プリンターの寿命は「年数」だけでなく、「印刷頻度」も関係があります。
頻繁に印刷しているプリンターであっても数年以上問題なく使用できるものもあれば、何度も新しいものに買い替えている人もいるかもしれません。
プリンターの正しい扱い方を知ることで、今のプリンターの寿命をもっと伸ばして、長く使えるようになるかもしれませんよ。
プリンターの一般的な寿命は3~5年
プリンターの進化は進んでいて、以前よりも高性能なプリンターを低価格で購入できるようになりました。短い期間で新しい機種を購入する人もいれば、不具合が発生したときに買い替える人、修理してでも使い続ける人もいるので、買い替える時期については考え方によって違うかと思います。
メーカーによるプリンターの寿命は「3〜5年」と想定しているのが一般的で、製品サポートも5年程度で終了するので古い機種では有償修理も難しくなります。
機種ごとに寿命は異なる
この根拠になっているのは、法定耐用年数がプリンターについては5年になっている事があります。
プリンターは精密機械であり、印刷枚数が重なるほどに、消耗していく事は避けられません。
単純に消耗品として考えられている「トナー」や「インク」、ドラムだけでなく、ゴムパーツもローラーなどに多く使われていて、時間の経過と共に確実に劣化していきます。
プリンターメーカーは、法的な基準である5年から逆算し、耐久枚数を算定して使うパーツを機種ごとに設定していきます。
このグレード・速度の利用ユーザーは、概ねこれくらいの印刷枚数を年間に行うだろうという考え方をします。これが耐用枚数です。
高額な機種ほど印刷速度が速く、値の張るパーツを利用するため、耐用枚数は多くなります。
そのため、「耐久枚数」か「耐用年数」のどちらか早い到達点が、プリンターの寿命になります。
利用の仕方(印刷枚数)で寿命は異なる
○インクジェットプリンター
通常の家庭で利用されているインクジェットプリンターでは、「耐久枚数」が2万枚程度、「耐用年数」が5年で設定されています。
インクジェットプリンターでは、「印刷ヘッドの寿命」か「廃インクタンクの満量」が、多くの場合寿命とイコールになります。
毎月300枚程度を5年間の間で印刷すると、「耐久枚数」の2万枚に到達します。
各部パーツの劣化と合わせて、、「印刷ヘッドの寿命」か「廃インクタンクの満量」を迎えるか、何らかの不具合症状が発生するケースが多くなります。
○レーザープリンター
レーザー方式のプリンターは、インクジェットプリンターと比較して、「耐用枚数」は多いケースが殆どです。
こちらも機種によって大幅に「耐久枚数」か「耐用年数」は異なります。
どちらかに到達した時点で、寿命という考え方をメーカーではしています。
スモールオフィスや本格的な在宅ワークに利用される、レーザー中型複合機では、概ね10万ページから30万ページが「耐久枚数」になっています。
大型複合機コピー機では、さらに機種によって大きな差がつきます。
たとえば、大きなシェアを誇る富士フィルムの複合機は、機種ごとの耐久性(寿命)を一覧にして公開しています。
「耐用年数」は全ての機種で5年になっていますが、「耐用枚数」では5万ページから300万ページまで、大きな差が有ります。
「耐用枚数」の差は、印刷速度と本体価格に直結しています。
価格の安さで遅い機種を導入して、時間を気にせず大量印刷を継続して行った場合、5年持たずに寿命を迎えるケースが多くなります。
インクジェットプリンターを買い替える3つのタイミング
「インクの不具合」「用紙排出の不具合」「PC買い替え」の3つがプリンターを買い替えるタイミングです。
インクが出ない、印刷がかすんでいる
一般的に「印字不良」と呼ばれる不具合です。印刷のかすれ、横線が入る、色彩の異常などの印字不良は、プリンターのヘッド(インクの吹き出し口)が詰まっていることで起きます。一般的なプリンターの不良で、「ヘッドクリーニング」でほとんどの場合は解消します。
「ヘッドクリーニング」で解消しない場合は、ヘッドの摩耗が考えられるのでヘッドの交換かプリンターの買い替えをオススメします。メーカー保証の期間ならヘッドの交換は無料で行えますが、有償修理であればプリンターを買い替えた方が安くつくかと思います。
印刷用紙が送れない・異音がする
印刷ローラーゴムの経年劣化による不良が考えられます。メーカー保証の期間であれば修理に出した方がよいですが、有償修理になるのであれば新品に買い替えた方が安くつくかと思います。プロの修理屋であってもユニットごと交換するのが一般的であるため、印刷ローラーの不具合が起きた場合は買い替えのタイミングといえます。
PCを買い替えた時
プリンターにはドライバと呼ばれるPCとプリンターの間でやり取りをするプログラミングを内蔵しています。最新PCが発売される前に作られている古いプリンターでは、最新のPCに繋いでも「現在使用しているOSはサポートされていません。」とエラーメッセージを表示します。メーカーのwebページから対応OSのドライバをインストールすることで使えるようになるのですが、製品サポートの終了した古すぎる機種では対応していない場合があります。
製品サポートが終了しているとプリンターの状態がよくても使えなくなることはあるので、PC買い替えのタイミングで新しいプリンターに買い替えるのが一般的です。
レーザープリンター・コピー機を買い替える3つのタイミング
購入しているレーザープリンターや複合機では、インクジェットプリンターと同様に、印刷内容に頻繁に異常が出たり、異音が発生したりする場合は、「耐久枚数」か「耐用年数」に到達しているケースが多く、買い換えのタイミングです。
リース導入している大型複合機コピー機の場合は、カウンター料金保守サービス契約を締結しているケースが多く、普段からメンテナンスを受けられ、故障やトラブル時にも対応が受けられて、必要な交換部品も交換してもらえます。
リース期間満了
リース期間を終了しても、再契約が可能です。
殆ど問題が発生していない場合は、概ね1ヵ月分程度のリース料で1年間延長することが出来ます。
さらに1年経過しても問題が無いようなら、再度や再々リースも可能です。
同じようにカウンター料金保守サービス契約を結ぶ事も可能で、保守全般を任せる事が出来ます。
しかし、トラブルの頻度が多くなってくれば、業務効率に支障が出ます。
また、年数経過で部品供給が受けられなくなれば、修理することは不可能になります。
管理されている大型複合機コピー機は、印刷枚数を含めて把握されているため、どちらのケースでも、リース期間満了に合わせて、営業マンから買い換えの新機種のアプローチが入るはずです。
欲しい性能に足らないと感じた
リース導入している大型複合機コピー機では、リース満了のタイミングになりますが、基本的な印刷の速さなどに力不足を感じていたり、セキュリティや省エネ性能などに新しい機能が必要と感じたりした場合、新機種導入のタイミングです。
オーバークオリティを感じる
逆にオーバースペックだと感じている場合も、リース満了のタイミングで変更するべきです。
たとえば、A3での出力が殆ど無いのに、高額なリース料を支払い続けるのは、経費の無駄遣いです。
A4の中型複合機でも問題が無いなら、リース契約よりも大幅に安くなる「プリント革命」のレンタルプリンターサービスも、検討の余地が充分あります。
プリンターの寿命を延ばす方法
「ヘッドクリーニング」「純正インクの使用」「環境を整える」の3つでプリンターを長く使えるようになります。
定期的にヘッドクリーニングをする
インクをスプレーするヘッド部分は最も負担が大きい部分で、インク詰まりのトラブルが起きやすくなります。
定期的にプリンターのヘッド部分を掃除することで、不具合が起きにくくなります。
ヘッドクリーニングは、古いインクと新しいインクを溶かし、圧力をかけてインクを排出する工程ですので、4回以上行うと故障の原因になります。
また、使用頻度が低い場合は、定期的にプリンターの電源を入れて内部メンテナンスを自動化することで、インクの目詰まりを防ぐことができます。
純正のインクを使用する
インクの主成分は水と染料、顔料ですが、安いインクは添加剤に不純物が入っていることがおおく、使用することでプリンタヘッドが摩耗しやすく根詰まりを起こしやすくなります。安いインクを使うと根詰まりを解消するヘッドクリーニングが頻繁になり、廃インクパッドの寿命も短くなります。ほとんどの場合で、廃インクパッドは交換できないため純正品での使用がプリンターの寿命を伸ばします。
使用する環境を整える
精密機械であるプリンターは使用環境を整えることで長く使えるようになります。直射日光やエアコンの風が当たらない場所にプリンターを置き、使用しないときは布やシート被せてほこりから保護することで経年劣化を抑えることができます。