コンビニのコピー機は安全? セキュリティレベルや注意点を解説

コンビニのコピーサービスはとても便利です。24時間使える上に、今はオフィスからデータ転送することもできます。

コンビニエンスストアの多くに設置してあるマルチコピー機は、とても多機能な上に、出力される印刷は、オフィスで利用している大型複合機コピー機と同等です。

コロナ禍の影響と働き方改革によって、在宅ワークの導入をする企業が増えています。
自宅にプリンターが無い場合は、身近に存在しているコンビニのコピー機は、時間を問わず、いつでも利用したい時に利用出来る利便性もあります。
休日や出張先でコンビニのコピー機を利用して社用の書類をコピーしたという経験がある方も多いことでしょう。

便利な一方で、不特定多数の人間が入れ替わり利用する特性がある、コンビニのコピー機を業務の書類印刷に使う事に、抵抗を感じている方も少なくないと思います。

コンビニのコピーサービスのセキュリティは安全なのか?検証すると共に、利用する際の注意点を解説します。

目次

コンビニのコピー機で出来る事

コンビニエンスストアは日々進化してますが、マルチコピー機も新型が導入されて、どんどん進化しています。
出来る事はコンビニによっても異なりますが、最新の出来る事を見てみましょう。

コピー

最も基本的な機能です。
画面や文章のコピーの片面コピー・両面コピー・拡大縮小・シールを作る・葉書にコピー・写真をコピー・免許証やカードのコピー・2枚の書類を一枚に纏めるコピー・ノートや冊子を分割してコピーなどが出来ます。

免許証は表と裏を並べて1枚にコピーが可能で、その場合の料金は1枚分で済みます。

写真のコピーは、単純に普通紙に印刷するのではなく、L判・2L判の写真用紙にコピーします。他にも葉書用紙・シール紙等を用意しています。

FAX

直ぐに送りたいFAXを、街のコンビニからFAX出来る便利さが基本です。
国内だけで無く海外へFAX送信も可能です。

クロネコFAXなど、外部クラウドに預けたFAXデータを、マルチコピー機で受け取ることが出来ます。
家庭や仕事場から預けるほか、コンビニから預ける事も出来ます。
文書番号が表示されて、伝える事によりコンビニで受け取ることが可能になります。

写真プリント

デジタルカメラやスマートフォン等で撮影したデータを、コンビニで写真プリントが出来ます。
写真屋さんのプリントに遜色ない、光沢感のある高画質な写真プリントは、L判・2L判の他にシール印刷も可能です。

通常の写真プリントだけで無く、証明写真プリント・カレンダープリント・引き延ばしプリント・並べてプリント・ポスタープリント・インデックスプリントなど多彩です。

葉書プリントは、宛名面には印刷出来ません。
裏面のみを印刷が出来て、持ち込み葉書は利用する事が出来ません。

証明写真プリントは、写真用紙やシール紙にも対応していて、履歴書などに使用出来ます。手持ちの写真データから、画像の縮小や拡大、明るさの調整が行えます。

カレンダープリントは、普通紙(B5からA3)・光沢紙(A4のみ)・写真用紙(L判と2L判)・シール紙から選べるほか、卓上タイプの作成も可能です。

ポスタープリントは、A3より大きくプリントしたい場合に、2枚または4枚の用紙に分けてプリントして、繋ぎ合わせると大きな1枚のポスターに仕上がります。

写真プリントに利用出来る記録媒体は、USBメモリー・メモリースティックデュオ・SDカード・CD・DVDディスク・マイクロSDカード・PrintSmashアプリが使えるスマートフォンです。

利用出来るメディアは、店舗によって異なります。

利用出来るメディアの詳細については、「コンビニ複合機じゃダメ?コンビニ印刷のメリット・デメリット」をご参照ください。

〇コンビニで利用出来る用紙は限られる

一見すると、万能に見えるコンビニのマルチコピー機ですが、利用出来る用紙は限られています。

基本的に外部からの用紙持ち込みを認めていない店が大半で、備え付けのサービスに利用出来る用紙しか使うことが出来ません。

詳細は「プリンターで厚紙の印刷はできる?家庭用、オフィス用、コンビニプリンターで検証」の厚紙はコンビニでも印刷可能なの?をご参照ください。

PDFデータプリント

写真データの出力だけで無く、PDFファイル文書をマルチコピー機では印刷出来ます。使える記録媒体メディアは、写真と同じタイプが利用出来ます。

複数のPDFデータを纏めて読み込んで、自動的にページの順番を入れ替えて印刷が出来ます。
プリントされた用紙を2つに折ると、冊子が出来上がります。

ビジネス文書で幅広く利用されている、MicrosoftのWordやExcelのデータ形式は、そのまま記録媒体メディアに入れて、コンビニエンスストアに持ち込んでも、利用する事は出来ません。

それらを事前にPDF形式に変換した、データを持ち込む必要が有ります。
PDF形式の保存は、何ら難しくありません。
通常の形式で保存した後、同じ物を「名前を付けて保存」を選択して、保存形式にPDFを選択すれば完了します。

スキャンサービス

最大A3サイズの原稿を読み取って、PDFやJPEG形式のデータとして保存出来ます。
保存出来るのは、USBメモリー・PrintSmashアプリが使えるスマートフォンです。

スキャンしたデータは、手持ちのパソコンやスマートフォンから、メールやLINE等で即座に送信出来ますね。

ネットワークプリントサービス

パソコンやスマートフォンから文章や画像を、ネットワークプリントサービス用ウェブサイトに登録しておくことで、マルチコピー機でプリントする事が出来ます。

自宅にプリンターが無い場合や、出先で急にプリントが必要になった場合に重宝します。

ネットワークプリントは、事前に登録したクラウドサービスに、データをアップロードして・・・と聞くと、躊躇する方もいらっしゃいますが、とても簡単で利用しやすくなっています。

詳細については、「ネットプリントとは?すぐにわかるメリットとデメリットも解説」も併せてご覧下さい。

セブンイレブンで行っているサービスが「ネットプリント」で、ローソン・ファミリーマートで行っているサービスが「ネットワークプリント」です。

紙の書類を持ち込んでコピーしたり、データを記録媒体メディアに入れたりして持ち込むよりも、セキュリティ面で考えれば安全と言えます。
在宅ワークで業務文書を、コンビニで印刷する必要に迫られたら、クラウドを利用したネットワークプリントは、最も安全です。

テレワークで手元にプリンターが無い場合、社外印刷ではセキュリティに気を配らなければ、情報漏洩に繋がります。

詳しくは、「テレワークのプリンターのセキュリティは大丈夫?問題とその解決方法をご案内します」をご覧下さい。

行政サービス

マイナンバーカードや住基カードを使って、各種証明書が取得出来ます。
利用出来るのは、行政サービス参加自治体に住居が有る方に限定されます。

住民票の写し・印鑑登録証明書・各種税証明書・戸籍証明書・戸籍附票の写しが利用出来ますが、自治体によって利用出来ない種類もあります。

コンテンツプリント

ブロマイド・楽譜・住宅地図・競馬新聞・過去の新聞などの他、店ごとのオリジナルコンテンツがあり、新しいマルチコピー機の楽しみ方を提供しています。

コンビニのコピーザービスは安全性が高い

安心な理由

現在のコピー機は、機械内に一定期間データを保存する機能が備わっています。
1枚コピーが終わったら、原稿を抜き取ってもコピーができるのはそのためです。会社の社外秘の書類をコンビニでコピーした場合「データを抜き取られるのではないか」と心配する方もいるでしょう。
しかし、安心してください。コピー機のデータは短時間で削除されます。データを抜き取ろうと思ったら、印刷した直後に専用の機械でデータを吸い出さなければなりません。

もちろん、専用機械は市販されていません。コンビニの社員ならばデータを抜き取ることは可能ですが、コンビニには必ず防犯カメラが設置されています。コンビニのデータを不正に抜き取ろうとしたら、あっという間にバレてしまうでしょう。

それに、リスクを冒してまでデータを吸い取る価値がある書類をコンビニでコピーすることはまずありません。
ですから、安心してコピーできます。コンビニのコピー機に記録されたデータが第三者によって利用されるのは、例えば犯罪に関わったデータがあるなど、特別の場合だけです。正当な理由なくデータを流出させれば、流出させた人が罰せられます。

コンビニのマルチコピー機は特別製

たとえば、個人情報を含んだ、免許証の様な書類のコピーをする場所として、不特定多数の人間が使用する、コンビニエンスストアに設置してあるマルチコピー機は、ちょっと避けたいと考える人も多いと思いますが、事実は逆です。

コンビニのマルチコピー機は、通常の大型複合機コピー機とは異なる、特別製です。
印刷が終了して、支払いが済むと初期画面に移り、その時点で自動的に、完全にデータが削除される仕組みが備わっています。

セブンイレブンに導入されているマルチコピー機は、富士フィルム製(富士ゼロックスはゼロックスとの提携を現在解消しています)・ローソンとファミリーマートはシャープ製です。
コンビニエンスストアを運営する企業も、セブンイレブンはヨーカドーグループで、ローソンは三菱商事、ファミリーマートは伊藤忠商事という、蒼々たるメンバーです。

これらの企業は、看板の信用を何より大切にするので、万に一つでも個人情報を含んだ、ユーザーのデータ管理に不備・漏洩が発生することのリスクを、ユーザー以上に重要視していることは間違いありません。

また、これらの企業は資本力・資金力があるため、年々新手が登場する問題に対して、防御するためのセキュリティ対策開発を行っていて、オフィスにある大型複合機コピー機よりも、頑強なセキュリティだと言えます。

置き忘れなどのヒューマンエラーさえ無ければ、最も安全なコピー機です。

ネットワークを利用するマルチコピー機のセキュリティ対策

 

具体的な強い対策

コンビニエンスストアのマルチコピー機は、インターネットを利用して、アップしたデータを印刷する事が出来ます。

セブンイレブンでは、富士フィルムの運営する「ネットプリント」・ローソンとファミリーマートでは、シャープの運営する「ネットワークプリント」というサービスを利用します。

それぞれ、自社のクラウドデータセンターで、自動的に高度に暗号化されて保管されます。マルチコピー機だけでなく、データセンターも高度な不正アクセス対策を行っています。

ファイルは保存期間がサービスによって明快に定められていて、プリントを行っても行わなくても、自動的に完全に削除されます。

データセンターと各店舗のマルチコピー機を結ぶネットワークは、専用のネットワークで接続されていて、途中経路で不正にアクセスされる事も有りません。

法人に便利なネットワークプリント for Biz

シャープが運営するネットワークプリントでは、仕事に便利な「ネットワークプリント for Biz」のサービスを行っています。

会社で契約して、支払いも一括して会社が後日行えば良く、いちいち利用者が経費精算する手間も無くなり、外で活動する営業マンが多い企業では、印刷のために会社に戻る必要が無くなり、在宅ワークでの大量印刷が必要になった場合など、コンビニエンスストアのマルチコピー機を利用して、効率的に業務が遂行できます。

前述の屈強なマルチコピー機のセキュリティに加えて、アカウントを発行した社員には、だれが?いつ?どこで?何を?印刷したかのログが残り、利用履歴を確認する事が出来ます。

USBメモリー等でデータを持ち出すリスクと比較すれば、情報漏洩リスクは大幅に軽減されます。
データにアクセスする都度、「ID」と「パスワード」によって認証が行われ、関係者以外のデータ閲覧は出来ない仕組みになっています。
データの保存期間は、管理者が社員それぞれに設定する事が出来て、期間を過ぎたデータは完全に削除されます。

コンビニのコピーサービスを利用する際の注意点

ただし、コンビニのコピーサービスを利用する場合は、以下の2点に注意しましょう。

  • 資料やUSBの取り忘れ
  • ネットプリントを利用する場合はパスワードの設定

資料やUSBをコンビニに忘れてしまうと、盗難の怖れがあります。
コンビニの店員が忘れ物に素早く気付けばいいのですが、ほとんどの場合、誰かがそっと持ち去っても気付きません。特にUSBは会社の重要なデータが詰まっているということもあるでしょう。
急いでいる場合でも、コピーが終わったら取り忘れがないかしっかりと確認してから店を出てください。忘れた書類やUSBの内容がネット上に流出すれば、もう回収は不可能です。管理責任を問われることになります。

印刷ミスをした用紙の扱いにも、気をつけて下さい。
出しっぱなしにしてコンビニエンスストアを出たり、店のゴミ箱に捨てたりすることも避けるべきです。
面倒くさくても、すべてを回収して持ち帰り、細かく破るかシュレッダーにかければ安心です。

どれだけ気をつけていても、人間はミスをします。
たまたま仕事の電話が来た、知り合いに会ったなどで、気が回らなくなる事も有ります。
とにかく、気が付いた時点で一刻も早く、コンビニエンスストアに電話で連絡をとり、マルチコピー機の確認をお願いして下さい。
その場合、レシートを受け取る習慣が有るとスムーズです。

また、最近はオフィスで作成した書類をコンビニでプリントできるネットプリントサービスも人気です。オフィスや家で作成した書類をネット上にアップし、番号を打ち込むことで出力させます。会社書類をネットプリントサービスで出力させる場合、必ずパスワードを設けましょう。
印刷番号だけだと、誰もが印刷できる状態になります。そして、印刷期間はできるだけ短くしましょう。ネットプリントサービスは最長で7日間印刷期間を設けられますが、自分だけ印刷すればいいのなら、最短期間を設置するのがおすすめです。

なお、ローソンとファミリーマートで利用できるネットプリントサービスの場合、パスワードを設けないと、プリント可能な期間が残っているものが全て表示されてしまいます。気をつけてください。

コンビニプリントのメリットとデメリット

具体的なコンビニプリントの、メリットとでメリットを考えてみましょう。

メリット

印刷したい時だけ利用する事が出来て、置き場所やメンテナンス、購入費用が掛からない事に加えて、インク・トナー等の消耗品や用紙を購入する必要もありません。

それでいて、多彩な用紙を高品質で印刷が可能です。

デメリット

印刷する都度、費用が必要になります。また、印刷が必要になる度に、コンビニまで行く必要が有ります。
急いでいても、別の客が利用している場合には、終わるまで待たなくてはなりません。

後で印刷した内容に誤字など修正箇所を発見しても、すぐに印刷し直せないのもデメリットです。

大量に印刷したり業務で利用したりするなら、効率や費用を考えても、レンタルプリンターサービスを導入した方が、大きなメリットが有ります。

コンビニ複合機のメリットとデメリットを掘り下げた、「コンビニ複合機じゃダメ?コンビニ印刷のメリット・デメリット」もご覧頂ければ幸いです。

まとめ

今回は、コンビニのコピーサービスのセキュリティや利用する際の注意点を解説しました。コンビニのコピーサービスのセキュリティはとても高く、安心して利用できます。その一方で、書類やUSBの取り忘れに注意してください。また、ネットプリントサービスを利用する場合も、パスワードを設けるなど自分でセキュリティを高めましょう。そうすれば、安心して使うことができます。情報は一度流出すれば回収はほぼ不可能です。ヒューマンエラーに気をつけましょう。

 

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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