プリンター、複合機、コピー機のノズルヘッドの目詰まりの原因と解消法

以前のインクジェットプリンターは、印刷速度が遅く、文字がぼやける印刷結果になり、印刷物にマーカーを使用すれば滲む特性が有り、オフィスで利用するプリンターとしては不適合とされていました。

しかし、顔料インクを使用する事で、写真印刷が主戦場だったインクジェットプリンターが、それまであったデメリットを克服したビジネスインクジェットプリンターの登場により、オフィスにも導入が進みました。

熱を印刷時に利用しないため、消費電力がレーザープリンターと比較して格段に低く、占有スペースもコンパクトに収まる、本来のインクジェットプリンターのメリットを活かして、オフィスでコピー機としてや複合機として利用出来るタイプの、ビジネスインクジェットプリンターも数多く登場し、そのメリットを活かして導入するオフィスも増えています。
昨今増えている在宅勤務のツールとしても、プリンター・複合機・コピー機として、ビジネスインクジェットプリンターのニーズは強く、導入者は増加の一途です。

多くの問題点を克服したビジネスインクジェットプリンターですが、インクジェットプリンターの本来のメリットを持つだけでなく、ヘッドのインク詰まりというデメリットは構造上克服することが出来ません。プリントヘッドのインクが詰まれば印刷の続行は不可能で、レーザープリンターでは発生しない大きなデメリットです。

インクジェット方式で印刷を行う、プリンター・複合機・コピー機のノズルヘッドの目詰まりの、原因と解消法について解説します。

目次

ノズルヘッドのつまりの原因

ノズルヘッドが詰まる主な原因は、インクの乾燥と不純物の混入です。

ノズルヘッドの乾燥

インクジェットプリンターはインクを使用しているため、同様にインクを使用する筆記用具のボールペンと、特性が似てきます。

しばらく使っていなかったボールペンの、ペン先でインクが固まってしまって書けなくなった経験がありますよね?
これは乾燥によってインクが固まって、インクが出なくなった症状です。

このペン先がインクジェットプリンターではノズルヘッドになります。

インクが出るヘッド部分には、ノズルと呼ばれる小さな穴があります。その穴にインクが詰まることで目詰まりを起こし、綺麗に印刷されなくなるのです。

プリンターをしばらく使っていないと、インクは乾燥し固まってしまいます。
ボールペンではペン先にキャップをする事で、乾燥する事を大幅に低減する事が出来ます。
インクジェットプリンターでは、正しい位置までプリンターヘッドが戻る事で、キャップが閉められた状態になりますが、戻りきらないうちに電源を切ってしまった場合には、キャップをしない状態で放置されるため、インクの乾燥が早く進んでしまいます。

最近のインクジェットプリンターでは、電源を入れっぱなしにしておけば、プリンターが自分で印刷間隔が空いたことを判断して、後述のヘッドクリーニングを自動的に行って、ヘッドが詰まって印刷出来ない事態になる事を防いでくれます。

ノズルヘッドへのホコリ混入

ノズルは繊細なパーツであり、ホコリが混入してしまえば目詰まりの原因になります。

前述にもあった、プリンターヘッドが所定の位置に戻る前に電源が落ちれば、キャップをしない状態で露出されるため、ホコリ混入のリスクが格段に上がります。

また、印刷時はヘッドが当然露出しているため、印刷する用紙にホコリが付着している場合は、ヘッドにホコリが混入する原因を作っていることになります。

ノズルヘッドのつまりの解消方法

印刷物に問題があるときは、まずノズルチェック機能を使い、目詰まりを起こしているかを確認します。

ヘッドクリーニング

ノズルヘッドが目詰まりしていることが分かれば、「ヘッドクリーニング機能」を試してみましょう。手順はメーカーによって異なるため、説明書で確認するか、プリンターの画面の表示に従って行ってくださいね。

インクの特性として、一旦は固まってしまった場合でも、固まっていない本来のインクに触れる事で、溶け出す事を利用しているのが、ヘッドクリーニングです。

通常のインクの出し方では、塞がれたヘッドにインクが流れていかないので、内部からより強い圧力でインクを押し出しています。

メーカーによっては、通常のヘッドクリーニング以外に、強力等の名前が付いたメニューが有るケースが有りますが、これは圧力を変えてクリーニングを行うということです。

通常よりも圧力を掛ける事はパーツの負担が掛かるため、機種ごとに定められたクリーニング回数内に収める事が必要です。

利用していない時に電源が入った状態になっていれば、自動的にクリーニングが行われるタイプの機種では、プリンター自身が制御しているので、気にする必要は有りません。

ヘッドの洗浄

ヘッドクリーニングで解消されなければ、ヘッド部分を洗浄してみましょう。洗浄液や洗浄カートリッジを使って洗浄すると、乾燥したインクを溶かし、目詰まりを解消してくれます。

メーカーによって洗浄を推奨している製品と、そうでないものがあるので、必ず確認してから行いましょう。ヘッドの洗浄は、ヘッドクリーニング機能のように大量のインクを使わずにできるため、低コストで行える解消方法です。

一体型タイプならカートリッジごと交換

ヘッドクリーニングや洗浄を行っても改善が見られない場合、インクカートリッジのタイプでその後の対応が分かれます。

比較的安価に販売されているインクジェットプリンターでは、インクカートリッジとヘッドが一体型になっている機種が多くなっています。

その場合では、インクカートリッジごと交換してしまえば、ヘッド自体が新しくなるため、当然印刷機能は回復します。

ヘッドとインクが別れている分離タイプでは、ヘッドを素人が分解交換する事は事実上不可能です。
メーカー修理を依頼するしかありませんが、発売後5年程度を経過している機種では、部品のメーカー保有期間を過ぎていて修理出来ないケースも多くなりますし、技術者を介する修理の費用はことのほか高額で、新しい機種の購入を検討した方が安くなる事も多くなります。

定期的なメンテナンスで予防しよう

目詰まりの解消方法をお伝えしましたが、ノズルヘッドの詰まりは日々のメンテナンスによって予防できるため、普段から気を付けましょう。

プリンターの電源を付けたままにしておけば、インクが乾くことはなく、自動でヘッドクリーニングもしてくれます。常に電源を切る必要がある場合は、定期的に印刷を行うようにしましょう。

プリンターのヘッドを正しい位置に戻すことも、インクの乾燥を防いでくれます。電源を切る際には、ヘッドの移動が完了しているかを確認しましょう。またカートリッジに、同じインクを長期間入れたままにしたり、色んなメーカーのインクを使ったりすることも、目詰まりを起こしやすいので避けてくださいね。さらに不純物の混入を防ぐことも大切です。ヘッド部分にホコリやゴミが付着しないように、排紙トレイや給紙トレイは閉じておきましょう。

コピー機や複合機、プリンターなどのオフィス機材は精密機械なので、大切に扱っていてもトラブルが起こることは避けられないものです。あらかじめトラブルを想定し、解消方法を知っておけば慌てずに対処できます。ノズルヘッドの詰まりは、お手入れをすることで防ぎやすくなるので、日々のメンテナンスを心がけましょう。

 

この記事を書いた人

家電をはじめ、複合機などのオフィス備品にも強いWebライターです。今後は主にプリンターなどの備品を中心にリースやレンタル業界についても記事にしていきたいと思っています。

目次