複合機のフィニッシャー機能とは?代表的な5大機能を紹介

主にオフィスで利用される大型複合機コピー機は、多くの場合リース契約で導入される、高額な事務機器です。
高額といっても、機種によって価格はピンキリで、数十万円の機種から数百万円になるタイプまで有ります。

自動車で同一車種でも価格差が有る場合は、低価格のタイプでは付いていない快適装備が、高額グレードには装着されているなどの差が有りますが、大型複合機コピー機では装備の差は、同一メーカーで比較しても殆ど有りません。

最も大きな差は、印刷速度の違いです。
印刷速度に応じて、全体の耐久性まで変わってくる為、単純に印刷スピードを求めるだけで無く、月の印刷枚数を考慮して、機種を選択する事が一般的です。

機種が決まったら、利用するユーザーのニーズに応じて、最適なオプションを選択して、リース総額が決定するという流れになっています。

このオプションの中で、最も高額になるのが「フィニッシャー機能」です。
業務に応じた適切なオプション選びは、費用が掛かってリース料が増額になっても、結果的に業務効率が大幅に向上して、費用対効果は抜群です。

フィニッシャーについて、どんな機能なのか?どんなことが出来るのか?業務の改善にどんな役に立つのか?ご紹介していきます。

目次

複合機のフィニッシャー機能とは?

複合機のフィニッシャー機能とは、印刷した用紙に後加工ができる機能のことです。具体的には、印刷後の用紙に自動でホチキス止めをしたり、パンチ穴を空けたりできます。機種によっては、他にもさまざまな後加工が可能です。

フィニッシャーには、大きく分けて2つのタイプがあります。
この2つは、出来る事や装着できる機器も異なります。

インナーフィニッシャー

大型複合機コピー機の内部、紙を排出する部分にオプション装着されるフィニッシャーが、インナーフィニッシャーです。
内部に収まるため、大型複合機コピー機が占有する面積も変わりません。

利用出来る機能としては、ステープル機能と呼ばれる、ホチキス留めに限定されますが、数枚綴りになっている資料に自動的にホチキスが打たれて、まとまった資料として出力される利便性は、業務効率を向上させます。

インナーフィニッシャーを装着するのは、1分間の印刷枚数が20枚から25枚程度の、比較的低速機に推奨されていて、これは印刷枚数が多い現場での使用は奨励していないという事です。
(印刷速度と印刷枚数については「プリンターの印刷速度は速い方が良いのか」)も併せてご覧下さい。

価格的にはメーカーによって異なりますが、概ね10万円前後に設定されています。
5年リース料率2%で考えれば、1ヵ月のリース料の増額は2,000円程度で、利用頻度がそれなりにある事業所では、とてもメリットが大きい設備投資になります。

サドルフィニッシャー

大型複合機コピー機に外付けで装着するオプションが、サドルフィニッシャーです。

サドルフィニッシャーを取り付ければ、元々占有していた大型複合機コピー機面積が1.5倍程度になってしまいますが、その分だけ機能は多彩です。

インナーフィニッシャーでは難しい、50枚綴じや100枚綴じなどの分厚い資料作成にも対応しています。
大量印刷する現場では、人力を大きく超えた機能が大活躍して、業務効率は飛躍的に向上します。

そのため、印刷速度で言えば1分間に30枚程度以上への機種が推奨されていて、印刷枚数として、月に3,000枚から5,000枚以上の事業所で主に利用されています。

メーカーや機能によっても価格は異なりますが、25万円から50万円程度のオプション価格になっています。

ステープル機能(ホチキス留め)以外の機能についても、見ていきましょう。

複合機のフィニッシャー機能5つ

複合機のフィニッシャー機能では、主に以下の5つの後加工ができます。機種によって搭載する機能が異なるので、必要な機能を有した複合機を選びましょう。

ステープル

ステープルとは、ホチキス止め機能のことです。複数ページを印刷した際、用紙の端をまとめてホチキス止めできます。

ステープル機能は便利ですが、物理的に大きな負担が有ることから、上手く留められない・ホチキスの針が詰まってしまうトラブルが、比較的多くあります。
そのため、保守契約が必須です。

留め方の選択肢はメーカーによっても異なりますが、左上・右上・上辺に水平で間隔を空けて2箇所・左辺のタテに同様に2箇所・右辺のタテに同様に2箇所など、資料に応じて使い分ける事が出来ます。

大人数に配る資料を作成する際、ホチキス止めの手間を減らせる点が魅力ですね。

パンチ

パンチとは、用紙に2つの穴を開ける機能のことです。主にバインダーに通す用の穴を開けます。

手動でパンチする手間を減らせるのに加え、用紙の中心からぴったり対象の位置に穴を開けられる点がメリットです。

機種によっては、4穴パンチも可能になっています。

折り畳み

折り畳みとは、印刷された用紙を折る機能のことです。2つ折り・3つ折り・Z折りなど、複数の折り方にも対応します。

封筒に入れる書類を印刷する際や、大きな用紙をバインダーやファイルに収納したい際に役立つ機能です。

企業から発送されてくる封筒内の書面は、綺麗な三つ折りになっているケースが多いですが、人力で三つ折りするよりも遙かに綺麗で、大量に送付が可能なのは、この折りたたみ機能が利用されています。

ソート

ソートとは、印刷された用紙が置かれる位置や向きをずらす機能のことです。大量印刷した際、部ごとに用紙を分けたいときに使います。

たとえば1部10ページの書類を5部印刷したとしましょう。通常の印刷後だと、手作業で10ページを数えながら5部に分ける手間があります。しかしソート機能を使い、10ページごとに位置や向きをずらして置くことで、手作業で書類を分ける手間がなくなります。

複数ページにわたる書類を大量印刷する際に活躍してくれる機能ですね。

中綴じ

中綴じとは、印刷された用紙を2つ折りにし、1枚ずつ重ねていく機能のことです。2つ折りの用紙が複数枚重なることで、製本された小冊子のように仕上がります。

見栄えが良くなるので、読みやすい書類を作りたいときに役立つ機能です。

大型複合機コピー機の行う作業として、用紙を折り曲げる作業と、ホチキスで留める2つの工程になるため、高額なオプションになります。

複合機のフィニッシャー機能は「作業効率向上」に役立つ

複合機のフィニッシャー機能を使うと、さまざまな作業を省略できます。

たとえばパンチ機能を使えば、自分の手で書類をホッチキス止めする必要はありません。ソート機能を使えば、大量印刷した際の仕分けもスムーズです。

利用している大型複合機コピー機に、後からフィニッシャーを追加する事は非常に難しく、仮に手配が出来たとしても、新たなパーツでのリースは基本的に出来ないため、高額な費用を現金で決済する必要が有ります。

リース導入時に利用方法をしっかり見極めて、必要なオプションを装着すれば、自由に選べる上にリース総額に加える事が出来ます。

この記事を書いた人

家電・電化製品を専門とするWebライター。前職は電機系メーカーにて設計職に従事。理系出身ならではの観点で、プリンター・複合機を解説します。

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