コピー機・複合機での印刷速度とは?オススメの速さは?

オフィスに導入する大型複合機コピー機は、メーカーや機種によって大幅に本体価格が異なってきます。

同じメーカーの中で比較した場合、高額な機器ほどオプションが豊富という事では無く、価格差で出来る事に大きな差は無いのが殆どです。

価格差になっているのは、印刷速度です。
当然、高額な機種では印刷速度が速くなっています。
この印刷速度は、主に連続印刷する速度ですが、他の要素も絡んできます。

仕事に追われているので、金額に糸目を付けずに少しでも速い機種を導入するのも一つの手段ですが、コスパを考えると最適とは言えません。

逆に印刷時間はゆっくりでも構わないから、少しでも安価な機種を導入したいというなら、それも最適ではないかもしれません。

コピー機・複合機などのプリンターで、印刷速度が意味することを掘り下げて、オススメの速さの基準について解説します。

目次

コピー機・複合機の印刷速度とは

一口に印刷速度と言えば、A4サイズの一定基準の原稿を、1分間の間に何枚印刷出来るかの数値である、「連続印刷」を指しています。

この数値が高ければ高いほど、業務効率が向上するのは間違いありません。
同じ原稿を1,000枚印刷する場合、1分間に20枚のスペックの機種では、全て印刷が終了するまでに50分を要しますが、1分間に40枚のスペック機種では25分で終了します。1分間に60枚の機種では17分弱で終了します。

この連続印刷速度によって、大型複合機コピー機の価格は変わってきます。

メーカー側は、連続印刷速度によって、想定される印刷枚数を導き出し、法定耐用年数の5年間の印刷枚数に耐えうるパーツを使っています。

連続印刷枚数が少ない機種では、5年間で印刷される枚数の設定も少なく、それに見合ったパーツを使用して、連続枚数が多い機種では、5年間に印刷される想定枚数も多く、それに見合った耐久性の高い高額なパーツを使用しています。

そのため、同じメーカーの中での価格差は、印刷速度に直結しています。

プリンターの印刷速度は、連続印刷以外に「起動するまでの速さ」「起動してから1枚目を出力するまでの速さ」があります。

整理してみましょう。

印刷スピードの種類

プリンターの速度は、以下の3つが機種のスペック表には記載されています。

速度を決める要素は、以下の3点に集約されます。

ウォームアップタイム

電源スイッチを入れてから、完全に起動した状態になるまでの時間の事を「ウォームアップタイム」と言います。

一般的な大型複合機コピー機では、ウォームアップタイムは概ね30秒以下の機種が多くなっています。

メーカーによっては、高速起動をウリにしているタイプもあり、早いものでは10秒程度で起動する機種もあります。

大型複合機コピー機などのレーザー方式のプリンターでは、トナーを熱処理して用紙に圧着させる仕組みになっているため、1枚の印刷をするのにもウォームアップタイムが必要になります。

この時間を削るのには、低い温度で定着出来るトナーを用いる事が効果的ですが、どうしても別の場所に弊害が生まれてしまうケースが多く、数十秒の差なら待つ選択をする方が賢明です。

ファーストコピータイム

大型複合機コピー機のコピーボタンを押してから、はじめの1枚が印刷されるまでの時間を表すのが「ファーストコピータイム」です。

各メーカーが表示しているファーストコピータイムは、A4サイズで横の等倍印刷です。

モノクロとカラーでは異なる事も多く、概ねモノクロでは4.5秒から6秒程度で、カラーでは6秒から8秒程度になっています。

ウォームアップタイムと共に、少ない枚数を入れ替わり立ち替わり別の人間が利用する場合には、業務効率に大きな影響を与えます。

連続複写速度

先に書いたように、「連続複写速度」は、プリンターの速さを表す数値として扱われます。

連続印刷の2枚目以降において、どれくらいの速さで印刷を重ねられるかを表しています。

大型複合機コピー機では、価格が決まる重要な要素です。
たとえば、カラー25枚/分 モノクロ25枚/分のスペックである「RICOH IM C2500」は1,070,000円~という価格ですが、カラー35枚/分 モノクロ35枚/分のスペックを持つ「RICOH IM C3500」は1,490,000円~になっています。

月間印刷枚数に応じたおすすめ印刷速度

印刷速度で実用性を考える事は困難ですが、目安になるのは1ヵ月の印刷総枚数です。

前述のように、メーカーでは印刷速度によって、算出した印刷枚数に応じてパーツを決めていきますので、速度の遅い機種で大量印刷をすれば、耐用年数の5年を待たずに、寿命を迎えてしまうリスクが有ります。

耐用年数を全うできる1ヵ月の印刷枚数目安

・3,000枚まで 20枚/1分間~25枚/1分間 程度

・5,000枚まで 25枚/1分間~35枚/1分間 程度

・10,000枚まで 35枚/1分間~45枚/1分間 程度

・1万枚以上 45枚/1分間~60枚/1分間 程度

多くの事業所では、1ヵ月の枚数は3,000枚程度に収まるケースが大半です。

耐用年数から考えれば20枚/1分間~25枚/1分間で充分と言えますが、一つ上の25枚/1分間~35枚/1分間クラスを選んだ方が、仕事の効率が上がる上に、リース期間が終了した後でも、余裕をもって再リースして安価に継続利用が出来ます。

5年リースでリース料率を2%と仮定して計算すれば、25枚機の「RICOH IM C2500」は1,070,000円~という価格なので、1ヵ月のリース料は21,400円ですが、35枚機「RICOH IM C3500」は1,490,000円~なので、1ヵ月のリース料は29,800円になります。

この価格差に抵抗が無ければ、35枚機の選択をオススメします。

大量印刷はしないけど素早く1枚

印刷枚数が少ない場合は、連続印刷速度よりも、「ファーストプリント速度」と「ウォームアップ速度」が重要になります。

ただし、メーカーや機種によって、それほど大きな差は生じません。
物理的に暖める時間が、どうしても必要になるからです。

その様な利用の仕方なら、大型複合機コピー機とは別に、ビジネスインクジェットプリンターの導入を検討するのも合理的です。

ビジネスインクジェットプリンターであれば、印刷工程で熱処理をしないので、ウォームアップ時間が不要になります。
ファーストプリント速度はレーザープリンター方式に比べて大幅に速くなり、モノクロ・カラーを問わずに5秒から6秒程度のファーストプリントの時間だけで完結します。

低コストで印刷速度を上げるには?

印刷速度を上げれば、直接機種代が高くなります。
しかし、どれだけ印刷速度が速い機種に高額の投資をしても、別の人間が利用している時には、待つ人が発生します。

そこでオススメしたいのが、コンパクトな中型複合機を複数台で運用するか、大型複合機コピー機とは別に導入する方法です。

利用する人の導線が2つに分かれるので、待ち時間が短縮されて、業務効率の向上が見込めます。
同じものを大量印刷する場合でも、2台を同時に稼働する事で、たとえば毎分30枚の中型複合機が2台有れば、毎分60枚の印刷が可能になります。

中型複合機の導入には、リース契約よりもレンタルプリンターサービスを利用した方が合理的です。
プリント革命なら、中型複合機のCL-B30ライトプランが月額レンタル料22,000円で導入出来ます。

初期費用が掛からず、送料や保守代もかかりません。
リース契約では掛かってくる1枚ごとのカウンター料金も不要で、月に3,000枚まで消耗品代もレンタル用に含まれています。

この記事を書いた人

新卒でIT企業に入社し営業を経験。現在はフリーのWebライターとして活動しています。
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