プリンターのWi-Fiダイレクトとはどんな接続方法?仕組みやBluetoothとの違いを解説します!

Wi-Fiと聞くと、インターネット接続に利用する時の、手段のイメージを持つ方が多いと思いますが、厳密に言うと、Wi-Fiは無線で機器同士を接続する、世界共通の規格です。

Wi-Fi=インターネット のイメージが定着しているのは、Wi-Fiを利用して接続する場合の接続先の多くが、Wi-Fiルーターと呼ばれる機器であり、そのWi-Fiルーターがインターネットに繋がっている事で、結果としてWi-Fi接続すればインターネットに繋がるという事です。

Wi-Fiルーターに接続すれば、インターネットに繋がるだけでなく、同じネットワーク内の他の端末機器とも、自由にデータのやり取りが可能になります。
そのため、プリンターの接続方法も、以前はUSBケーブルを使用して、パソコンと1対1の接続をする事が一般的でしたが、ネットワーク内の複数端末から印刷が可能になるWi-Fi接続での利用が増えています。

しかし、多くのユーザーが利用する端末が、パソコンだった時代は過去になり、スマートフォンの利用者が、圧倒的多数を占めるようになりました。
パソコン等の他の端末を使わずに、スマートフォンだけの利用者も多く、特に単身世帯では、スマホプランを契約している事で、光回線などの別回線を用意する必要を感じないユーザーも多く、Wi-Fiルーターで自宅にネットワークを構成する必要もありません。

そんなスマホユーザーが、気軽に無線接続でプリンターを利用して、印刷出来る手段がWi-Fiダイレクトで、プリンターとスマホを1対1で無線接続します。
機器同士を1対1で無線接続する手段として、Bluetoothを思い浮かべる方も多いと思いますし、実際にBluetooth接続が出来るプリンターも多数販売されています。

プリンターのWi-Fiダイレクトとは、どんな接続方法なのか?その仕組みやBluetoothとの違いについても解説します。

目次

プリンターのWi-Fiダイレクトとはどんな接続方法?

無線でプリンターを利用する接続方法として、端末とプリンターを直接繋ぐWi-Fiダイレクトと、ネットワークのアクセスポイントに接続して繋ぐ方法があります。

ネットワークのアクセスポイントに接続とは、Wi-Fiルーターを使って構築した、ローカルエリアネットワーク(LAN)に繋ぐ方法で、アクセスポイントとしてWi-Fiルーターに接続します。

Wi-Fiダイレクトは、無線で対応している端末とプリンターを1対1で接続します。

プリンターがWi-Fiダイレクトに対応している機種なら、繋ぐ機種がWi-Fiが利用出来れば接続が可能で、スマートフォンの他パソコンやタブレット、対応しているデジタルカメラから直接プリンターに接続が可能で、ネットワークやルーター、パソコン等の機器を一切介さず、またそれらを必要としません。

自宅にネットワークが無いスマホユーザーには、極めて利便性が高く、Wi-Fiダイレクトの機能を搭載するプリンターが増えています。

プリンターの2つの接続方法についての詳細は、「プリンターの無線の接続方法はWi-Fiダイレクト?アクセスポイント?」も、併せてご覧ください。

Wi-Fiダイレクトの接続の仕組み

Wi-Fiダイレクト機能を搭載しているプリンターは、一口で説明すると、簡易的なWi-Fi基地局だという事です。

たとえば、スマートフォンでWi-Fiに接続する時に、利用出来るWi-Fiの一覧を設定で表示して、使用するSSIDをタップして、設定されているパスワードを入力すればインターネットに接続出来る様になりますよね。

同様にWi-Fiダイレクト機能が有効になっているプリンターが有る場合では、利用出来るWi-Fiの一覧の中に、プリンターのSSIDが登場します。
タップしてパスワードを入力すれば、プリンターに接続出来る仕組みになっています。

接続先のプリンターでは、インターネットに接続されていないため、プリンターも接続した端末も、インターネットの利用は出来ません。
複数箇所のWi-Fi基地局には同時に接続する事は出来ないので、プリンターにWi-Fiダイレクトで接続している場合は、Wi-Fi接続でインターネットも利用出来ません。

プリンターをWi-Fiダイレクトで接続する際に必要なもの

冒頭でも説明したように、どんなプリンターでもWi-Fiダイレクトが利用できるわけではありません。

そこで、Wi-Fiダイレクトを使って印刷を行うために必要なものについて説明します。今後利用したいと考えているなら、事前に必ずおさえておきましょう。

Wi-Fiダイレクトに対応しているプリンター

全てのプリンターがWi-Fiダイレクトに対応しているわけではなく、中には非対応のものもあります。

Wi-Fiを使って印刷できればWi-Fiダイレクトが利用できるわけではないので、Wi-Fiダイレクト機能が搭載されているかを購入前に確認しないといけません。

対応しているかはプリンターの機能一覧などに書かれていますが、わからなければ家電量販店のスタッフに質問するか、ネットを使ってプリンターの公式サイトで調べてみましょう。

Wi-Fi環境

ここで言うWi-Fi環境というのは、印刷するためのデータを出力する機械がWi-Fi環境化で利用できることを指しています。

たとえばWi-Fiを使えるノートパソコンはWi-Fiダイレクトを利用できますが、有線接続でないとネットにつなげないノートパソコンではWi-Fiダイレクトは使えないということです。また、スマホはOKですが、ガラケーでは利用できません。

近頃はWi-Fiが使えるパソコンやスマホから印刷データを出力することが多いでしょうから、Wi-Fi環境については特別準備する必要がない場合がほとんどです。

Wi-FiダイレクトとBluetoothとの違いは何?

1対1で機器同士を接続する方法としてBluetoothもあり、Wi-FiダイレクトだけでなくBluetoothにも対応しているプリンターが発売されています。

Wi-FiダイレクトとBluetoothは、どちらも機器を接続する規格ですが、大きな違いとして、Bluetoothは利用する機器のどちらも対応している必要が有りますが、Wi-Fiダイレクトでは片方が対応しているだけで、もう一方の機器はWi-Fiが利用出来ればOKです。

Wi-Fiダイレクトの規格はIEEE802.11で、見通しなどの条件が整えば、最大50mから100mの距離でも通信が出来るのに対して、Bluetoothの規格はIEEE 802.15.1であり、概ね10m程度の範囲でしか接続出来ません。

Wi-Fi接続には色々なタイプが有り、通信速度はタイプによって異なりますが、いずれもBluetooth接続に比べれば速く、大容量の通信にも対応しています。

Bluetoothの最大のメリットは消費電力が少ない事ですが、一般的なプリンターはバッテリー駆動ではなく、コンセントで電源を取るため、メリットを活かすことも出来ません。

プリンターでWi-Fiダイレクトを使うメリット

Wi-Fiダイレクトのメリットを見てみましょう。

プリンターと端末だけで完結できる

自宅に光回線などの他回線を導入していない場合、Wi-Fiルーターの設置でネットワークが構築されていなくても、Wi-Fi接続をする事が可能になります。

スマホをプラン契約だけで利用しているユーザーや、イベント会場などの外へ持ち出す機会に、ネットワークに関係無く直接繋げられる利便性があります。

セキュリティの安心感

インターネットに接続する事は常に一定のリスクが伴いますが、インターネット接続とは関係無いWi-Fiダイレクトでは、安心して利用する事が出来ます。

Wi-Fiダイレクトを接続するには、パスワードを入力する必要が有り、意図しない外部からの利用も制限されます。

正規の利用者は接続の一回目だけパスワードを入力すれば、二回目からはパスワードを必要としない機器が大半で、利便性も損ないません。

高速通信

Bluetooth接続に比べて、大容量高速通信がWi-Fiダイレクトでは可能です。

コンビニエンスストアに設置してあるマルチプリンターで、スマホから印刷をする場合にも、Wi-Fiダイレクトが利用されています。

プリンターでWi-Fiダイレクトを使うデメリット

Wi-Fiダイレクトにはデメリットもあります。

インターネット利用が出来ない

プリンターをインターネット接続すれば、色々なフォーマットデータを入手したり、クラウドからデータを入手して印刷したり、出来る事が大きく広がります。

Wi-Fiダイレクトでは、プリンターがインターネットに接続出来ないだけでなく、接続する端末でもWi-Fiでインターネット接続が出来なくなります。

ネットワークの環境が有れば殆ど利用しない

Wi-Fiルーターにインターネット回線が繋がっている環境では、Wi-Fiダイレクトを利用するメリットは基本的にありません。

Wi-Fiルーターを使ったアクセスポイント接続なら、複数の機器端末から自由に接続出来る利便性がある上に、インターネットへプリンターを接続する事も可能です。

別接続の同時利用は出来ない

Wi-Fiダイレクトだけのデメリットとは言えませんが、無線と有線の同時接続や、Wi-Fiダイレクトとアクセスポイントの同時利用は出来ません。

プリンターは有線接続と無線接続を同時に利用できる?片方しかダメ?」も併せてご覧下さい。

Wi-Fiダイレクトでプリンターとパソコンを接続する方法

Wi-Fiダイレクトを使って印刷する際の接続方法はだいたい同じですが、プリンターごとに若干異なります。

また、iPhoneを使うのか、Androidを使うのか、Windowsを使うのかでも異なるため、今回は代表としてMacを使った一般的な接続方法を説明しておきますので参考にしてください。

  1. Wi-Fiダイレクト機能があるプリンターで、SSIDと暗号キーを表示させる。
  2. Macで「システム環境設定」を開き、「ネットワーク」を選択する。
  3. Wi-FiがOFFになっている場合、左のメニューから「Wi-Fiを入りにする」をクリックする。
  4. ネットワーク名の中から、つなぎたいプリンターのSSIDを選択する。
  5. パスワードを入力し「接続」をクリックして完了。

まとめ

Wi-FiダイレクトはWi-Fiルーターがなくても無線接続で印刷できる便利な機能です。利用するにはWi-Fiダイレクトが使えるプリンターと、Wi-Fiが使えるパソコンやスマホが必要となります。

これからプリンターを購入する方でWi-Fiルーターをお持ちでない方がいたら、ぜひ便利なWi-Fiダイレクト機能付きのものを選択してはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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