レーザープリンターのヘッドクリーニングにはどんな意味がある?その頻度や時間、方法までを説明

インクジェットプリンターは性能をフルに発揮するため、インクを出すパーツである「ヘッド」部分のクリーニングが欠かせず、電源が入っていれば利用頻度が少なくても自動的にヘッドクリーニングを行いますし、これから印刷するぞ!という前に一呼吸の時間が掛かるのは、ヘッドクリーニングが行われているからです。

液体状のインクを使うインクジェットプリンターでは、時間の経過でヘッド周りに付着したインクが固まる特性があり、それを正常なインクと同化させているのが、ヘッドクリーニングの役割です。

ヘッドクリーニングを行わない状態や足らない状態で印刷を行えば、特定のカラーが出ない・擦れるなどの不備が印刷出力に発生する事が避けられず、正常な印刷は成されません。

インクジェットプリンターを利用してきたユーザーなら、レーザー方式のプリンターで問題が起こった場合にも、ヘッドの不具合や対応策としてヘッドクリーニングを連想しがちですが、インクを吹き出して印刷するインクジェットプリンターと、トナーという粉末状の粉を用紙に定着させて印刷するレーザー方式のプリンターでは、根本的に印刷方法が異なり、当然ですがレーザー方式のプリンターにはインクを吹くヘッドは備わっていません。

レーザープリンターの印刷クオリティに関係する重要なパーツとしては、感光体ドラムがあります。
レーザー方式のプリンターでは、インクに該当するトナーを用紙に直接乗せるのではなく、筒状のローラー形状になっている感光体ドラムにトナーを乗せて、その後用紙にトナーを電極の変化で移動させて、熱処理して定着させるのが一連の印刷の流れです。

ドラムは非常に繊細なパーツで、そこに不具合があれば印刷結果に確実に不具合が出ます。

レーザー方式のプリンターのプリンターでの印刷不具合時には、ヘッドクリーニングではなく、ドラムに注目して対処が必要であり、その内容や意味合い・頻度や時間に加えて対処方法まで解説します。

目次

レーザープリンターのドラムのクリーニングはなぜ必要?

レーザープリンターのドラムはトナーを電気的に引き寄せるために、静電気を利用しています。

そのためドラムに静電気が蓄積され、時間がたつにつれてトナーがドラムに付着してしまい、その結果なプリント品質の悪化を引き起こす可能性があります。

さらに、ドラムは、指紋やホコリなどの汚れが付着しやすい構造となっています。

こういった汚れはプリント品質に悪影響を与えるため、ドラムのクリーニングが必要になるのです。

ドラムのクリーニングは、定期的に行うことが推奨されています。

クリーニング方法は、プリンターのメーカーやモデルによって異なりますが、通常は機種専用のクリーニングキットを使用することが推奨されています。

クリーニングキットには、クリーニング用のウェットティッシュやスポンジ、そして特別なクリーナーなどとなっています。

レーザープリンターのドラムの役割は?

レーザープリンターのドラムは、トナーを転写して紙に印刷するための重要な部品の一つです。

具体的には、レーザープリンター内部でトナー粒子がドラムの表面に電気的に引き付けられ、その後、ドラム上に描かれたレーザースキャナーで書き込まれた情報であるイメージに従って、トナーがドラム表面に着色されます。

次に、ドラム上に着色されたトナーが、紙への転写が開始されます。

このプロセスでは、ドラムと紙の間に高電圧が印加され、トナーが紙に転写されます。

その後、紙は加熱され、トナーが紙に固定され、印刷されます。

このように、ドラムはレーザープリンター内部で非常に重要な役割を果たしています。

正しいドラムのメンテナンスとクリーニングが行われている場合、高品質で長持ちする印刷が可能となるのです。

レーザープリンターのドラムクリーニングをしないとどうなる?

ではもしドラムのクリーニングを怠った場合、どのような問題が発生するのでしょうか?

プリント品質の低下:

ドラムに汚れやトナーが付着すると、プリント品質が低下することがあります。

プリントされる画像や文字がにじんだり、薄くなったり、黒くなってしまうのです。

トナーのムラ

ドラムにトナーが付着しすぎると、トナーの量がムラになることがあります。

この結果、プリントされる画像や文字の一部が明るくなったり、暗くなったりすることがあります。

ページの汚れ

ドラムに付着した汚れやトナーが、プリントされたページにも付着することがあります。

これにより、プリントされたページが汚れて見えたり、シミや線が現れたりすることがあります。

ドラムの劣化

ドラムに付着した汚れやトナーが、ドラムの表面を傷つけたり、劣化させたりすることがあります。これにより、ドラムの寿命が短くなる可能性があります。

ドラムが速く劣化してしまうと交換の頻度が高まり、余計なコストが発生してしまいます。

これらの問題を避けるために、定期的にレーザープリンターのドラムクリーニングを行うことが重要になるのです。

ドラムクリーニングの方法

大前提としてですが、レーザー方式のプリンターのドラムは消耗品です。

印刷枚数が増えて利用期間が長くなれば、確実に劣化が進んで交換が必要になります。

「ドラムカートリッジ」を交換してくださいの表示が出てきた場合は、ドラムが劣化しているか損傷しているケースが多く、メンテナンスでは元の性能を発揮する事はできず、素直に交換した方が良いです。

トナーカートリッジ一体型ドラム

ドラムは大きく分けてタイプが2つあり、1つ目としてトナーカートリッジとドラムが一体化しているタイプがあります。

このタイプではトナーカートリッジを交換すれば、新しいドラムが装着されるので、トナーの消耗よりもドラムの不具合が早いケースは希であり、ドラムが原因のトラブルは少ないと言えます。

手間が掛からないメリットは大きいのですが、消耗品購入コストは高くなる傾向になります。

単体ドラム

トナーカートリッジと一体化していないドラムが存在している、レーザー方式のプリンターもあります。

ブラザーのレーザー方式のプリンターは、簡単に取り外しが可能なドラムユニット型になっていて、物理的なメンテナンスも可能です。

メンテナンスの方法

プラザーの例で、ドラムの清掃について具体的に見てみましょう。

コロナワイヤーの清掃
  1. 電源をONにします
  2. フロントカバーを開けます
  3. ドラムユニットを取り出します
  4. ドラムユニットに装着されている、グリーンの「つまみ」を2度から3度往復させます。
  5. グリーンの「つまみ」を元の位置に戻します(▲の印に合わせてください)
  6. ドラムユニットを元の場所に装着して、フロントカバーを閉じて完了です
ドラムユニットの清掃

フロントカバーを開けてドラムユニットを取り出します

新聞紙などの上にドラムユニットを置きます

ドラムユニットを裏返します

露出した感光ドラムの表面についた汚れや異物を、綿棒などの細く柔らかいもので優しく取り除いてください

ドラムユニットを元の場所に装着して、フロントカバーを閉じて完了です

プリンターで行えるメンテナンス

プリンターで行えるメンテナンス方法もあります。

キャノンの例で、作業方法を確認してみましょう。

  1. ユーティリティからクリーニングを洗濯
  2. クリーニング用紙の要求が出る
  3. 手差しトレイに用紙をセットしてオンラインにする
  4. クリーニング用紙が印刷される
  5. 出てきたクリーニング用紙の印刷面をしたにして、用紙に表示されている矢印側から手差しトレイに差し込んで、オンラインにする
  6. 用紙がゆっくりと送られて、クリーニングが実行されます

 

レーザー方式のプリンターだけでなく、インクジェットプリンターも含めたプリンターのトラブルについては、以下も併せて是非ご覧下さい。

ドラムクリーニングはどの程度の頻度でするべき?

レーザープリンターのドラムクリーニングの頻度は、プリンターのメーカーやモデル、使用頻度などによって異なります。

プリンターメーカーの推奨するドラムユニットの寿命は、一般的に数万ページ印刷可能とされています。

そのため、プリンターを頻繁に使用する場合は、ドラムユニットの交換とクリーニングを頻繁に行う必要があります。

一方、プリンターをあまり使用しない場合は、ドラムユニットの寿命が長くなるため、ドラムクリーニングを行う頻度も低くなります。

 一般的には、ドラムクリーニングを年に数回行うことが推奨されています。

もしドラムの不調を感じたのであれば、まずプリンターの取扱説明書を参照するか、メーカーのサポートサイトを確認してみてください。

リースの場合は保守メンテナンス費用に含まれる

もしコピー機やプリンターをリース契約で使っている場合、リース契約と共に保守メンテナンス契約を結んでいるのであれば、ドラムクリーニングやドラム交換費用がその費用の中に含まれていることがほとんどです。

そのため万一印刷が不調になり、ドラムクリーニングや交換が必要となっても別途費用は必要ありません。

そう聞くと保守メンテナンス契約はお得と感じるかも知れませんが、そもそも一定期間でドラム交換をすることが前提の料金となっていますので、特にお得というわけでもありません。

まとめ

レーザープリンターやコピー機では、印刷するための主要なパーツとしてドラムがと使われています。

このドラムは定期的にクリーニングや交換が必要となりますので、メーカー推奨のタイミングで空らを実施するべきです。

ドラムが汚れていたり傷ついていると、印刷面に汚れや傷が印刷されていますので、常にクリーンな状態に保てるようにしてください。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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