レーザープリンターのトナーの交換方法と保存方法を解説!

家庭で使う小型のプリンターのほとんどはインクジェットプリンターなので、インクがなくなった際はインクカートリッジを交換します。

しかし、レーザープリンターの場合はインクカートリッジではなく、「トナー」を交換することになりますが、インクカートリッジとは交換方法が異なるので注意が必要です。

今回はレーザープリンターのトナーの交換方法と保存方法を解説します。レーザープリンターをお持ちの方は参考にしてください。

目次

レーザープリンターはトナーで印刷する!

レーザープリンターもインクジェットプリンターも「印刷できる」という点は同じですが、インクジェットプリンターはインクを、レザープリンターはトナーを使って印刷します。まずはトナーとインクの違いから説明しましょう。

トナーとは?

トナーは黒鉛や顔料を付着させた粒状の粉を色材としています。粉の粒は約5ミクロンと非常に小さく、透明なプラスチックが素材です。

プラスチックという素材を活かし、レーザープリンターでは色材となる粉を静電気でドラムカートリッジと呼ばれる黒い筒から印刷用紙へと転写します。その後、印刷用紙に転写された粉に熱と圧力を加えることで、粉が用紙へ付着し、印刷できるという仕組みです。

トナーとインクとの違い

トナーがプラスチックの小さな粒を色材としているのに対して、インクはみなさんもご存知のとおり液体が色材です。

液体には顔料や染料の他に、水、着色剤、浸透剤、乾燥防止剤、pH調整剤、防腐剤、防菌防かび剤などで構成されれています。

トナーはドラムカートリッジを使って用紙へ粉を付着させますが、インクは圧力と熱を加えながら、印刷用紙に直接噴射する方法で印刷を行うため、トナーとは色材も印刷方法も異なるのです。

トナーの交換方法!中身が漏れないよう注意

トナーは非常に小さな粉からできているため、交換手順が正しくないと、中が漏れたり交換後に印刷にムラができたりするので注意が必要です。ではここから、トナーの交換方法と注意点をご紹介しましょう。

袋から出す前に中身を水平にするように振る

新品のトナーは製造工場から手元に届く間に、中身が片側に寄ってしまっている可能性があります。レーザープリンターに設置する前、袋から取り出す前に水平にしたままトナー容器を振って中身を平らにしましょう。

この際、トナー容器を傾けたまま動かしたり、激しく振ったりすると、トナーの中身が飛び出してしまうので注意してください。水平を保ち、左右に数回振ってならすだけで良いです。

中には使用前に振ってはいけないタイプもあるため、念の為トナーのパッケージを確認しておきましょう。

中身が漏れないように慎重に設置する

次に、レーザープリンターのフロントカバーを開けます。ほとんどのレーザープリンターはフロントカバーを開けてすぐ見える位置にトナーが入っているはずですが、なければ取扱説明書などで場所を確認してください。

そして使用済みのトナーの並行を保ったまま、レーザープリンターの中から取り出してください。使用済みであっても中には少量の粉が残っているため、容器が斜めにならないようゆっくりと取り出します。

次に、袋から出した新しいトナーを正しい向きでプリンター内部に設置してください。新しいトナーは粉がたくさん入っているので、ほんの少し傾けただけでも中身が溢れてしまいます。

水平を保ち、「カチッ」と音がするまで、プリンター内部に押し込みましょう。設置音がするまで押し込めていないと、印刷トラブルの原因になるので注意してください。

また、中には設置前に保護シールを剥がしたりフタをとったりする必要があるタイプもあるので、事前にパッケージなどで確認しておきましょう。トナーを設置したらフロントカバーを閉じます。

使用済みトナーは所定の方法で廃棄しよう

使用済みのトナーをゴミと思い、ゴミ袋に入れていつもどおり捨ててしまうのはNG。使用済みトナーは以下のいずれかの方法で処分してください。

  • メーカーに引き取ってもらう
  • トナーの回収業者に依頼する
  • 不用品回収業者に回収してもらう
  • 家電量販店の回収ポストに入れる
  • 産業廃棄物として破棄する

トナーは印刷できない状態になっても、内部にプラスチックの粉が残っています。そのままゴミとして破棄すると、粉塵爆発を起こす危険性があるので、必ず上記のいずれかの方法で処分してください。

トナーの保管方法

トナーがなくなると印刷できないため、なくなってから手配することのないよう、新品の在庫を用意しておく場合もあるでしょう。その場合、保管方法にはいくつか注意すべき点がありますので説明します。

縦置きや上下逆さまでの保管は厳禁

トナーには上下があり、正しい向きで水平にして保管しなければなりません。なぜなら、上下逆さまにしたり縦置きにしたりすると、中身が漏れ出る可能性があるからです。

漏れていなくても、トナーの粉が長時間偏ったままになるため、設置後に印刷ムラなどトラブルにつながる確率が上がります。

トナーの上下は梱包箱に書かれているので、保管する前に確認しておいてください。安定性が悪い場所は避け、できればトナー専用の棚を用意して水平に保管しておきましょう。

高温多湿な場所は控えよう

高温多湿な場所にトナーを保管すると、粉が湿ったり性質が変わったりする可能性があります。トナーが乾いた状態でないとキレイに印刷できないので冷暗所で保管しましょう。直射日光もNGです。

また、火気のあるところも、粉塵爆発の危険性があるので避けてください。間違った方法でトナーを保管し、思わぬトラブルを招かないよう注意しましょう。

使用期限を守ろう

使用期限の切れたトナーは、中身が劣化して固まっているかもしれません。そのまま使うとレーザープリンターが壊れる可能性があるので使わないことをおすすめします。壊れなくても、色ムラができたりおかしな色で印刷されたりするので使わないほうが無難です。

使用期限の切れた未使用のトナーは、使用済みのトナーと同じ方法で処分できます。無駄にしないよう使用期限は都度チェックし、買い過ぎに気をつけましょう。

トナーについての注意点

トナーを交換する際、健康被害やトラブルを起こさないために、以下の2つの点に注意して作業しましょう。

吸い込みには注意

トナーはプラスチックの粉でできていますが、粉そのものは人体に危害を及ぼすものではありません。しかし、大量に吸い込むと肺によくない影響を与える可能性があります。

ホコリを大量に吸ったと同じようなものなので、アレルギーやハウスダストを持っている方は特に注意が必要です。トナーを交換する際はできるだけ粉を吸い込まないよう、マスクを装着して行うことをおすすめします。

服や手についたときに洗浄方法

トナーの交換に慣れていないと、あやまって容器を傾けてしまい、粉が服や手についてしまうことがあります。

まずは手を数分お湯につけてから、石鹸やハンドソープで洗ってください。それでも落ちない場合はスポンジを使ってみましょう。

服についたものは擦ると余計にこびりついてしまうため、まずは濡れたウエスなどで軽く拭き取ってください。その後、洗濯洗剤や食器用洗剤で洗えば落ちるはずです。

まとめ

レーザープリンターはインクジェットプリンターとは違い、トナーを使って印刷を行います。トナーは交換や保管の際に注意すべき点があるため、トラブルを起こさないためにも事前に理解しておきましょう。

交換の際はマスクを着用して粉を吸い込まないように気をつけ、手についたらお湯でふやかしてから石鹸などで洗うとすぐに落ちます。

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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