大量印刷しながら印刷効率を重視したい人向けのプリンターの選び方

業種や仕事内容によって月間の印刷枚数は変わってきますが、オフィスの多くでの月間印刷枚数は3,000枚までが大半です。
A4サイズの封がしてある用紙の束は、1冊あたり500枚が入っています。
月に消費する束が6つまでで、収まるという事ですね。

一般的な数量3,000枚を超える事がコンスタントにあるなら、プリンターの速度が速い機種の導入は検討に値します。

大量印刷が日常になっている現場で印刷効率を上げれば、業務効率を大きく改善出来ます。
空いた時間に別の仕事が可能になり、生産性が向上するだけでなく、待ち時間のストレスも解消します。

日常的に大量印刷をしながら、印刷効率を重視したい人向けのプリンター選びを解説します。

目次

大量印刷に向いている印刷方式は?

モノクロだけの同じ原稿を大量印刷するニーズには、デジタル印刷機という手段もあります。
通常のプリンターとは使い勝手が大きく異なり、印刷前に原盤を作成するタイプです。

この原盤作成の時間が掛かるため、最初の1枚を出力するまでには時間が掛かりますが、印刷が始まれば1分間に200枚程度を出力する事が可能で、他の印刷方式と比較すれば群を抜く速さがあります。

しかし、利用用途が大幅に限定されるため、万人向きの印刷方式とは言えません。
多くの用途に対応出来るプリンターの印刷方式には、大まかに分けて「インクジェット方式」と「レーザー方式」の2種類があります。

この2つに絞って考えてみましょう。

インクジェット方式のプリンターで大量印刷は?

インクジェット方式のプリンターには、写真印刷するのに適した主に家庭用として利用される「インクジェットプリンター」と、オフィスで利用するのに最適な「ビジネスインクジェットプリンター」があります。

大量印刷のインクジェットプリンターは?

写真を大量印刷する現場でも、家庭用のインクジェットプリンターはオススメしませんし、大量印刷する前提なら「ビジネスインクジェットプリンター」一択です。

ビジネスインクジェットプリンターは、顔料インクというインクを利用している事で、読みやすいビジネス文書が印刷出来る事に加えて、インクジェット方式の弱点である乾燥させる時間が殆ど必要無く、長期保存にも耐えるメリットがあります。

その中でも大量印刷に必要な要件を見ていきましょう。

大量印刷に必要なインクジェットプリンターの要件は?

印刷経費のコスパを考えれば、インクカラーごとに独立した構造であり、大容量のインクカートリッジやインクタンクを備えている方が良く、インクの補充や交換するタイミングが短くならないため、効率面でも最適です。

インクジェットプリンターはインクコストが高くなるため、大量印刷するなら、互換インクなどの安価な交換インクが利用出来る機種を選ぶのも大切です。

業務効率を考えれば、両面印刷機能があるプリンターの方が良いです。

大量印刷にはインクジェットプリンターは向かない

インクジェットプリンターはコンパクトな筐体で、大きな電力を必要としないメリットもあります。
しかし、オフィスのスペースや電源背景に不安がある場合を除き、基本的に大量印刷する事業所の用途として、インクジェットプリンターは向いていません。

大量印刷する用途には、業務効率を考えれば印刷速度は大切ですし、耐久性もレーザー方式のプリンターの方が上です。

具体的に1分間に印刷出来る枚数を比較すれば、レーザー方式の場合では20枚から45枚程度が印刷出来て、コストを顧みなければ60枚程度の印刷も可能になっているのに対して、インクジェット方式では10枚から25枚程度であり大まかに半分程度になります。

耐用枚数から考えれば、インクジェットプリンターでは2万枚程度に設定されている事が多く、耐用年数は5年で設定されている事から逆算すれば、月に印刷するのは300枚強でしかなく、大量印刷には向いていません。

レーザー方式のプリンターの耐用枚数は、中型複合機でも10万枚から30万枚程度があり、大型複合機では300万枚に設定されている機種も存在しています。

大量印刷にはレーザー方式のプリンターが最適で、以下はその選び方を考えていきます。

月間印刷枚数が3000枚を超える場合は35枚機以上がおススメ

プリンターは、一見すると外見は大して変わらないのに、中身の性能が大きく違う事があります。
その選び方の目安になるのは、1ヵ月にどれだけ印刷するか?が。最も重要なポイントです。

大量印刷する場合は印刷速度も重要な理由

プリンターを製造しているメーカーは、機種の能力に合わせてパーツの耐久性を変えるので、実際の使い方(印刷枚数が多い場合)によっては、耐用年数の5年を待たずして寿命を迎える可能性が高くなります。

大量印刷するニーズに応えるプリンターは、業務効率から見た観点だけでなく耐久性の意味でも、連続印刷速度が速い機種を選択した方がベターです。

プリンターの耐久性には、耐用年数と耐用枚数がありますが、設定された指数に対してどちらか早く到達した時点で、メーカーサイドからすれば寿命であり、必然的に不具合が発生してくるリスクが高くなります。

大型複合機コピー機をリース契約して、カウンター料金保守サービス契約でメンテナンスが頼める状態でも、少なくとも数時間から場合によっては数日のサービスマンが来る時間が掛かり、プリンターに不具合が発生する事で仕事が進まない事態が起こる事が避けられません。

不具合の頻度が頻発すれば、業務効率が大きく下がる事になり、修理不能になれば新しいプリンターを導入する必要にも迫られます。

印刷枚数と印刷速度の目安

大量印刷する現場で、印刷枚数と印刷速度の大まかな目安としては次の通りです。

・3,000枚まで 20枚/1分間~25枚/1分間 程度

・5,000枚まで 25枚/1分間~35枚/1分間 程度

・10,000枚まで 35枚/1分間~45枚/1分間 程度

・1万枚以上 45枚/1分間~60枚/1分間 程度

1分間に20枚を印刷出来るスペックが、導入しやすい価格になる大型複合機コピー機ですが、メーカーが力を入れている主力商品は、25枚/1分間~35枚/1分間機です。

月間印刷枚数が3,000枚を超えるレベルなら、25枚/1分間でも対応は可能ですが、3,000枚少々の枚数でも35枚/1分間のスペック機を選択する事で、大きな余裕が生まれます。
4,000枚から5,000枚レベルなら、40枚/1分間の程度のスペックがあると仕事が楽になります。

より詳細については、「プリンターの耐久枚数と月間印刷枚数からみるプリンターの寿命」も、併せてご覧下さい。

印刷枚数が多く、印刷効率を上げたい場合は連続複写速度の項目をチェック

大型複合機コピー機の性能の指標になるのが、連続複写速度です。
連続複写速度とは、通常の使用状態(A4サイズ等倍コピー時)で1分間に連続して複写できる枚数のことです。

計算式としては

60÷(1枚目の排紙完了から11枚目が排紙完了するまでの秒数/10)=1分間の複写枚数

になります。

モノクロ印刷とカラー印刷では、異なる事も同じ事もありますが、同じでも多くは別表記になっています。
用紙サイズでも連続複写速度は変わってきます。通常の速度基準はA4サイズです。

そのため通常のスペック表記としては、A3(タテ)・B4(タテ)・A4(ヨコ)・B5(ヨコ)の用紙サイズにモノクロとカラーが別にあり、合計8通りの表示が1機種にあります。

一例として、以下の様になります。

A3(タテ) モノクロ:19枚
フルカラー:19枚
B4(タテ) モノクロ:22枚
フルカラー:22枚
A4(ヨコ) モノクロ:35枚
フルカラー:35枚
B5(ヨコ) モノクロ:40枚
フルカラー:40枚

連続印刷速度は、多くの機種で連続複写速度と同速になっています。

1分間に20枚の出力が出来るプリンターでは、1,000枚を出力するのに50分を要しますが、1分間に50枚の出力が出来るプリンターでは、20分で作業が完了します。

連続複写速度が上がると値段も上がる点は注意

だったら、「早い方が何事も良いのでは?」と思いますが、現実的には機種の価格という問題が出てきます。
連続複写速度は、プリンターの価格に直結します。

たとえば、RICOH(リコー)のデジタルフルカラー複合機の、連続複写速度と価格の関係を見てみましょう。

・RICOH IM C6000          2,440,000円~    カラー60枚/分 モノクロ60枚/分

・RICOH IM C5500          1,960,000円~    カラー55枚/分 モノクロ55枚/分

・RICOH IM C4500          1,710,000円~    カラー45枚/分 モノクロ45枚/分

・RICOH IM C3500          1,490,000円~    カラー35枚/分 モノクロ35枚/分

・RICOH IM C3000          1,270,000円~    カラー30枚/分 モノクロ30枚/分

・RICOH IM C2500          1,070,000円~    カラー25枚/分 モノクロ25枚/分

毎分60枚のRICOH IM C6000と、毎分25枚のRICOH IM C2500では、価格差が150万円以上有りますが、連続複写速度以外には、出来る事のスペックに殆ど差は有りません。

予算と印刷枚数に合わせて、連続複写速度が速い機種を選ぶ事が大切です。

大量印刷には「プリント革命」のレンタルプリンターサービスが最適

何人かで1台の大型複合機コピー機を扱うと、印刷頻度が増えれば作業のタイミングが重なる事も増えます。

その場合は中型複合機を2台入れる事も合理的です。2台導入しても、大型複合機コピー機1台分のスペースに設置可能です。

毎分20枚の中型複合機が二台あれば、効率は毎分40枚の効率に匹敵し、別々の作業をこなすことも可能になります。

プリント革命の中型複合機をレンタルすれば、リース同様に初期費用は掛からずに、月額レンタル料だけでトナーの補充も無料で受けられます。

プリント革命のメリット詳細は、「プリンターレンタルサービス「プリント革命」のメリット」を併せてご覧下さい。

何人かで1台の大型複合機コピー機を扱うと、印刷頻度が増えれば作業のタイミングが重なる事も増えます。
その場合は中型複合機を2台入れる事も合理的です。2台導入しても、大型複合機コピー機1台分のスペースに設置可能です。

毎分20枚の中型複合機が二台あれば、効率は毎分40枚の効率に匹敵し、別々の作業をこなすことも可能になります。

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この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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