パソコンでプリンターにWi-Fi接続する際はIEEEの規格に注意

プリンターをパソコンに接続する方法には、いくつかの種類があり、プリンターによっては対応しているもの、していないものがあります。

近頃ではWi-Fiを経由してネットワークに接続し、プリンターを利用するパターンが多くなっていますが、このWi-Fi接続の際に注意しなければならないのが「EEE 802.11」という規格です。

案外耳慣れないはずのこのIEEE 802.11というのは、一体どのようなもので、さらに何に注意すれば良いのでしょうか。

目次

ネットワーク接続なら複数のパソコンでプリンター利用可能

近頃ではオフィス内のパソコンのほとんどが、ネットワーク接続されています。

これはスタッフ一人ひとりのパソコンをインターネット接続する溜めにネットワーク化されているわけですが、少し前までは社内のパソコン同士でファイルをやりとりしたり、社内のサーバーに接続するための社内ネットワークでした。

そのためこの仕組みを使ってオフィス内のパソコンで一台のプリンターを利用するために、LAN端子を装備したネットワークプリンターが重宝されるようになったのです。

ネットワークプリンターが登場した当初は「LANケーブル」で接続してネットワーク化していましたが、現在では無線でネットワークに接続するWi-Fiが主流になってきています。

そのためプリンターもWi-Fiを装備した機種が主流となり、社内のネットワークにWi-Fiで接続すれば、無線で手軽にネットワークプリンターの環境が構築できます。

Wi-Fi接続

ネットワークプリンタとして利用する今どきの方式としては、Wi-Fiでプリンターを社内のネットワークに接続する方法が多いはずです。

これはスマホをWi-Fiに接続するのと同じように、プリンターでSSIDとパスワードを入力し、ネットワークに接続します。

これでネットワーク内の一端末としてプリンターがパソコンから見えるようになり、必要なドライバーなどをパソコンにインストールすれば、ネットワーク接続でプリンターを利用できるようになります。

もちろんWi-Fiは無線接続ですから、プリンターに接続するための端子などはなく、ケーブルも要りません。

Wi-Fiは比較的新しい接続方法と言えますが、もし使っているパソコンが古くWi-Fiに対応していない場合、Wi-Fiでプリンターへの接続はできません。

さらに後述しますがWi-Fiは常に規格が更新されていて、この規格が会わないと接続できない場合もあります。

LANケーブルによる有線接続

ネットワークに接続する方法としては無線のWi-Fi以外に、有線のLAN接続があります。

基本的な仕組みはWi-Fiと同じなのですが、こちらは有線接続となりますので、LAN端子にLANケーブルを接続することで利用できます。

このLAN端子での接続はWi-Fiが登場する以前の仕様となっていますので、最新のプリンターの場合は端子が用意されていない場合もあります。

そのためもしオフィス内でまだLANケーブルを使ってネットワークを構築している場合、LAN端子がないプリンターを導入してもネットワーク接続ができない場合もあるので注意が必要です。

Wi-Fi接続の際はIEEEの規格に注意

Wi-Fiは仕様がIEEEという「電気・情報工学分野の学術研究団体」によって規格が決められています。

この企画に沿った仕様でWi-Fi対応の機器が作られていて、仕様によって速度や使える周波数帯などが決められています。

これがIEEE 802.11という規格です。

プリンターはもちろんパソコン、スマートフォン、そして社内ネットワークをまとめるルーターなども、Wi-Fiを使っている場合このIEEE 802.11の仕様に準じたWi-Fiを内蔵していることになります。

IEEE 802.11とは?

Wi-Fiの規格であるIEEE 802.11には、次の7つがあります。

基本的には上が古い規格で、下に行くほど新しい規格となり、通信速度も速くなります。

  • IEEE 802.11
  • IEEE 802.11a
  • IEEE 802.11b
  • IEEE 802.11g
  • IEEE 802.11n/
  • IEEE 802.11ac
  • IEEE 802.11ad
  • IEEE 802.11ax 

ちなみに二番目にあるIEEE 802.11aが登場したのが1999年で、一番下のIEEE 802.11axは2021年に策定されているため、その間には20年を超えるギャップがあり、当然ですがその間圧倒的に技術は進化しています。

通信速度は

  • IEEE 802.11aが54 Mbps
  • IEEE 802.11ax が9.6 Gbps

と、ここからも技術の進歩が見て取れるはずです。

IEEE 802.11は、場合によっては「Wi-Fi 4」などと呼ばれる場合もあります。

このWi-Fiの後につながっている数字は4〜7までがあり、それぞれ

  • Wi-Fi 4→802.11n
  • Wi-Fi 5→802.11ac
  • Wi-Fi 6(SE)→802.11ax

となります。

機器によってはIEEE 802.11ではなく、このWi-Fi○で規格の表記をしている場合がありますので、注意してください。

IEEE 802.11の仕様が異なるとWi-Fi接続ができない

そしてこのIEEE 802.11にデバイスが対応していないと、接続してデータをやりとりすることができません。

つまり例を挙げると、パソコンがIEEE 802.11acにしか対応していないのに、プリンターがIEEE 802.11bだけに対応してる場合、このパソコンとプリンターはお互いをWi-Fiで接続できないということになります。

そのため、もしWi-Fiを使ってパソコンからプリンターでの印刷ができない、ネットワークがつながらないという場合は、このIEEE 802.11の規格が異なり、通信できないという理由が考えられます。

プリンターの規格とルーター、パソコンに規格の対応をチェック

そこでパソコンからプリントができない場合、パソコンやプリンターがIEEE 802.11のどの仕様に対応しているかを確認しなければなりません。

さらに確認しなければならないのは、パソコンとプリンターの他に、ネットワークに必要なルーターも含まれます。

ルーターはオフィス内の各デバイスのネットワークをコントロールするための機器で、基本的にはパソコンからプリンターにデータを送る際は、パソコンから一度ルーターを通じてプリンターに印刷データを送ります。

ですからパソコンとプリンターのIEEE 802.11の仕様を調べる際には、同時にルーターのIEEE 802.11もチェックしてください。

IEEE 802.11に関してはルーターやプリンターの取扱説明書の仕様欄や本体に貼られたシールに表記されているのでこれで確認できます。

同様にパソコンも取扱説明書に記載されていたり、あるいはOSの設定項目などでチェックできますから、そこで確認してください。

IEEE 802.11があっていない場合はルーターなどの買い換えが必要

もしこのルーターとパソコン、プリンターのIEEE 802.11の仕様が異なる場合は、仕様を会わせた機器に買い換える必要があります。

ただし、もしパソコンとプリンターのIEEE 802.11規格が異なっていても、ともにルーターのIEEE 802.11には対応していて、それぞれが同じルーターに接続できれば、直接は接続できなくてもルーター経由でデータを送れる場合もあります。

ただしこの場合はルーターを経由せずにパソコンとプリンターを直接Wi-Fiでつなぐ「Wi-Fiダイレクト」のような接続はできませんので注意してください。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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