コピー機プリンターの、タイムスタンプ機能で何ができる?セキュリティやメリット、注意点について知っておこう

タイムスタンプというのは、書類にタイム=時間を記録するための機能です。

と聞いても今ひとつピンとこないかもしれませんが、ひとことで言えば複合機でスキャンした書類の電子データに、自動的に「時間」の情報を付与する仕組みです。

目次

複合機やプリンターのタイムスタンプ機能とは?

時間の情報というのは普通に記録されると思われるかもしれませんが、タイムスタンプで記録される時間は「時刻認証局」という認定された業者によって発行された、ある意味公式の時間の証明ということになります。

通常の電子ファイルの日時というのはファイル情報として付与されていますが、パソコンで自動敵意つけられる日時の情報は、いくらでも自分で変更できてしまいます。

そのため日時の改ざんができる通常のファイル情報では、その信頼度はとても低いということになり、公的な日時の証明にはなりません。

そこでタイムスタンプを使えば時刻認証局という第三者が日時情報の付与を保証することで、信頼性の高い日時の情報がファイルに与えられるのです。

タイムスタンプは一般的にパソコンで作成したエクセルなどのファイルに付与しますが、複合機やプリンターのタイプスタンプは、スキャンした時間の情報となります。

もちろんこのタイプスタンプはスキャンした書類がその時間につくられたということを意味するのではなくて、スキャンした時間以前に存在していたという証明になります。

ではなぜこのような複雑な工程を経て、スキャンした時間を証明しなければならないのでしょうか。

基本的には国税関係書類で利用する

このように、タイムスタンプ機能を複合機やプリンターが持つようになった理由というのは何なのでしょうか。

その主な理由は「電子帳簿保存法」という法律が、令和4年1月1日より改正されたことによります。

この改正によってペーパーの書類をスキャンして保存する時には、タイムスタンプを付与しなければならないということになったのです。

それ以前は税務署長の事前承認や書類への自署が必要だったのが、このタイムスタンプを使えば面倒な手続きなく、スキャンデータを利用できるようになりました。

ちなみに国税関係書類には「重要書類」「一般書類」「過去分重要書類」と別れていますが。このいずれもタイムスタンプの付与が必要になっています。

ではなぜこのように国税関係書類にタイムスタンプの不要が必要なのでしょうか。

これは言うまでもなく、申告する際に利用する電子データの信頼性を担保するためです。

もしタイムスタンプのような公式な日時を証明することができなければ、国税関係書類の日時を都合のいいように改ざんできてしまいます。

そのような不正を防いで信頼できる電子データとして、紙の書類をスキャンしたデータを利用できるようにするため、タイムスタンプ機能が使える複合機やプリンターがラインナップされているわけです。

書類の電子化に使える

もちろんタイムスタンプが活躍するのは、国税関係書類だけではありません。

なぜなら、近頃では電子データの時間情報を利用する機会が増えてきているからです。

例えば医療関係でのカルテのデータや記録の正確さを証明する場合であったり、知財保護や特許という意味でもの作りメーカーの図面などのデータに、公式なタイムスタンプを付与するニーズがあります。

タイムスタンプは時間を証明すると共に、その電子データがタイムスタンプ以前の時間にすでに「存在していた」ことを証明するという意味でも利用されます。

さらにタイムスタンプ以降に書類が改ざんされていないということを証明するという使い方もあります。

タイムスタンプ機能の使い方

ではこの複合機やプリンターのタイムスタンプ機能は、どうしたら使えるようになるのでしょうか。

スキャンする時にタイムスタンプを記録したい時、一番簡単な方法は、タイムスタンプ機能を内蔵した複合機やプリンターを使用するというものです。

タイムスタンプの必要性が増えてきた今、新しいモデルの複合機やプリンターには、はじめからタイムスタンプが使える機種が登場しています。

このようなタイムスタンプに対応した最新モデルを導入すれば、書類をスキャンする際に機械にあるタイプスタンプボタンを押しておけば、スキャンデータに自動的にタイムスタンプが付与されます。

さらにタイムスタンプが使える機種には、ただタイムスタンプを付与するだけでなく、スキャンしたファイルを自動的に指定しているフォルダに保存するなどの、便利な機能が用意されていることもあります。

このような多彩な機能を活用すれば、保存だけでなくスキャンしたデータをメール添付で自動送信する機能もあるため、タイムスタンプが必要な書類の扱いを半自動化でき、カンタンにファイルを保存したり、メール送信できるようになるわけです。

このタイムスタンプ機能は本体に内蔵されているのではなく、オプションとして設定されていることもあります。

タイムスタンプはアプリでも実行可能

もし今使っている複合機やプリンターにタイムスタンプ機能がついていないプリンターを使っている方が多数かもしれません。

使用している複合機やプリンターにタイムスタンプ機能が内蔵されていない場合は、機能を使えないのでしょうか。

タイムスタンプが内蔵されていない複合機やプリンターでタイムスタンプを使えるようにするためには、いくつか方法があります。

まずは先ほど説明したタイムスタンプ用のオプションが、使っている機器に対応している場合、オプション品を導入するという方法です、

現在使っているリース機の会社や、購入したプリンターのメーカーのサイトなどを確認し、オプションが対応しているかどうかをチェックしてみてください。

そのほかにも複合機のアプリケーションを使用して、タイムスタンプを利用することも可能です。

複合機用のアプリケーションが機器に対応していれば、今使っている機械のまま、タイムスタンプ機能が追加できます。

そのほかにも電子ファイルにタイムスタンプを付与するアウリケーションを利用すれば、パソコンやサーバーを利用してスキャンしたファイルにタイムスタンプを付与することも可能です、

タイムスタンプ機能付き複合機が便利

納税関係の書類をスキャンして使う場合、今後はスキャンしたデータファイルにタイムスタンプを付与することが必須となります。

そのためこれから複合機やコピー機、プリンターを導入したり、新しい機種に乗り換えることを検討しているのなら、このタイプスタンプ機能を搭載している最新モデルを利用するのが良いのではないでしょうか。

ただし、タイムスタンプ付きの大型複合機は比較的価格帯が高くなることが多いため、導入する際のリース月額費用が高騰してしまう可能性もあります。

もしそのようなコスト面での問題が気になるようであれば、レンタルプリンターを使ってコストダウンしてみてはいかがでしょうか。

レンタルプリンターで用意されている中型複合機は月額のコストも安く、初期費用の負担もありません。

タイムスタンプ機能は、パソコン用のアプリケーションを上手に組み合わせることで、機能付きの大型複合機の導入コストよりも圧倒的にリーズナブルになります。

中小、あるいはSOHO的な企業規模での国税関係書類のタイムスタンプは必須ですから、レンタルプリンターを利用してよりローコストなタイムスタンプ環境を創ってみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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