モバイルプリンターって何?便利な使い方を紹介

自動車のトラブルで、久しぶりにJAFのお世話になりました。
大昔は作業終了後、カーボン式の作業内容報告書類をその場で作成して、書類にサインを求められましたが、タブレットにサインを求められ、小さな筐体から印刷されたロードサービス書が出力されました。書類の中には既に自分のサインも表示されています。

宅配便の方が、小さなプリンターを使っているのを見たことがある方も、多いと思います。
持ち運んで利用するプリンターは、全てモバイルプリンターと言えますが、特殊な業務用途だけに利用されているものではありません。

モバイルプリンターについて、その種類から使い方までご紹介しながら、解説いたします。

目次

モバイルプリンターとは

名は体を表すそのままで、モバイルプリンターは据え置きの通常プリンターとは異なり、場所を変えて利用する事が前提で設計されたプリンターを、モバイルプリンターと呼びます。

バッテリーが内蔵されているタイプと、電源が必要なタイプがあります。

冒頭に書いた様な、屋外を含めて利用する場合は、必然的にバッテリーが内蔵されている事が必要ですが、持ち出して利用する場所が社内の別の商談席や、商談相手の会社で利用するならバッテリーは必要無く、コンパクトにA4サイズを印刷出来る機種の方が、使い勝手が良くなります。

印刷の利用頻度が少ない場合なら、利用しない時はデスクの引き出しに収まるモバイルプリンターは、常に出しておく必要がある据え置き型のプリンターよりも、スペースを有効に使うことが出来ます。

収納を含めて社内や社外、屋外まで利用場所が広がる機動性の高さが、モバイルプリンターのメリットです。

小さい筐体サイズのため、放置しておけば盗難にあう危険性もありますが、多くの製品では盗難防止ホールが有り、ワイヤーを使って他の備品に固定する事が出来ます。

Wi-Fiやブルートゥースなど無線を利用して接続出来るタイプが多く、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンからも簡単に接続して、印刷する事が可能です。

デメリットは、通常の据え置き型プリンターに置き換える事には無理がある事です。

大量印刷には対応しておらず、消耗品が比較的簡単に少ない枚数印刷で枯渇するだけでなく、専用の用紙にしか印刷出来ないタイプの機種もあります。

モバイルプリンターの印刷方式は?

モバイルプリンターの印刷方式は、大きく分けて3つあります。

インクジェット方式

多く普及しているインクジェットプリンターを、そのままコンパクトサイズにしたモバイルプリンターです。

ビジネスユースに利用するなら、顔料インクを使うタイプを選択します。
読みやすく美しいビジネス文書が印刷出来ます。
長期間保存が出来て耐水性に優れ、文書に後でマーカーを使っても滲みません。

写真を印刷する事が多い用途には、染料インクを使うタイプが最適です。
豊かな階調表現で美しい写真印刷をする事が出来ます。

小さな筐体サイズに収めるため、インク容量は小さくなっています。
外出先では入手が難しい事も多く、ビジネス利用では予備の替えインクを常に携帯しておく必要が有ります。

感熱式

感熱式のモバイルプリンターは、専用の用紙を使用します。インクを必要としません。

簡易的な構造で印刷が出来るため、軽量でコンパクトに設計が出来るため、冒頭に書いたJAFや宅配便の現場で利用されているのは、感熱式のモバイルプリンターです。持ち運びやすく、トラブル頻度が少ない耐久性を持っています。

フォトプリンター

専用用紙に写真を印刷します。

スマホと組み合わせる事で、昔はあったポラロイドカメラのように、撮影した現場で即座に写真を渡すことが出来ます。

通常はビジネスの現場に用いられる事は少なく、プライベートに利用するユーザーが多くなっています。

フォトプリンターには大きく分けて、昇華型熱転写方式とZINK方式があります。

昇華型熱転写方式は、鮮やかで美しい高画質な写真印刷に最適です。
専用インクと用紙がセットで販売されていて、ランニングコストは比較的高くなります。

ZINK方式は専用ペーパーにインクが埋め込まれているため、一層小型化が可能ですが、写真の美しさでは昇華型熱転写方式に及びません。

こんな時はモバイルプリンターを使おう!

実際にモバイルプリンターを、便利に有効活用出来る使い方を検証してみましょう。

POSレジアプリと組み合わせる

POSレジアプリをタブレットで運用している店舗なら、商談テーブルなど着席しているお客様の側で、決済と共にレシート・領収書の発行が出来てスマートです。

店舗形態によっては、レジスペースが必要無くなります。

そのままのシステムで、店舗外の催事やイベントにも利用が出来ます。

お客様や取引先での現場印刷

保守サービスなど、出向いてサービスを行う現場では、モバイルプリンターを使って印刷する事で、仕事が完結出来ます。

一旦事務所に戻って印刷して書類を送ったり、手書きの複写用紙を作成したりする必要が無くなり、業務効率が大幅にアップするため、多くの現場で利用されています。

オフィス環境が整っていない場合

イベント会場や屋外など、通常業務を行わない環境下では特にモバイルプリンターが威力を発揮します。充電式のものであればコンセント探しに奔走しなくて済みますし、使わない時は簡単に移動させることができます。短期プロジェクトや人の出入りが激しい場所での使用を考えている場合は特におすすめです。

出先ですぐに印刷しなければいけない場合

営業や商談をしていると、見積書や領収書などをすぐにプリントアウトしなければいけない時もあるでしょう。通常であればPCからUSBなどの外部メモリに抽出し、コンビニやオフィスのプリンターで印刷するところですが、モバイルプリンターは即、その場での印刷が可能です。また、機種によってはWi-FiやBluetooth経由でデータを送ることができるので、手間の省略だけでなくセキュリティ性能も向上します。

在庫管理

棚卸しなどの在庫管理は、工場や倉庫など広いスペースで作業をする事が多く、発注数や以前の在庫数などのデータを、その場で印刷する事が出来れば、作業効率の向上が期待出来ます。

印刷頻度が少ない省スペースオフィス

それほど印刷する機会が無いけれど、プリンターは無いと困るというオフィスでは、利用しない時には収納しておいてもスペースをとられず、必要な時に必要な人間が取り出して利用する使い方にも、モバイルプリンターは有効活用が出来ます。

どこに置いても利用が出来て、使い終わったら棚やデスクの引き出しに収納する事が出来ます。

旅行先や結婚式

旅行先にフォトプリンターを持ち込めば、記憶が鮮明なうちにアルバムを作成する事が出来ます。

結婚式やパーティーなどでは、撮影した写真を主人公や参加者に、その場で渡すと喜ばれます。
画面上のデジタル写真とはひと味違う、紙写真の良さを再認識して、その場で書き込む事も出来る他、情報のやり取りをする事無く渡せてスマートです。

まとめ

今回の話を聞くまで、モバイルプリンターというもの自体を知らなかった人も多いのではないでしょうか。

働き方が多様化している現代だからこそ、あらゆる状況に対応できる環境を整え、フットワークを軽くしておきたいですね。

業務の幅を広げるという意味でも、ぜひ導入を検討してみてください。

この記事を書いた人

新卒でIT企業に入社し営業を経験。現在はフリーのWebライターとして活動しています。
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