械であれば、リースでイニシャルコストなしで導入できるということは、メリットとしては大きなポイントになるはずです。
長期契約で月々の支払いが軽減できる
イニシャルコストのメリット以外にも、リース契約は月々の支払金額を軽減できるというメリットもあります。
というのも、リース契約というのは基本的に5〜6年程度の長期にわたる期間の契約となりますので、分割回数としては60〜72回程度の回数となります。
本体が高額であっても、自動車ローン並みの期間でリース契約を結びますので、月々の支払いの負担が軽減されるわけです。
会計的なメリットがある
リース契約にした場合、コピー機やプリンター本体は資産にならず、経費として計上できます。
そのため会計処理が簡単になるため、これがメリットのひとつとしてリース契約が使われる理由にもなっています。
リース契約をする際の注意点は?
さてこのように、リース契約にはメリットとデメリットの両面があるわけですが、ではもし実際にリース契約をしたいと考えた場合、何か注意するべきポイントというものがあるのでしょうか。
個人は利用できない
リース契約は、基本的に法人専用のサービスです。
そのため個人やSOHOなどの、法人で無いオフィスでは利用できません。
実質的にはそのような小規模オフィスこそ、イニシャルコストや月々の支払いを少なくしたいというニーズがあるはずですが、審査が厳しいリース契約は対応してもらえません。
そのため、個人やSOHOでコピー機やプリンターを利用したい場合は、本体を購入するか、リースでは無くレンタルで利用する必要があります。
もしイニシャルコストをかけず、月額も安く上げたいのであれば、契約できないリースではなく「レンタルプリンター」サービスを利用するのが正解でしょう。
カウンター料金などに注意
リース契約には独自のオプション契約として、カウンター保守契約というものが付随することがほとんどです。
このカウンター保守契約というのは、何枚印刷したかの数値を記録するカウンターに従って、1枚あたり何円という印刷料金が発生する契約で、本体の保守メンテナンスと共に費用が発生します。
そのため、印刷枚数が多いオフィスではこのカウンターっ料金がかなりの負担になる場合もあります。
想定外のコストを支払わなければならなくなるような事態を避けるためにも、リース契約時には必ずこのカウンター料金がいくらで、実際使用する際に月額どの程度のコストになるかも計算しておくべきでしょう。
本当にリース契約はお得なのか?
このように高額な複合機のコストを、初期費用なしで月払いできるリース契約は、使いようによってはお得と言うこともできるかも知れません。
しかしその実態はローンで分割払いしているのと同等な上、カウンター料金などの付帯する費用も発生しますので、事前にしっかりコスト計算をしておかないと、思わぬ経費の負担にもなりかねません。
オフィスでコピー機やプリンターを導入する場合、デメリットも多いリース契約だけと決めつけるのでは無く、レンタルプリンターを含めたコスト計算をしっかりしてから、どの契約が一番リーズナブルなのかを判断してみてください。