大判プリンター・プロッターとはどんなプリンター?

用紙サイズがA3までのプリンターは、印刷する方式の違いこそあれ、基本的には一様にプリンターという表現で一括りにされています。

しかし、A2以上のプリンターになると、一般的に多いのは「大判プリンター」という表現が多いのですが、実際の利用者が通常のプリンターよりもお幅に少なくなるため、利用する所の局地的な表現として「プロッター」「CADプリンター」「CADプロッター」「グラフィックプリンター」と呼ばれます。

建築事務所や設計事務所などでは、A2以上のプリンターの総称として「プロッター」「CADプリンター」と呼ばれている事が一般的で、デザイン事務所などでは「グラフィックプリンター」と総称されていて、それぞれ明確な違いを持って使われているわけではありません。

特に古くからA2サイズ以上の印刷をしている現場では、大判プリンターというよりも、プロッターという方が通っているのは、CDだけが店頭に有るのにレコード店という呼び方は変わらなかった事に似ています。

少々解りにくい「大判プリンター」「プロッター」について整理して、どんなプリンターなのか?具体例を交えて解説していきます。

目次

「大判プリンター」「プロッター」とはどんなプリンター?

現状としては、「プロッター」を含めてA2以上の用紙サイズが印刷できるプリンターを、「大判プリンター」という総称で一纏めになっていますが、「プリンター」と「プロッター」は本来異なる物です。

プリンターとプロッターの違い

大判が仕事上で必要なユーザーにとって、歴史が古いのはプロッターです。

大きなサイズを印刷する場合の「プリンター」はインクジェット方式で、印刷する用紙に細かいマス目が存在しているとプリンターは認識して、ドットと呼ばれる点で埋めていく事で印刷がされます。

解像度が低い(仮想のマス目が大きい)プリンターでも、小さな用紙に印刷する分には気になりませんが、大きなサイズの用紙に印刷する場合は粗くて使い物になりません。

「プロッター」は点ではなく線で直線や曲線を使い、その集合体として印刷されるため、大判の用紙に印刷しても美しい滑らかな表現ができる唯一の手段だった時代がありました。

しかし、インクジェット方式の「プリンター」の性能が著しく向上して解像度が上がり、極めて小さなマス目が使えるようになると、滑らかで美しい線の表現が大判印刷でも可能になりました。

そうなってくると、大判の「プリンター」が「プロッター」が担っていた役割までこなせるようになり、汎用性が高いプリンターが重宝されることで、2つが混同されているのが現状です。

大判プリンターとプロッターは同じものという認識が広がっていますが、プロッターにしかできない事もあり(後述します)、存在自体は消えていません。

大判プリンターとは?

A2サイズ以上の用紙、B2やB0など大判の用紙に印刷できる、解像度の高く繊細な表現ができるインクジェットプリンターが大判プリンターです。

顔料インクの登場で広がる用途

インクジェット方式は染料インクを使って、用紙に染みこませて繊細な色表現をしてきましたが、時間耐久性が劣る上に水にも弱い弱点があることから、大判プリンターで利用ができるものは限られていました。

しかし、インクを染みこませないで乗せる顔料インクの登場で、時間耐久性があり、水にも強い印刷が可能になりました。

プリンターによっては全色顔料インクを使っているものもありますが、コスト重視の機種では黒だけに顔料インクを使うタイプもあります。

インク色数が増えて繊細な表現が可能に

通常のインクの色構成は、ブラック・シアン・マゼンダ・イエローの4色ですが、6色や12色などインクの色数が増えている機種では、より一層グラデーションや淡い色などの色表現の再現性が高くなり、パンチの効いた蛍光インクやフォトブラックを搭載しているタイプも登場しています。

プロッターとは?

プロッターは前述の様に、滑らかで美しい線を使った描写ができる事が大きな特性ですが、カッティングプロッターならヘッドに付いているカッターで、プリントした内容に沿ったカッティングが行えます。

データを基にして正確なカッティングが行われ、看板制作などで美しいカットが短時間でできて業務効率が大幅に向上します。

プロッターの種類について、簡単にご説明しましょう。

ペンプロッター

ペンプロッターは、ペンを使って線を描写するプロッターです、

ラスタプロッター

ラスタプロッターは、数値データをドットのデータに変換するタイプのプロッターです。

カッティングプロッター

カッターを装着していて、印刷物に合わせた正確なカッティングができるプロッターで、紙だけで無くシールやフィルムなどもカットができるため、幅広い分野で利用されています。

カッティングプロッターは、大きく分けて以下の3通りがあります。

グリットローリングタイプ

用紙を広げる必要が無く、ローラーで用紙を動かして作業するコンパクトサイズです。

フラットタイプ

大きな用紙が設置出来る台が必要なため広いスペースが必要ですが、安定した作業が可能です。

小型タイプ

安価で小さな筐体になっていて、家庭での趣味やDIYなどでも利用が可能です。

大判プリンターの利用シーン

大判プリンターは一般的な家庭用やオフィス用のプリンターでは出力できない、大きなサイズの紙にプリントできるため、主に大判の用紙を利用するシーンで活躍します。

建築や設計などの現場

建築や設計などの現場では、設計データなどを大判の用紙にプリントして利用します。

例えばA3対応の家庭用プリンターで、複数の用紙をつぎはぎにして1枚にすることもありますが、大判プリンターではそのような手間をかけず、ずれなく一枚の紙にプリントできます。

学校や官公庁

学校や官公庁などの公共の場でも、大判の用紙への印刷が必要となる場合があります。

大勢の前で説明するための用紙や、掲示するための印刷物などを一枚でプリントするためには、大判プリンターが役立ちます。

商店や飲食店スーパーなど

商店や飲食店で店頭ディスプレイなどに印刷物を利用したい場合、大判プリンターでの印刷が適しています。

オリジナルのポスターやポップを、等身大のサイズでプリントすればインパクトのある宣伝効果が期待できます。

プロッターの利用シーン

では続いてプロッターがどのようなシーンで使われているかについて見ていきましょう。

プロッターはインクやトナーでカラー印刷するプリンターとは異なり、ペン先やカッターなどで描画やカットを行うため、一般的なプリンターとは違い、特種な作業が必要なシーンで利用されます。

図面などを描画する

ペンプロッターは主にパソコンで作成した製図のデータや、機械や建築設計の際に使うCADのデータを紙に印刷するために使われています。

図面などは線画を精密に印刷する必要があり、より精密でなめらかに印刷できるプロッターが使われています。

カッティングシートなどをカットする

店舗や看板に文字やイラストなどの切り文字でデコレーションする際に、カッティングシートが使われます。

このカッティングシートをデザイン通りのカタチで切り抜く際に、カッティングプロッターが使われます。

カッティングシートの他に一般の画用紙などもカットできますので、店内ポップなどのカットにも使われています。

大判プリンターの選び方

このように使い方によって、大判プリンターとプロッターは使い分けることになるのですが、近頃では大判プリンターの性能が向上し、さらにカラー印刷も可能です。

モノクロの線画にこだわるのであればプロッターの使い勝手も捨てがたいのですが、汎用的に使うのであれば大判プリンターがお勧めとなります。

ではこの大判プリンターを導入する際には、何に気をつければ良いのでしょうか。

最大用紙サイズ

まずは大判プリンターならではの、用紙サイズをチェックする必要があるでしょう。

大判プリンターはモデルによって対応している最大用紙サイズが異なる場合もありますので、まずどのサイズまで必要なのかをしっかり確認しておきましょう。

基本的には大きなモデルの方が高価になりますので、そこまで大きなサイズが必要ないのであれば、必要なサイズまで対応しているモデルを選んだ方が導入費用を節約できます。

画質はどのくらいのものが必要か

もし大判プリンターを広告宣伝のために導入するのであれば、画質のチェックが必須です。

プリンターの画質は「解像度」で表され、高画質と呼ばれる機種のスペックとしては「1,200〜2,400dpi」程度の解像度が目安となります。

ただし画質に関しては実際にプリントされたものを見た方が間違いありませんので、購入前にプリントサンプルをチェックすることをおすすめします。

置き場所も注意

大判プリンターは本体サイズがかなり大きくなりますので、設置場所が確保できるかどうかもしっかり確認しておきましょう。

専用台に乗せてスペースを取るモデルや、デスクの上にのせるモデルなど様々な種類がありますので、オフィスの空きスペースと相談して大きさをチェックしてみてください。

まとめ

大判プリンターとプロッターは共に大判の用紙に印刷するための器機ですが、基本構造が違い用途によって使い分けなければなりません。

モノクロの図面だけを印刷するならプロッターが役立ちますが、カラー印刷に関しては大判プリンターが必要となります。

それぞれ本体のコストも異なりますので、どんなものを印刷するのか、どの程度の印刷クオリティが必要なのか、置き場所はあるのかなどしっかり前提条件をチェックして、ベストマッチする機種を選ぶようにしましょう。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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