プリンターやコピー機のインクの種類は純正と互換で違うの?

インクジェット形式を採用したプリンターやコピー機は、専用のインクを使って印刷をします。

このインクには、プリンターメーカーが提供する純正インクと、それ以外のメーカーが提供する互換インクの二種類があります。

一般的には純正インクを購入する人が多数を占めていますが、互換インクはリーズナブルな価格で手に入るため、一度使うと手放せない存在とも言えます。

しかしそれでも互換インクに不安を持つ人もいらっしゃるはずですから、まずは純正インクと互換インクの何が違うかを理解しておくべきではないでしょうか。

目次

プリンターのインクには純正インクと互換インクがある

純正インクは、プリンターやコピー機のメーカーが自社製品として提供するインクで、同じメーカーの機器に最適化された品質と性能を持ちます。

メーカーの保証も受けられますが、価格が比較的高くなっています。

一方、互換インクは、サードパーティ製のインクで、純正インクに比べて価格が安いため、コスト削減を目的に利用されることがあります。

互換インクは、純正インクに比べて品質や性能が劣ることもありますが、近年では品質が向上し、純正インクに引けを取らないものがほとんどです。

ただし、互換インクを使用する場合には、使用するインクの種類や品質によっては、プリンターやコピー機の故障や印刷品質の低下などが起こる可能性がまったくないとも言えません。

そのため、互換インクを使用する場合には、信頼できる製品を選ぶ必要があります。

純正インクの特徴とメリット

純正インクはそれぞれのプリンターの機種ごとにメーカーがラインナップしているインクですから、インクが切れた際にはこれを選んでおけば一番間違いないのは確かです。

ただし、唯一と言っても良いデメリットとしては、その価格があまりに高すぎるというポイントが上げられます。

実はこれはプリンターメーカーのビジネスモデルとして、プリンター本体はそこまで利益が出ないような価格設定にしてユーザーを取り込み、その代わりに交換するインクで利益をしっかり上げるという戦略を立てているからです。

そのため純正インクの価格は原価率が非常に低く抑えられていて、ユーザーにコスト的な負担を強いているわけです。

互換インクの特徴とメリット

そんなプリンターメーカーのビジネスモデルに対抗して登場したのが、互換インクです。

互換インクは適正な原価率でインクの価格を設定しているため、純正インクと比較すると圧倒的にリーズナブルな価格で購入できます。

ただし互換インクには一点だけ注意点があります。

それは、互換インクを使っている時にプリンターが故障してしまった場合、保証期間内であっても保証が受けられない可能性があるということです。

ではこの互換インクというものは、それ以外では品質などについて純正インクと比べて大きな差があるのでしょうか。
それともほぼ同じレベルと言っても良いのでしょうか。

互換インクの成分は?

プリンター用のインクジェットプリンターで使われるインクには、「染料」と「顔料」という二つの成分が使い分けられています。

例えばプロやセミプロのカメラマンが写真を印刷する際には染料を使い、ビジネスドキュメントの印刷には顔料を使うというのが、成分の使い分けとなっていました。

これは印刷の発色の関係で、微妙な色合いを正確に再現して写真専用の光沢紙に高画質にプリントできるのが染料系のインクで、用紙を選ばずにくっきり印刷できるのが顔料系のインクとされているため、このように使われることが多くなっているのです。

互換インクの場合は多くのケースでビジネス用途として使われますので、多くのものが顔料インクとなっています。

もちろんプリンターの種類によって使われている素材は異なりますが、互換インクでも純正インクと同じ系統の材料でインクを製造しています。

素材が同じ系統であるのなら、その品質もほぼ同等になると言っても不思議ではないはずです。

互換インクの製造プロセス

互換プリンターの品質を考える際にチェックしておきたいのが、インクの製造プロセスです。

海外製のインクの場合はどんな工場で作られているかまったくわからず、保証もありません。

しかし国内ブランドの場合は、工場が一定の基準を満たしていれば、まず問題のない製造プロセスで作られていることが保証されます。

そんな基準としてチェックしておきたいのが、ISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)やISO9001(品質マネジメントシステムの国際規格)です。

この二つの規格を取得している工場で生産されているインクであれば、一定の品質が保証されたインクであると言えるでしょう。

互換インクの品質は悪い?

ひょっとしたら互換インクに関して、何らかのネガティブな噂を聞いたことがある人もいらっしゃるかも知れません。

まず一つは品質に関する噂です。

互換インクは準背インクに対して、品質が悪いという噂も耳にします。

この噂は真実なのでしょうか。

低品質な粗悪品もある

もちろん互換インクにはさまざまなメーカーがあり、その中で品質に関しては良いものから悪いものまでがあるというのが真実です。

中には外国製の粗悪品とも言える低品質な互換インクもあり、そのような互換インクが全体のレベルの平均値を一気に下げているのです。

粗悪品的な互換インクは、概ね互換インクの値段の相場よりもかなり激安価格となっているため、逆にわかりやすいとも言えます。

つまり、低品質な互換インクを避けるためには、激安、格安品の互換インクを購入せず、さらにショッピングサイトのユーザーレビューなどをしっかりチェックすればある程度大丈夫と言えるでしょう。

日本のブランドが出している適正な価格の互換インクのほとんどは、普段使いに十分な品質を保っていますので、問題なく使用できるはずです。

インクの質としては純正が良いが実際のプリント結果に大差はない

では国内ブランドの互換インクの品質はどの程度なのかと言えば、実際のところプリンターメーカーの純正インクと比較すると、製造や素材自体は若干劣ることになります。

というのも、純正インクは飛び抜けて価格が高く設定されているため、原価率を抑えたところで潤沢な材料や製造方法が利用できるからです。

しかしそれはある意味オーバークオリティとも言えるため、一般的なオフィスで普通紙を使って印刷するのであれば、プリントのアウトプットの品質には、大きな差がないと言っても間違いありません。

プロの写真家が大判で高解像度の印刷をするならともかく、日常的な利用シーンでは純正インクも互換インクも同じ程度の品質で印刷できると言っても過言ではありません。

互換インクを使うとプリンターが故障する?

さらに互換インクにとってのネガティブな噂の一つに、互換インクを使うとプリンターが故障するというものも耳にします。

これは真実なのでしょうか?

現実的に考えるとインクによってプリンターが壊れるという現象は、あまりあり得るものではありません。

ただしプリンターの大半は純正インクを購入させるために、特種なチップを使い、そのチップに対応していないとプリントできない仕組みにしています。

一般的に販売されている互換インクはこの問題をクリアしていますが、先ほど紹介した海外製の格安互換インクの場合は、クリアしていないためインク交換をしても使えないという場合もあります。

そういう意味で格安インクはせっかく購入しても「使えない」可能性があるため、これを故障していると言い換えることができるかも知れません。

そのためやはり海外製の格安互換インクというのは、絶対に購入を避けるべきと言うことになります。

まとめ

このように互換インクは格安製品を除けば、純正インクに引けを取らない品質で、圧倒的なコスパを実現しているインクです。

そのため、信頼できるブランドの互換インクであれば、ビジネス用にプリンターインクとして充分満足できるレベルで利用可能となっています。

これを機会にもし互換インクの導入を迷っていたのであれば、信頼できるブランドの互換インクを是非一度試してみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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