稲盛和夫紙が率いる京セラは、今は有数の大企業ですが、創業以来のベンチャー気質があります。
複合機のベースになっているのは、かつての業界の雄「三田工業」であり、京セラとしてはコピー機複合機の業界に参入したのは後発の2000年頃です。
京セラの大型複合機コピー機が、既存のトップグループに割り込んで、自社シェアを拡大する戦略の中心は、その販売価格と保守価格です。
単に安いだけで無く、京セラらしい無駄を省いたコストパフォーマンスの高い機種をリリースするだけでなく、リース契約では大半の保守契約形態である「カウンター料金」の安さも大きな武器になっています。その両輪はマーケット攻略に遺憾なく発揮され、ここ数年で販売数・シェアが大きく伸びています。
京セラの大型複合機コピー機をリースする時に契約する、カウンター料金について考証します。
カウンター料金とは
大型複合機コピー機は、複雑な構造とデリケートなバランスで成り立つ精密機械です。
それでいて常に電源が入っている状態の上に、毎日不特定の人間が様々な使い方をします。
長期に渡って使っていく中でのトラブルは、どうしても避けることは出来ません。
トラブル時にリース契約した顧客に大きな負担が発生しない手段として、保守契約を結びます。保守契約は色々な形態(キットトナー保守・スポット保守など)がありますが、圧倒的に多くの契約者が選択するのが「カウンター料金」契約です。
月々支払う機械代金のリース料とは別に、印刷する都度の単価を設定します。
一例として、カラー20円/1枚・モノクロ2円/1枚に設定されたカウンター料金の場合、モノクロを500枚/月・カラーを200枚/月にプリントアウトすれば
(モノクロ500枚×2円=1,000円)+(カラー200枚×20円=4,000円)=5,000円のカウンター料金として請求されます。
カウンター料金を支払う事で、消耗品のトナーを含め修理代等を全てに新たな費用が発生しなくなります。トラブル発生時には素人の手には負えない為、プロが出張しますが出張費も高額になる部品代も全て込みの保守契約が基本です。
1枚も印刷しない月が仮にあっても、最低基本月額料金が定められているので、カウンター料金が無料になる月はありません。
カウンター料金は、契約によって異なります。
1枚あたりの単価だけでなく、月額最低料金も契約により異なります。
契約を結んだカウンター料金は、リース期間中の変更は原則出来ません。
京セラのカウンター料金の相場
カウンター料金は、単価がモノクロで数円・カラーでも数十円くらいで本体価格に比べると目立ちません。販売代理店から見れば、契約時に気付かれにくいカウンター料金で収益を上げる事(相場よりも高額)が、経営戦略上重要な課題になってきます。
メーカーとの取り決めで、基本的なラインが決められている中において、代理店が自分の収益を、様々な要因を加味した上でコントロールしているということです。
カウンター料金が決まる背景としては、掛かるコストが当然反映されます。
印刷枚数がコンスタントに見込める顧客なら、単価を安くしてもペイ出来ますが、あまり数量を印刷しない顧客には、ある程度の単価設定や最低基本月額料金を設定しなくては採算が合いません。
サービス拠点からアクセスする距離もサービスマンを派遣するコストに直結するので、僻地や離島は、派遣費用が嵩むため高額になる傾向があります。
カウンター料金は様々な要因によって決まるので、個々の契約内容金額には差があり、その一切は公表されていません。
一般的なカウンター料金の最新相場は、プリント枚数が1,000枚以上/月でサービス拠点から1時間以内に自動車で行ける前提で、おおよそモノクロで1~2円/1枚・カラーで10~20円/1枚程度になっています。販売競争が過熱して、以前より安くなっています。
京セラのカウンター料金は、同業他社と比較して最も安いと言われています。
同じ条件(プリント枚数が1,000枚以上/月でサービス拠点から1時間以内)でモノクロ1円・カラー10円程度が相場になっています。
同じ程度の金額を他社で出すためには、印刷枚数がより多く必要など、条件が大きく変わります。グループ会社の契約や、複数台一括納品等の条件が無く、単独契約で印刷枚数が1,000枚/月を切っても、京セラは同程度のカウンター料金契約事案が出ています。
京セラ複合機のカウンター料金に関する情報
月の印刷枚数がもっと多く、比較的都市部に設置場所がある場合は、モノクロで1円を切る・カラーで10円を切る価格も珍しくありません。これはカウンター料金の価格破壊と言えます。
名古屋市内中心部にある筆者の知人の会社では、モノクロ0.7円・カラー7円で契約していました。印刷枚数は1,000枚/月程度です。
京セラは、カウンター料金の安さが一つの大きな武器にしているため、単独で交渉しても力強い価格提示をしてきます。
しかし、敢えて他社も検討している事を伝えた上で、他社から出ている具体的な金額を匂わせてください。相手もプロなので適当にでっち上げた話は足下を見られますので、実際に見積もりを入手してください。入手先としては、比較的安価なカウンター料金提案のあるシャープ・東芝などが最適で、富士ゼロックスは強気の価格が出て材料にならないため避けてください。
カウンター料金は、リース契約中の5年程度は料金が変更されません。
一手間掛けることで、大きな経費削減が期待出来ます。