プリンターで「純正品ではありません。」と表示されるときの原因と対策

iphoneを愛用している方の中には、アクセサリー類も全てApple製にこだわる方もいらっしゃるとは思いますが、サードパーティー製のAppleとは何の関係も無い、メーカーの商品を利用している方が実際には遙かに多いです。

充電ケーブル一つとっても、iphone5の頃には無かったチップがケーブルに埋め込まれて、それまで利用出来ていたケーブルが、利用出来なくなった経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

充電ケーブルは、安全性の面から適当に製造された粗悪品を排除して、ユーザーを守る意図も有ったとは思いますが、Appleには利益を一切直接もたらさないサードパーティーを排除する意図も有ったと推察出来ます。

インクジェットプリンターの消耗品であるインクは、純正品は非常に高価なため、サードパーティー製の互換インクやリサイクルインクを利用して、印刷コストを低減させる手段は、全国の事業所やユーザーが行っています。

その場合、インクを装着すると「純正品ではありません。」の警告表示が出る場合があります。

「純正品ではありません。」の警告が出た際の対処法について、ご紹介していきます。

目次

「純正品ではありません。」と表示される原因

そもそも、このような表示がPCやプリンターに出現する理由はどこにあるのでしょうか。

純正のインクを使用していないため

純正品ではありません。という警告は、その通りメーカーの純正ではないインクを使用した時に現れる表示です。

メーカーはプリンターの販売に合わせて純正インクも行なっているのですが、これらとは異なる非純正のインクを使うことで、こういった表示が現れます。

純正ではないサードパーティー製のインクには、リサイクルインクと互換インクがあります。

リサイクルインクは、利用の終わった純正のインクカートリッジを、洗浄してインクの詰め替え作業を行い、販売されているものです。

互換インクは、インク自体だけでなく容器カートリッジも、全てサードパーティーの自社で制作しているインクです。

純正かどうかはICチップで把握している

最近のインクカートリッジには、ICチップの搭載されているタイプが大半です。

表向きのICチップ搭載理由は、本体とインクを電気的に結んで、より厳密な管理をするためになっていますが、その多くはインク残量の検出です。

ドットカウント方式と呼ばれるインク残量検知は、インク量をICチップに記憶させる事で、出力したインクの回数を引き算する事で、残量を把握しています。

しかし、実際の印刷によるインク消費は千差万別で、有る程度のマージンを考えた数値にならざる得ないため、実際のインク量とは誤差が出ることが多く、インクが残っているのにインク枯渇表示が出やすくなっています。

光学式と呼ばれるインク残量検知は、インクに光を当てて実際に検知するため、この方式の方が的確なインク量が把握出来ます。本来この方式ではICチップはインクに搭載する必要はありません。

メーカーや機種によって採用方式は様々ですが、光学式でインク残量を検知しているプリンターの多くにも、ICチップが搭載されています。

これは、純正以外のサードパーティー製のインクを、出来れば排除したい思惑があります。
互換インクもリサイクルインクも、純正でICチップが搭載されている場合では、ICチップを搭載せざるを得ません。

サードパーティー各社は、純正ICチップを分析した上で、問題無く動作するようにデータを入力して出荷していますが、完全に同一にする事は出来ないため、「純正品ではありません。」表記が出るケースが発生します。

「純正品ではありません。」と表示された時の対処法

次に、プリンターから純正ではないという警告が表示された時の対処法について、見ていきましょう。

互換性のあるインクであれば心配の必要なし

結論から言うと、例え純正品ではないという警告が表示されても、プリンタ本体が問題なく動くようであれば特段機にする必要はありません。

表示がいささか大げさであるため、初めて表示された人にはショックかもしれませんが、プリントアウトのパフォーマンスには影響しないため、気にすることはないでしょう。

逆に、この警告が表示されながらプリンターに不具合が起きている場合には、別の箇所にトラブルが発生している可能性もあります。他にチェック項目がないか、確認しましょう。

どうしても気になる場合は純正インクの利用を

非純正のインクを使用していると、毎回警告が出てきてしまうので、非常に煩わしい思いをするかもしれません。どうしても警告表示が気になる場合には、大人しく純正インクの利用をおすすめします。

「純正品ではありません。」の表示はあくまでも純正利用を促す対策

インクが純正ではないことを示す警告は、様々なメーカーのプリンターで表示されるポピュラーなものです。

エプソンの場合

〇プリンターパネルの表記

純正インク以外を利用した場合、プリンターパネルに「純正品ではありません。」の表記が出る場合が有ります。

下部にある「次へ」を選択すると、警告マークと共に「プリンター本来の性能を発揮できないことがあります。非純正品のインク残量表示について保証できません。非純正品の使用に起因して生じた故障については、保証期間内でも有償修理となります。」という表記が出ます。

下にスクロールすると、「このまま使用しますか?」という表記と共に、「はい」「いいえ」が出てくるので「はい」を選択すれば、インクをプリンターが認識します。

〇パソコン画面の表記

パソコン画面では、「エプソン非純正品が検出されました。」というウィンドウが開き、「純正品以外のものをご使用になりますと、プリンター本体や印刷品質に悪影響が出るなど、プリンター本来の性能を発揮できない場合があります。エプソンは純正品以外の品質や信頼性について保証できません。非純正品の使用に起因して生じた本体の損傷、故障については、保証期間内であっても有償修理となります。非純正品のインク残量表示についても保証できません。現在装着しているインクカートリッジをそのまま使用しますか?」が出てきます。

画面の下部にある「はい」をクリックすることで、問題無く利用する事が出来ます。

〇保証のある互換インクが安心

プリンターは1年以内のトラブルは保証が付いていますが、純正以外のインクを利用する事で、以降の保証が受けられなくなります。

しかし、保証期間内の互換インクによるトラブルは、インクを販売するサードパーティーが保証する「インク革命」の様な店舗での購入が安心です。
インク革命では、購入したインクがICチップの認識をせずに、どうしても利用出来ない場合は、商品購入から1年以内なら返金・交換に応じてもらえます。

ヒューレット・パッカード(HP)の場合

非純正インクをHPのプリンターで利用すると、「他社製カートリッジを装着。HP製でないインクカートリッジが装着されています。」の表記が出るケースがあります。

エプソンの場合と同様に、基本的にはメーカーの注意文の意味合いと理解して、「OK」を押していけば認識します。

HPは比較的サードパーティー製のインクを排除する傾向が強く、新しい機種で旧機種と同じ品番のインクを利用する場合でも、ICチップの内容を書き換えて利用出来なくする事があります。

その場合、「カートリッジは旧世代のプリンター用です。」の表記が出て、それ以降には「OK」や「はい」の表示が出てこないため、利用する事が出来ません。

その場合はインクの購入先への相談になりますが、やはり「インク革命」のような保証がある販売先での購入が安心です。

プリンターメーカーはインク代が売り上げの基本

このような警告を表示する理由として、メーカーの売り上げを落とさせないためという思惑があります。

プリンターメーカーはあくまでもプリンターではなくインクでの売り上げ確保を想定したビジネスモデルであるため、純正インクが売れなければ利益を確保できません。

そのため、多少大げさにでも非純正インクの使用を咎め、ユーザーに純正インクの使用を推奨しているのです。

非純正のインクの利用で消費者に大きなデメリットはない

ただ、例え非純正のインクを使用していても、互換性がありパフォーマンスに問題がなければ、消費者は特段デメリットを受ける心配はありません。

もちろん粗悪品のインクを使って故障すれば、カスタマーサポートを受けるのが難しくなってしまうものの、毎日の利用となればインク代も侮れません。

非純正インクは価格が安いので、大量の印刷が必要な人にとっては頼れる製品です。

おわりに

純正品の利用を促す警告は煩わしいものですが、実害はなく、無視しておいても構わない表示です。

過度な心配はせず、引き続きプリンタを利用すると良いでしょう。

この記事を書いた人

家電・電化製品を専門とするWebライター。前職は電機系メーカーにて設計職に従事。理系出身ならではの観点で、プリンター・複合機を解説します。

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