いまどきのビジネス用複合機には、実にさまざまな便利機能が用意されています。
そういった高機能な複合機を導入していても、使い方を知らなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
そんな意外に知られていない便利機能の一つに、「リテンションドキュメントファイリング機能」というものがあります。
長い名前で覚えにくいかもしれませんが、この機能を使いこなせば後からプリントを追加で必要になった時の利便性が高まり、さらに、ミスプリントも減るのです。
そこで今回は、このリテンションドキュメントファイリング機能とは何か?どのように使えるのか?そしてなぜミスプリントが減るのかについて、紹介していきます。
リテンションドキュメントファイリング機能とはどんな機能か
リテンションドキュメントファイリング機能というのは、一度読み込んだ原本を複合機内に保存し、保存したデータ管理機能によって自由に好きな時に、コピーし直せるという機能です。
「ファイリング機能」という名前からも分かるように、保存した原稿のデータは任意の場所で管理できますので、利用する人ごとにフォルダを作ってそこからコピーができるため、データが混ざってどこになるか分からないということもありません。
データの保存の方法
リテンションドキュメントファイリング機能は、主に二つの方法で、原稿のデータが保存できます。
まず一つ目が、コピーしたいデータを一度複合機内に保存だけして、必要なタイミングで印刷する方法。
これを使う時には「プリントせずにホールド」といったオプションをオンにしておきます。
もう一つが、まず必要な枚数の印刷をして、その後また印刷が必要になる場合に備えて、スキャンしたデータを保存しておく方法です。
リテンションドキュメントファイリング機能の利点は?
ではこの機能を使うと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
よく使うデータを保存して効率化できる
リテンションドキュメントファイリング機能は一度コピーした原稿のデータを、複合機内に保存できる機能ですから、この保存したデータを再活用して、ビジネスのオペレーションを効率化できます。
例えば注文書などのよく印刷が必要となる書類を、このリテンションドキュメント機能でデータ保存しておけば、注文書が特定の枚数必要になった時に、原本をスキャナーにセットする手間を省き、複合機内に保存されたデータからそのまま即座に印刷可能となります。
プリントミスが防げる
プリントミスでよくある原因として、原本をスキャナーにセットする際に位置がずれたり、斜めになってしまったりという、原稿のセットミスがあります。
しかしもし以前コピーしたものと同じ原本の印刷が必要であれば、リテンションドキュメントファイリング機能を使えば改めて原稿をセットした際にミスをする心配がなくなり、結果的にミスプリントを防ぐことが可能となります。
ミスプリントが減ればインク代やトナー代、用紙代の節約につながることは、いうまでもありません
リテンションドキュメントファイリング機能の活用法
では続いてリテンションドキュメントファイリング機能の活用法について見ていきましょう。
保存したスキャンデータを転送する
リテンションドキュメントファイリング機能を使えば、一度スキャンしたデータを再利用できます。
ファイルをパソコンで取り出したり、メール添付して転送することも可能です。
コピーのためにスキャンしたデータをそのままデジタルデータにして再利用する場合や、他の資料に貼り付けたり、参考データとして共有すれば、データ活用の利便性が向上します。
スキャンデータをUSBメモリの保存する
日本のオフィスにおいてはメディア管理のために、USBメモリを多用する習慣があります。
そのため。デジタルデータをどこかからどこかへ移す際にも、クラウドやメールを使わずに、USBメモリを利用することもあるでしょう。
複合機でコピーしたデータをリテンションドキュメントファイリング機能で保存した場合、そのスキャンデータを他の用途で使用するために、場合によってUSBメモリを使用したいケースも出てきます。
そのようなニーズに応えるため、この機能を搭載した機種の中にはデータをUSBメモリーにコピーできる機能を持つものもあり、状況に応じて手軽にデータを他の端末へ転送することが可能となります。
リテンションドキュメントファイリング機能の利用事例
これでリテンションドキュメントファイリング機能の概要や特徴について理解できたと思います。
では果たしてこの機能は、実際のビジネスシーンのどのようなところで活用できるのでしょうか。
よく使う注文書
ビジネスにおいて注文書を使って発注を受けてくるケースはよくあるはずです。
近頃では注文はウェブ経由で、デジタルを使った受け方をすることも増えていますが、それでもまだ紙ベースで注文書が必要な場合もあります。
この注文書は印刷業者に外注して印刷する場合もありますが、このリテンションドキュメントファイリング機能を搭載した複合機であれば、必要な時に必要な枚数オンデマンドで印刷できますから、素早く、ローコストで、さらに在庫切れなしで注文書の印刷が可能となります。
会議資料の追加印刷
大量の資料を会議用に使う場合、後から追加で印刷しなければならないケースも出てきます。
もしいちからプリントし直すと手間がかかってしまいますが、ページ数の多い資料を予め追加印刷する可能性がある場合、リテンションドキュメントファイリング機能で元データを保存しておけば、手軽にすぐ追加で印刷することが可能となります。
-
複合機に備わるそのほかの便利機能は?
ここまでリテンションドキュメントファイリング機能について説明してきましたが、そのほかにも複合機にはいろいろな機能が用意されています。
そこで次に、そんな便利機能の一部を紹介しておきます。
ウォーターマーク機能
ウォーターマーク機能というのは、コピーのセキュリティのための機能です。
現代におけるオフィスからの情報漏洩は、実はデジタルデータよりアナログの漏洩が深刻です。
そのアナログの漏洩を代表するのが、紙にコピーした状態のもので、この紙が外部に不正に持ち出されてしまうと、情報漏洩の原因となります。
そこで利用したいのがこのウォーターマーク機能です。
ウォーターマークとは「透かし」のことで、コピー時に用紙の背景などに透かしを入れ、そのコピーが「社外秘」だったり「重要」であることを一目で分かるようにします。
そうすればプリントされた用紙に対して、重要であるという意識が高まり、不用意に漏洩してしまうことが避けられます。
リピートレイアウト機能
リピートレイアウト機能とは、一枚の用紙に同じ文字や図柄を複数配置したい時に利用できる機能です。
例えば同じ内容をプリントした付箋のようなメモなどが必要な場合、小さな原稿を読み取ってA4用紙に繰り返しレイアウトされた状態でプリントして、A4用紙から複数のメモ用紙を作れるようになります。
複合機の便利な機能を使いこなして業務の効率化と節約を
複合機は今や単なるコピー機ではなく、デジタル技術が詰め込まれたIT機器の一つとなっています。
そんな高機能な複合機の機能をしっかり使いこなせば、これまで無駄にしていた時間や資材を効果的に活用できるように張るはずです。
今回紹介したリテンションドキュメントファイリング機能も、知らないままでは使いこなすこともできません。
会議で資料がいる場合、注文書が随時必要な場合など、この既往が活躍するシーンは多数ありますので、ぜひ今お使いの複合機、あるいはこれから導入する機器にこの機能が搭載されているかどうかを確認し、使えるのであればフルに活用してみてはいかがでしょうか。