パソコンやスマホとプリンターを繋ぐ方法は色々ありますが、大きく分ければ無線と有線の二種類となります。
無線というのは主にWi-Fiを使ってケーブルを繋ぐ方法で、有線というのはUSBやLANケーブルでデバイスとプリンターを接続する方法です。
インターネットの普及によって、企業やオフィスだけでなく、一般の家庭内にもネットワークが形成されることが普通の事になり、それに伴ってプリンターを利用する接続方法も、複数の端末から使う事を前提として、最適に利用出来る接続方法へと変化をしています。
全てのプリンターが全ての接続方法に対して、必ずしも対応しているわけでは無く、USBケーブルの接続のみで対応しているプリンターも、まだまだ現役で多数存在していますし、ネットワークへの対応も機種によって異なり、対応している場合でも有線のみの場合と、Wi-Fi接続によって無線で対応している機種があります。
端末とプリンターの接続は様々ありますが、有線接続と無線接続を同時に利用出来るのか?片方だけの接続しか駄目なのか?解説していきます。
プリンターの有線接続とは
プリンターの接続方法の中で、ケーブルを使った有線接続するには、まず一つ目がパソコンやスマホに、いろいろな周辺機器を接続するための「USB」を使う方法。
もう一つがインターネットなどに接続するためのLANケーブルでネットワークに接続する方法となります。
ほとんどのプリンターで採用されているのがUSBによる接続方式です。
しかし最近ではスマホでプリンターを使いたいというニーズや、複数のパソコンや端末機器からも、1台のプリンターに接続したいニーズが増えてきているため、Wi-Fiで接続できたり、LANケーブルで接続が出来たりするプリンターも増えてきています。
どのような条件でUSBとネットワークを選択するのか
パソコンが一台、プリンターが一台という環境であれば、USBを使って接続するのが一番シンプルです。
USB接続プリンターの共有
USB接続でパソコンと接続しているプリンターを、ネットワーク上の他のプリンターから印刷する方法として、プリンターを共有する方法があります。
ネットワークといっても、特別難しい事では有りません。
インターネットの接続にONUへパソコンを直接繋ぐのでは無く、Wi-Fiルーターを介して接続する事が一般的で、その場合は有線や無線を問わずに、複数の端末からインターネットに接続する事が可能になりますよね。
この状態であれば、既にネットワークが存在しているという事です。
特定のパソコンにUSB接続されているプリンターでも、プロパティで共有設定を行う事で、ネットワーク上の他のパソコンからも、ドライバを都度インストールしてやることで、他のパソコンからも簡単に印刷が可能でした。
現在USB接続プリンターの共有は難しくなっている
全てのプリンターで確認は出来ていませんが、多くのプリンターでは、USB接続でパソコンと繋いであるプリンターの、ネットワーク上にある他のパソコンからの印刷は、出来なくなっています。
2021年に配信されたWindows10(バージョン2004,20H2,21H1)用の、累積更新プログラムKB5005565が自動インストールされた後では、セキュリティ面の安全性での安全性担保のために、パソコンにUSB接続をしたプリンターを、ネットワーク上でプリンターサーバとして利用して、他のパソコンから印刷する事が出来なくなっています。
この更新をしなければ共有プリンターとして利用する事が可能ですが、累計更新プログラムはOSのトータルセキュリティに関わるので、更新は行う方が賢明です。
そのため、これ以降のwindows環境下でのネットワークのプリンター共有は、LANでの共有が基本です。
LANでのプリンター共有はUSB接続ではなく、有線LANポートが搭載されているプリンターか、無線LAN機能が搭載されているプリンターを利用する必要が有ります。
プリンターの無線接続とは
プリンターを無線で接続する方法としては、Wi-Fi接続とブルートゥース接続があります。
これらの詳細については、「プリンターの無線の接続方法はWi-Fiダイレクト?アクセスポイント?」もご覧下さい。
Wi-Fi接続とは?
Wi-Fiと聞くと、インターネット接続を連想する方が多いと思いますが、考え方としては間違っていません。
Wi-Fiルーターが構築しているネットワークが、インターネットと接続されている事で、ルーターに接続されている端末機器が、ルーターの外側にあるWANに接続出来るためです。
Wi-Fiで無線接続を、Wi-Fiルーターにしている端末は、LANケーブルを使って有線接続している状況と同じになります。
元々、LAN接続においてWi-Fiは台数分だけ必要だった、LANケーブルの煩雑さを解消するために生み出されてもので、その規格が各社バラバラでは普及に問題があるため、IEEE(アイ・トリプル・イー、Institute of Electrical and Electronics Engineers)という世界共通の規格が、Wi-Fiです。
プリンターとの直接無線接続
ネットワーク環境が無い場合でも、プリンターにダイレクト接続と呼ばれる、Wi-Fi基地局としての機能や、ブルートゥース接続の機能を持つ機種では、対応しているパソコンやスマートフォンで、プリンターと直接接続する事が出来ます。
ネットワーク接続でプリンターを使う環境とは
ダイレクト接続が出来るプリンターは、対応している個々の端末から印刷する事が出来ます。
この時の無線は距離が限られているため、プリンターの近くで印刷指示を行う必要が有ります。
これに対して無線有線を問わず、ネットワークLANに接続されているプリンターは、同じネットワーク内にある端末から、自由に印刷をする事が出来ます。
ネットワークへの接続を許可された端末からは、テレワークをする自宅や外出先からも、プリンターに接続して外部から印刷をする事が出来ます。
セキュリティを考慮すれば、外部からの接続はVPN接続がオススメです。
セキュリティついては、「VPN接続をしてプリンターのセキュリティを上げよう」も併せてご覧下さい。
複数のパソコンを同時に接続するならLAN接続
一般的にネットワーク接続をする場合は、複数のデバイスを使うことが前提となっています。
もちろん最近ではスマホをWi-Fiでプリンターに繋ぐのが一般的になっていますので、場合によってはスマホ専用のプリンターとして使うのなら一台だけを繋ぐ場合もあるでしょう。
インターネット接続をしているルーターと接続するのがLAN接続
しかし、インターネット接続をするモデムに接続したルーターとプリンターを繋げば、そのルーターに接続している複数のパソコンやスマホで、プリンターが共有できるようになります。
そのため、インターネット接続しているパソコンやスマホの全てでプリンターを使いたい時はネットワーク接続がおすすめです。
そうではなく、1台だけパソコンをプリンターにつなぐのならUSBで十分ともいえます。
プリンターはどのメーカーも有線と無線を同時には接続できない!
ここで気をつけたいのが、有線と無線を状況に応じて切り替えて使いたいという方です。
もちろん、ほとんどの場合は一度接続方法を決めたらその後変更するケースは少ないとは思いますが、場合によっては一度有線で設定したけれど無線で使いたいという状況もあるかもしれません。
一度にプリントするのは基本的には一つのデータ
LANを使ってプリンターに接続している時、一度に二つの接続方式で同時にプリントするという状況はほとんどないはずです。
なぜなら一台のパソコンから一度に処理したいプリントは、一つのはずです。もし同時に使えないとなると接続方法を変更するなどの手間が面倒と感じる場合もあるでしょう。
プリンター側で使用する有線無線の設定がある
さらに、ネットワーク接続という同じ方法を使って接続するのであれば、無線だろうと有線だろうと同じように使えるはずだと考えるかもしれません。
実際のところ、LANケーブルによる接続とWi-Fiによる接続を同時にはできません。
これは、ネットワークの仕様などの問題ではなく、先ほど説明した通り、単純にプリンターのネットワーク接続方法が、有線と無線の切り替え設定があり、同時に接続したり切り替えできる設定がないからです。
USBとWi-Fiならほとんどの場合同時に利用可能
単純に有線と無線を混合して接続したいというのなら、USBの優先接続とWi-Fiの無線接続であれば同時に接続可能です。
USBはプリンターとパソコンを接続する基本的な方法となりますし、Wi-Fi接続の設定をする際にも利用するのがこのUSB接続です。
そのため、この基本的なUSB接続という方法と、ネットワーク接続であるWi-Fiであれば同時に利用可能となります。
原則的にLAN接続の有線と無線は同時に使えない
しかしネットワーク接続の二つの方法である、LANケーブルによる有線と、Wi-Fiによる無線を同時に利用することはできません。
ただし、機種によってはプリンターを簡易的なルーター機能を持つアクセスポイントとして機能させ、プリンターと直接Wi-Fiを使って接続するモードがある機種もあり、この場合は該当するモードと無線のWi-Fiを同時に接続することも可能な場合もあります。
なぜプリンターは有線と無線を同時に接続できないのか
ではなぜ有線と無線を同時に使うことができないのでしょうか。
それは、プリンター側のネットワーク接続の際の設定が理由となります。プリンターのほとんどはネットワーク接続を有線のLANケーブルでつなぐのか、無線のWi-Fiでつなぐのかを本体側で設定しなければなりません。
そうなると、設定している方式でしかプリンターを使うことができず、もし変更したいとなるとプリンター側でその設定を変更しなければなりません。そのため、設定の変更なしで同時に有線と無線を自動的に切り替えて使うことはできないのです。
最近のプリンターで、パソコンに接続するためドライバをインストールする作業をした方なら、ドライバ導入時に接続方法の選択が有りましたよね?
インストール前に「この接続でドライバのインストールを進めて良いか?」と問われるのは、そのためです。
ルーター機能内蔵のプリンターなら同時接続が可能
ただし先ほど説明した通り、プリンター自身がルーター機能を持つ機種の場合は、Wi-Fiと有線接続と同時にこの機能を使って接続が可能となります。これは、インターネット接続するためのモデムに接続されたルーターにではなく、プリンター内蔵のルーターに接続するため、異なる方式での同時接続が可能となるからです。
もしLANケーブルを使って有線接続をしながら、Wi-Fiを使って他の機器を接続したい場合はこのような簡易的なルーター機能を持ったプリンターを使用すれば良いでしょう。
まとめ
LAN接続で有線と無線を同時に接続したいという状況は比較的レアなシチュエーションともいえますが、基本的にWi-Fiでしか接続できないスマートフォンとLANケーブルでしか接続できないパソコンを混在させている時には、このような接続の仕方が求められるかもしれません。
一般的なプリンターではこのような接続方法は不可能ですが、プリンターにルーター機能があり、Wi-Fi接続ができる機種であれば同時接続も可能となります。