なぜプリンターで黒色の印刷しかしないのに黒以外のインクが減るのか?

カラープリンターは基本的にCMYKの4色のインクを使い、機種によってはプラスアルファのカラーインクでより高品質でプリントできる仕組みとなっています。

ただしビジネス文書をオフィスでプリントするためにカラープリンターを使う場合、カラー印刷を使わずにモノクロプリント中心になることも多いはずです。

このモノクロ印刷を主体に使う場合、実は不思議なことが起きていることに気づきませんか?

モノクロプリントをするだけなら、CMYKのインクカートリッジの中で、モノクロ、つまり黒インクだけが減りそうなものなのですが、なぜかカラーインクも消費されているのです。

カラープリンターでモノクロ印刷ばかりしているのだから、消耗品として黒のインクさえ交換すればいいはずなのに、カラーインクまで交換しなければならなくなってしまいます。

これは一体、なぜなのでしょうか。

そして、カラーインクの消費を抑えるためには何をしたらいいのでしょうか。

目次

栗以外のインクが減る原因は?

ではなぜインクジェットプリンターでモノクロ印刷しかしていないのに、黒以外のインクが減ってしまうのか、その理由について見ていきましょう。

ノズル詰まり防止のためにクリーニングするため

モノクロ印刷だけでカラーインクが減ってしまう原因のひとつが、プリンターのクリーニング機能です。

クリーニング機能とはインクジェットプリンターのノズルが詰まった時に使用するモードで、詰まりを取り除くためにインクをノズルから吹き出します。

インク詰まりは、長期間プリンターを使わないとノズル内でインクが固まってしまうことによって起きるため、この固まりをインクによって取り除くわけです。

ですから黒以外のインクを使っていないと、逆にカラーインクノズルが詰まりやすくなり、その結果クリーニングが必要となってインクが消費されてしまうということになります。

このクリーニングはかなりのインク量を噴射しますので、すればするほどカラーインクが減ってしまうのです。

印刷品質を上げるため全色を使って印刷することも

もう一つの原因は、モノクロプリントというのは実は黒インクだけを使っているわけではないというものです。

実ものモノクロ印刷でもベタ面などを印刷する際には、黒インクだけでは充分な黒さが出ないため、カラーインクも同時に重ね塗りしている場合があります。

見た目は黒一色にもかかわらず、実はカラーインクも同時に消耗しているというわけです。

黒以外のインクが減ると困ることは?

では黒以外のインクが減ってしまうと、一体どのような問題があるのでしょうか。

一色なくなるだけで印刷できなくなる

ほとんどのプリンターでは、カラーインクが一色切れてしまうと、たとえ他のカラーが残っていても、印刷できなくなってしまいます。

仮に印刷したいデータが一見して「C(シアン)」のカラーを使っていないように見えても、印刷物の色は複数のカラーを掛け合わせて再現されていますので、実際にはCのインクが必要となるため、一色なくなった時点で印刷できなくなってしまうのです。

インクカートリッジによっては全色交換しなければならない

さらに問題となるのがインクがなくなって、カートリッジを交換する場合、カートリッジのタイプによってはカラーインクすべてを交換しなければならないということです。

一色ずつ個別に交換できるタイプであれば、切れてしまったカラーのカートリッジだけを交換すれば良いのでしょうが、一体型の場合他のカラーが満タンに近い分量残っていたとしても、一色が切れてしまうとすべて廃棄して、新しいカートリッジに交換しなければなりません。

ましてや通常はほとんどがモノクロプリントしか印刷していないのに、カラーがひとつ切れてしまっただけで、高価なカートリッジを交換しなければならないのは、かなりもったいないと感じてしまうことでしょう。

モノクロ印刷だけなら黒インクだけでプリントできることも

通常カラーインクが切れてしまうと、モノクロプリントもカラープリントも両方印刷できなくなってしまいます。

しかし一部のプリンターでは、カラーインクがなくなっても黒インクさえ残ってれば、しばらくの間はモノクロプリントだけができる場合もあります。

残念ながらこの状態では、黒インクが切れるまでずっとそのまま黒プリントが使えるわけではなく、黒インクが残っていても一定期間を過ぎると機械の保全のためプリントできなくなりますので注意してください。

黒インクカラーインクを節約する方法は?

インクの消費をいちばん無駄遣いしてしまうクリーニングは、どうしても必要な時以外はしないでください。

クリーニングモードはインクがノズルに詰まってしまった場合、詰まりを取るために使用しますので、まずはインクの詰まりを防ぐことが必要となります。

定期的に印刷しノズル詰まりを防ぐ

ノズルは印刷しない時間が長くなるほど、中でインクが固着してしまい詰まりやすくなります。

そのためノズル詰まりを防ぐためには、インクがノズルの中で固着しないように定期的にプリントした方が良いのです。

ただし必要のないプリントをしても、インクを無駄遣いしてしまいますからそれでは本末転倒です。

さらに印刷するデータによっては使わないカラーがあり、そうなると使わないノズルが詰まる可能性もありますので、インク消費量が少なく、全カラーを使うテストプリント用のデータを印刷してください。

印刷停止までインク交換を待つ

ほとんどのプリンターは、インクが徐々に減ってくるとエラーメッセージが表示され、インクカートリッジの交換を要求します。

しかし実はこのメッセージが出てもしばらく印刷することができます。

そして最終的にいずれかのインクが切れてしまった時点で、印刷不可能となりますが、警告メッセージが出てから印刷できなくなるまでは残ったインクが使えますのでその分節約できることになります。

ただしメッセージが出てからの印刷は、インクがなくなりかけると正常な色で印刷できなくなることもありますので注意してください。

プリンターを使わない時は電源を切る

プリンターは電源を入れたまま長期間放置していると、自動的にクリーニングモードに入ってしまい、その結果インクを無駄遣いしてしまいます。

自動的にクリーニングモードに入ることを防ぐためには、使わない時はプリンターの電源を切っておきましょう。

モノクロ印刷だけならモノクロプリンター導入を検討も

もし今必要としている印刷物がモノクロのみというのであれば、もしかしたらカラープリンターを使うのが無駄になっているかも知れません。

もしモノクロ印刷だけのためにプリンターを使うのであれば、モノクロ専用のプリンターを導入した方が、コストパフォーマンスが上がるはずです。

モノクロプリンターはインクジェットではなく、トナーを使ったレーザー方式となっていて、印刷速度も速く、消耗品となるトナーも一色だけで済みますから、カラーインクを無駄にすることもありません。

モノクロ主体で使うのであればモノクロレーザープリンターを導入し、時々使うカラー印刷はサブで小型のインクジェットプリンターを用意しても良いでしょう。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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