一昔前の名刺印刷や年賀状印刷と言えば、街にあった印刷屋さんの独壇場でした。
一般的な家庭で当時の活版印刷を行う事は不可能で、必要なら印刷屋さんに発注するより手が無かったからです。
この状況を変えたのは、高性能なパソコンやプリンターが購入しやすい価格で販売されるようになり、一般的な家庭でも手軽に印刷することが可能になりました。
年賀状印刷をするためにパソコンやプリンターを購入するユーザーも多く、自宅印刷は普通になりましたが、名刺印刷も簡単にできるのですが、年賀状に比べるとチャレンジする方が少ないのも事実です。
年賀状とは異なり、名刺は初対面の方に手渡しする事が多いため、名刺のクオリティはその後の印象にまで大きく影響する可能性があります。
自宅で名刺印刷は、手軽に作成出来るようになっているからこそ、印刷用紙までこだわる事で、クオリティの高い名刺が作成できます。
印刷用紙までこだわりたい、自宅で名刺印刷をする3つの方法を解説します。
名刺作成で用意する物
名刺印刷を自宅で行う為には、以下が必要になります。
プリンター
名刺印刷に適したプリンター方式は、レーザー方式のプリンターかインクジェット方式のプリンターです。
用紙にこだわって多様な印刷を行うなら、対応する範囲が広いインクジェットプリンターが最適です。
個性的な用紙として、和紙・クラフト紙・メタリック加工紙・透明フィルムタイプなどがありますが、プリンターが対応している用紙である必要があります。
文字中心の名刺作成で、通常の上質紙を利用する場合ならレーザー方式のプリンターのプリンターで何の問題もありませんが、インクジェットプリンターの場合は文字がすっきり印刷できる顔料インクを使う、ビジネスインクジェットプリンターの方が美しい名刺印刷が可能です。
スマートフォンを使って名刺印刷をする場合には、プリンターがWi-Fiに対応している必要があります。
通常の用紙とは異なる用紙で印刷するため、手差し印刷についても併せてご覧下さい。
用紙
通常のコピー用紙に名刺を印刷する事も可能ですが、人物像まで薄っぺらに誤解されてみられるので、決してお勧めしません。
通常の名刺なら0.20mm未満の標準タイプでも良いですが、0.20mm以上の厚口や0.25mm以上の特厚口の厚みは、名刺に重厚感をもたらします。
ただし、用紙が厚いタイプの印刷については、レーザー方式のプリンターでは不可のケースも多いため、事前にプリンターの仕様に合致するか確認が必要です。
名刺専用の用紙が多様に販売されていますので、手軽に印刷するなら利用するのが合理的です。
A4サイズに並べて印刷して、後で切り離せるようにカットし易くなっていたり、四隅がシールタイプになっていて剥がれるようになっていたりするタイプもあります。
用紙のカラーも白一色ではなく、薄いグレーやグリーン系など多種多様に販売がされています。
いずれもプリンターが対応しているか?確認してご購入ください。
用紙の厚さについての詳細は、以下も併せてご覧下さい。
パソコンorスマートフォン
プリンターで用紙印刷をするためには、制御するための端末機器が当然必要になります。
作業がし易いのは画面が大きなパソコンですが、規定のフォーマットにのっとって作業するなら、必要な内容を文字入力していくだけで完成するスマホアプリも出ているので、スマートフォンでも名刺作成は可能です。
ソフトorアプリ
標準のメモ帳で名刺作成は事実上困難で、専用のソフトやアプリの利用が合理的です。
名刺作成の用紙を販売しているメーカーが、使いやすい専用ソフトを配布していたり、オンラインソフトで利用ができたりするケースもあります。
規定のフォーマットに依存しないで、オリジナリティある画像処理が必要なら、画像処理ソフトが必要ですし、ワープロソフトでも名刺作成は可能です。
名刺に入れる情報
まず、名刺に入れる情報から整理しましょう。
名刺には個人や店舗を特定できる情報を入れるのが一般的です。
- 氏名
- 法人名/ロゴ
- 部署名/役職/肩書き
- 住所/電話番号
- 営業時間/定休日
- ウェブサイトのURL/メールアドレス
など
渡した相手が情報を簡単にスマホ入力できる、QRコードも用意しておくと良いです。
自分で名刺を作る3つの方法
名刺作成の3つの方法を具体的に見ていきましょう。
専用のデザインソフトでつくる
オリジナリティが溢れる、他の人とはひと味違うビジュアルを求めるなら、Adobe社のphotoshopやIllustratorなどの専用デザインソフトを利用して作成します。
名刺専用アプリ・ソフトでつくる
自分で名刺を印刷したい場合は、無料の名刺作成ツールを使用することで豊富なレイアウトから作成することが可能です。
たとえばCanbaは、無料のテンプレート・写真素材・イラスト素材・フォントからオリジナルの名刺をオンラインで作成できるサイトです。
パソコンだけでなく、スマートフォンやiPadでも使用できます。
Canba以外にも「デコプチカード」や「かんたん名刺」といった無料の名刺作成アプリがあります。
名刺用紙を販売しているメーカーでは、たとえばエーワンの「ラベル屋さん」・コクヨの「合わせ名人」などのソフトが用意されていて、簡単に名刺作成が可能です。
wordでつくる
ワープロソフトの標準とも言えるマイクロソフトのワードでも、名刺作成は可能です。
差し込み印刷で「ラベル」タブを選び、「オプション」を選ぶと各社のラベルタイプの名刺用紙が選択できます。
画像を挿入したり、テキストボックスで文字を配置したりすることで、オリジナリティのある名刺が作成できます。
ワード用の名刺テンプレートとして、販売されていたり、フリー配布されていたりするものを利用するのも簡単に作成できます。
オススメの印刷用紙
名刺はデザインでのオリジナル性を見せるだけでなく、用紙のこだわりで相手によい印象を与える効果もあります。
ビジネスシーンであれば「マットコート紙」、クリエイティブ向けには「アラベール」が人気No.1です。
マットコート紙
つや消し仕上げの紙の表面は絹のような質感があります。高級感がありながら気取った雰囲気のない普通の名刺なので、用紙に迷っている方はこの用紙を選べば間違いありません。
コート紙
表面がコーティングされた光沢紙で、より鮮やかに写真の色合いを表現します。発色のよい色合いに仕上げたい、ロゴや写真をメインに仕上げるにはコート紙を使いましょう。
上質紙
マットコート紙よりもつやを抑えた用紙でハガキの普通紙のような材質です。表面がコーティングされていないため高級感こそありませんが、鉛筆やボールペンで書き込みやすい名刺に仕上がります。発色は弱いので、顔写真やロゴを強調したい場合には不向きです。
アラベール
紙本来の風合いを残した画用紙のような印刷紙です。高級紙の代表格でクリエイターに人気が高くシンプルなデザインで風格のある名刺に魅せます。写真のプリントには適しません。嫌味なく目立つ名刺を作るには最適な用紙です。
和紙風の名刺用紙
和食や着物に似合う和風な名刺です。店舗の雰囲気が和のテイストなら必ず使いたい用紙ですね。
クラフト紙
木材の色が残ったクラシカルな名刺に仕上がります。用紙の風合いが強いので写真プリントには適しません。木材に関わる仕事に就く方やスタイリッシュな印象を与えたい方にオススメの用紙です、