プリンターのトナー交換をする時の注意点

レーザー方式のプリンターは、インクジェットプリンターと比較して消耗品の交換頻度は少ないですが、印刷を重ねる中で確実にトナーの消費は行われていて、いずれトナーカートリッジの交換時期が訪れます。

トナーは粉状のものですが、カラー事に専用のボックス(トナーカートリッジ)に収納されているので、消耗したカラー(モノクロレーザープリンターの場合は当然黒1種類です)だけを、新しく購入したトナーカートリッジに交換すれば、再度印刷が正常に行えます。

トナーカートリッジの交換は決して難しいものではありません。

レーザープリンターのトナー交換をする際の注意点について解説します。

目次

トナーカートリッジの交換手順

 

具体的にトナーカートリッジの交換手順について、順を追って解説します。

交換前の事前準備とポイント

トナーカートリッジの交換前に、行っておきたい事前準備とポイントについて簡単にまとめます。

プリンター周りの空間の確保

特にオフィスに導入されている大型複合機コピー機では、設置時に開けておいた空間が荷物などで後から占拠されて、身動きができない状態になっていませんか?

プリンターは熱処理を行って印刷工程が進むため、一定の空間が確保されていないと、後々の大きなトラブルにも繋がります。

トナーカートリッジの交換のためには、大きなフロントカバーやサイドカバーを開ける必要があり、作業用の空間が必要になります。
この機会に、プリンターの環境も併せて見直してください。

交換のために開けるカバーまわりに布や紙を敷いておく

どれだけ注意を払っていても、トナーカートリッジの交換時にトナーがこぼれ落ちる事があります。

床やカーペットにトナーがまき散らされると、トナー自体が可燃性のため、掃除機を利用すると吸い込まれたトナーが内部の静電気によって発火する危険性があり、掃除機は使用する事ができません。

事前にこぼれたトナーを受ける事を想定して、トナーカートリッジを交換する本体カバーまわりに、いらない布や紙を敷いておくと保険になります。

無くても交換はできますが、トナーが飛び散った場合には、ぞうきんやティッシュ、箒などを使って清掃する必要が出てきて手間です。

トナーは人体に悪影響を与える事は、基本的にありません。

詳細は以下もご参照ください。

 

電源は入れたままにしておく

トナーカートリッジの交換にはプリンターの内部を開ける必要があるので、反射的に電源を落としてから行う・・・という発想は間違っています。

高圧電流が流れる事故は、トナーカートリッジの交換では聞いたことがありません。

トナーカートリッジの交換時には、原則として電源は入れたままにしておいてください。

プリンターや複合機の機種にも依りますが、電源が入っていれば適切なトナーカートリッジ交換のガイダンスが表示されたり、音声で案内が受けられたりするタイプも多く、正常にトナーが装着されていない場合も、プリンター自体に指摘が受けられます。

印刷機能が停止した状態で行う

大量の印刷を行っている途中で、トナーが枯渇する場合があります。

プリンターの機種にも依りますが、多くの場合でプリンターが印刷を停止して、トナーカートリッジの交換を促す案内が出てきます。

完全に印刷が止まった状態を確認してから、トナーカートリッジの交換作業に移行してください。

正しくトナーカートリッジが装着された後で、残った印刷ジョブが再開されます。

機種に依っては、トナーが枯渇しても不完全な印刷をするケースもありますが、その場合は強制的に印刷を停止して、印刷ジョブを一旦クリアにして、完全に停止した状態でトナーカートリッジの交換を行ってください。

交換するトナーカートリッジは事前に振っておく

トナーカートリッジの内部は、外から目視する事ができません。

中でトナーが偏っていると、印刷に不具合が生じます。

新しく交換するトナーカートリッジは、装着する前に水平方向に振って均等に中身を均してください。

ゆっくりと3往復程度を行えば十分です。

激しく振ったり必要以上に振る回数が増えたりすると、中身のトナーが飛び散るリスクがあります。

トナーカートリッジの交換手順

具体的にトナーカートリッジを交換する手順は、以下の通りです。

1.本体カバーを開ける

トナーカートリッジが装着されている場所は、プリンターによって異なっていますが、多くの場合でフロントカバーかサイドカバーを開けると、装着されているトナーカートリッジが露出します。

2.空になったトナーカートリッジを取り出す

トナーカートリッジを取り出しますが、プリンターによって取り出し方法は異なっています。

そのまま引っ張り出す・ボタンを押して引き抜く・回しながら引き抜くなどがありますが、本体に手順が記載されているか、マニュアルに記載されています。

無理に力任せで行わないのはもちろんですが、引き抜く作業時には水平を常に意識して行ってください。

無理な力がかかったり、作業に水平が保たれていなかったりする場合には、残ったトナーがこぼれてくる可能性があります。

モノクロプリンターではトナーは1種類なので問題ありませんが、カラープリンターの場合は複数色のトナーが差し込まれています。

空になったトナーの色をもう一度確認の上で、確実に取り出してください。
向きや方向など、差し込まれている状況をそのままにして置けば、新しいトナーを差し込む参考になります。

3.新しいトナーカートリッジを装着する

事前に水平方向に振っておいた、新しいトナーカートリッジを差し込みます。

取り出した空のトナーカートリッジの方向や向きを参考にして、同じ向きで新しいトナーカートリッジを差し込んでください。

電源が入っていれば、正しく装着されたことが確認できます。

4.開けたカバーを閉める

開けたカバーをパチンと音がするまで、確実に閉めて下さい。

カバーの閉め方に問題があると、プリンターは正しく作動しません。

おかしいな!?と思ったら、何らかのエラー表示が出ていないか確認してください。

 

トナーを上手に交換するコツは?

トナーカートリッジの交換を行う際の、コスパを考慮した簡単なコツもご紹介しましょう。

交換の表示が出てもまだ使えるかも

トナーカートリッジは、それなりに金額が張る高価な消耗品です。

できればギリギリまで使い切りたいですよね。

プリンターからトナー交換の表示が出て交換を促されても、トナーカートリッジの中でトナーが偏っているだけの可能性もあります。

慌てて交換をせずに、前述の手順で問題のトナーカートリッジを取り出して、水平方向に3回程度ゆっくりと振って中身を均してください。

何事も無かったように、暫く正常に印刷が継続できるケースは少なくありません。

トナーカートリッジのストックは「ほどほど」に

交換用のトナーカートリッジは、交換を促す表示が出てから準備しても殆ど大丈夫です。

トナー切れは印刷ができない事態を招きますので、印刷作業を止めないためにストックしておく事も良いのですが、トナーカートリッジには期限があることも考慮してください。

メーカーや種類にも依りますが、多くは2年程度に品質保証の期間が設定されています。

安価にトナーカートリッジを交換する方法は?

プリンター本来のスペックは、純正のトナーカートリッジの装着で発揮されます。

しかし、純正のトナーカートリッジは高額な事が多く、そんなニーズに安価な非純正品も販売されています。

それが、互換トナーカートリッジやリサイクルトナーです。

非純正品を装着する事で万が一トラブルが発生すると、メーカー保証の対象外になりますが、概ねメーカーの保証は1年間の限定なので期間経過後や、非純正トナーの販売店の中には保証制度を設けている事もあります。

信頼出来る販売店から購入すれば、安価にトナー交換をする事が出来ます。

純正品のトナーカートリッジと、それ以外のサードパーティー製のトナーカートリッジについては、以下も併せて是非ご覧下さい。

取り外した古いトナーの処分方法

使い終わったトナーは、処分の仕方に注意が必要です。
トナーは火気に触れると発火して、粉塵爆発を起こすことがあるからです。

そのため、トナーは一般の「燃えるごみ」ではなく、「産業廃棄物」に分類されていて、各自治体の廃棄物規則に従って処分する必要があります。

トナーの処分方法は主に、自分で廃棄する方法と、回収してもらう方法の2つがあります。

自分で廃棄するには、お近くの家電量販店にあるリサイクル回収ボックスに捨てに行く方法があります。一部の区役所や区民センターなどの公共施設、スーパーマーケットなどでも回収している地域がありますのでぜひ調べてみてください。

回収してもらう方法としては、正規の販売元に引き取りに来てもらう方法があります。

例えばブラザーの機種なら、循環型社会への取り組みとして、使用済みトナーカートリッジの回収とリサイクルを行っています。
トナーを送る送料も負担してもらえるので気軽に利用可能です。
他にも、トナー販売業者の多くがリサイクルのために無料でトナー回収をしているので、一度問い合わせてみましょう。

トナーカートリッジの廃棄については、以下も併せてご覧下さい。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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