使わなくなったり、買い替えで必要がなくなったりしたプリンターの処分には、いくつかの方法が考えられます。適切な手放し方を知り、上手な交換を進めていきましょう。
プリンターの売却方法
まだ動くものの、最新のプリンターへの買い替えや、レンタルプリンターサービスを利用し始めたなどで、自前のプリンターが必要なくなった場合、売却がおすすめです。
リサイクルショップや買取サービスを利用する
ポピュラーな方法は、近所のリサイクルショップへプリンターを持って行ったり、出張買取のサービスを使ったりする方法です。
リサイクルショップへ持っていくのが大変という場合には、出張サービスを利用し、見積もりと売却を同時に行うと良いでしょう。
「まだ動くから」というだけで、必ずしも買い取ってくれるとは限りません。
リサイクルショップは買い取った商品に利潤を乗せて販売するので、売り物にならないと判断した商品の買い取りはしません。
インクやトナーなどの消耗品が既に販売終了になっている商品では、買い手は付きません。
大型複合機コピー機は、引き取ってくれる場合もありますが、家庭用のインクジェットプリンターは、目安として概ね購入後2年から3年程度以内の商品が、買い取り対象です。
正常に稼働しないプリンターは、比較的新しい商品でも買い取り対象にはなりません。
極めて希ですが、専門買い取り業者の中には、壊れたプリンターを自社で修理するノウハウと部門を持つところがあり、買い取ってもらえるケースもあります。
また、スマートフォンやゲーム機などとは異なり、プリンターはレアメタルの含有量も少ないため、そのジャンルに特化した買い取り専門店でも難しいですが、機種によっては対応している場合もあります。
フリマアプリを利用する
買取サービスは換金率が気になる、という場合にはフリマアプリの利用がおすすめです。すぐに買い手が見つかるとは限りませんが、自分の言い値で販売することができるので、満足のいく売却を実現しやすいのが特徴です。
出品や梱包作業、手数料が発生しますが、その分高値で売りやすい方法です。
こちらも正常に稼働する事が前提で、2年から3年程度の商品なら、リサイクルショップよりも高い価格で売却出来る可能性がありますが、古いプリンターを売る事は多くの困難が伴います。
共通しているのは、プリンターはIT機器の中でも、消耗品という側面が強い事にあります。
NGO団体に寄付
売却では無く、寄付という方法があります。
全国の非営利団体が、国内外の福祉団体や個人等を支援する活動を行っています。
プリンターが寄付対象になっているケースも多いですが、概ね対象は3年から4年以内に設定されていて、それより古いモデルは概ね対象外です。
プリンターを捨てる
もう動かないプリンターを手放す場合は、廃棄の手続きをとる必要があります。
家電量販店での有料引取(あるいは新品購入と交換)
一般的なのは、家電量販店でプリンターを引き取ってもらう方法です。大手家電量販店では有償ではあるものの、動かなくなったプリンターの引き取りサービスを展開しています。
申込手続きはネットで行えるだけでなく、店頭・自宅の両方で行えるので、気軽に利用しやすいサービスです。
また、新しく家電量販店でのプリンター購入を考えている場合には、下取りという形で古くなったプリンターを回収してもらうことも可能です。
量販店によって下取りの条件は異なりますが、最新のプリンターを購入すれば大抵の場合は古いモデルを引き取ってもらうことができます。近くの店舗に問い合わせてみるのも良いでしょう。
具体的な店舗による処分
店舗によって対応は異なりますが、基本になっているのは平成25年4月1日から施行されている「小型家電リサイクル法」です。
一足早く浸透した、パソコンリサイクル法(改正資源有効活用促進法)は、パソコンやモニターが対象で、プリンターは対象になっていません。
プリンターは小型家電リサイクル法の対象商品です。
小型家電リサイクル法は、国の認定を受けた業者(認定事業者)等が使用済小型家電を広域的に回収・処理する事で、小型家電の再資源化を促進する制度です。
国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)が広がる中で、目標12「つくる責任 つかう責任」が、企業イメージに大きく影響する時代の空気感があります。
主な家電量販店で、プリンター引き取りを見てみましょう。
小型プリンターは店舗持ち込みで、リサイクル回収料金は1,100円です。
縦+横+高さの合計が120cm以下で重さが10kg以下のプリンターの店舗持ち込みで、リサイクル回収料金は550円です。
小型プリンターは店舗持ち込みで、リサイクル回収料金は1,100円です。
型プリンターは店舗持ち込みで、リサイクル回収料金は1,100円です。
ここまで紹介した他社は、商品ごとにリサイクル回収料金を設定していますが、ビックカメラでは、既定のサイズ(梱包状態で3辺160cm・30キロ以内)1箱で、1,958円という価格が設定されています。
テレビやエアコンは対象商品に当然入っていませんが、パソコンとモニターは対象です。それ以外も、携帯電話・ビデオ・オーディオ・キッチン家電・生活家電など400品目以上が対象で、箱に入れば何点入れても同一料金です。
ゴミとして処分
もう一つの方法がゴミとして適切な手順で処分する方法です。家庭用プリンターであれば複雑な手続きは必要なく、その他のゴミや家電などと同じように処分することができます。
詳しくは後述しますが、適切な処分方法は自治体によって異なるので、事前にお住まいの地域におけるプリンターの扱いについて、調べておきましょう。
プリンターを廃棄する際の注意点
プリンターを廃棄する際は、通常の燃えるゴミや粗大ゴミとは違い、いくつかの注意点をあらかじめ知っておく必要があります。
自治体によって廃棄方法が異なる
まず、プリンターの廃棄方法は地域によって微妙に異なります。一般的には粗大ゴミとして適切な処分が求められますが、地域によっては不燃ゴミとして処分することもできるため、余計な出費を抑えることができます。
また、プリンターのサイズによって捨て方も異なるので、サイズ計測は廃棄前に終わらせておくのがベターです。
一例として、自治体の処分方法を見てみましょう。
不燃ゴミは基本的に無料(法人や事業者はこの限りではありません)で、粗大ゴミは有料です。
大きさがおおむね30cm立方体以上のものは粗大ごみ、それ以下のものは不燃ごみ
一番長い辺が50cm以上の場合は「粗大ごみ」、50cm未満の場合は「燃やすごみ」
最大の辺または径が30センチメートルを超えるものは粗大ゴミ
30cm角を超えるプリンターは粗大ゴミ、30cm角以下のものは不燃ゴミ
インクカートリッジはリサイクルへ
プリンターを廃棄する際、一緒に処分することになるのがインクカートリッジです。インクカートリッジはそのまま捨てても違法性はありませんが、近年はきちんとリサイクルを行うことが求められています。
プリンター本体ほど持ち運びが大変なものではないので、余裕があればカメラショップや家電量販店に設置されているリサイクルボックスへ持っていくのが良いでしょう。
業務用プリンターは産業廃棄物
上記はいずれも家庭用プリンターの手放し方になりますが、業務用プリンターを処分する際には別の手続きが必要です。
業務用プリンターは基本的に産業廃棄物という扱いになるので、粗大ゴミと一緒にするのではなく、専門の産業廃棄物回収業者に依頼する必要があります。
お近くの産廃業者を調べ、引き取ってもらうよう申し込みを行いましょう。
リース物件に関しては、所有権がリース会社にあるため、自社で処分する事は出来ません。リース契約の終了時に、引き取りをお願いして下さい。
おわりに
プリンターは大型製品であるだけに、処分方法に困ってしまいやすいものです。適切な処分のやり方を学び、快適に最新のプリンターを使える環境を構築していきましょう。