FAXは「facsimile(ファクシミリ)」を略した総称で、エジソンと争った上で特許をものにした、アレクサンダー・グラハム・ベルによる電話の発明である1876年よりも33年早い、1843年にイギリスの機械技師であるアレクサンダー・ベインによって発明されました。
1876年と言えば、まだ徳川家斉が江戸幕府で将軍として治めていた時代ですが、日本でFAXが広く普及したのは1980年代に入ってからです。
電話による通話では「言った言わない」のトラブルが発生しますが、書面で残るFAXの特性は仕事で利用する企業にとって大きなメリットで、その利便性は一般家庭にも広がり、最盛期には多くの家電メーカーから電話一体型の家庭用FAXが発売されました。
しかし、コミュニケーションツールとして一大勢力だったFAXは、インターネットの普及によって現在は利用者が大幅に減少する事態に見舞われています。
令和の現代において、複合機にFAX機能は本当に必要なのか?と、考え直す時期に来ているのは間違いありません。
複合機を利用する以外で、FAXを使うサービスをご紹介して解説します。
FAXが減ってきている要因
特定の業種では依然としてFAXを利用中の企業も多く、デジタルスキルが必要無く誰にでも簡単に取り扱い可能で、確実に相手に情報を届ける事ができる事など、メリットも多く存在してます。
しかし、それでも相対的に見ればFAXの利用が減少しているのは、デジタル化が進む中で紙情報FAXは管理が煩雑になり手間が掛かる事が大きな理由です。
それ以外にも、FAXは時代の波から取り残されている理由があります。
環境保護意識の高まり
持続可能な開発目標として「SDGs」が提唱され、企業としても営利を追求するだけでなく、環境を考えない企業は企業価値にも影響が出る時代になってきています。
FAXは到着した内容の判断ができず、基本的には自動的に用紙である紙に印刷が行われるため、環境面では無駄の排除が難しいツールであると言えます。
電話回線の通信費
FAXは送信する情報を白い部分と黒い部分に分けて2進数にデータ化して、電話回線を利用して相手のFAXに届けるため、1回送信する度に通信費が発生します。
インターネット回線が有れば、メールを送信しても都度の通信費が発生しない事が当たり前になっている現在では、どうしても無駄なコストが掛かっていると捉えられます。
一般家庭では固定電話が廃止されている傾向が強く、現在FAXが設置されている家庭でも利用頻度が大幅に減っていて、無駄な広告FAXが来るくらいにしか利用されていないから、電話機の買い換え時にFAX無しの機器を選択するケースが増えています。
経費がかかる
FAXは紙を消費するだけでなく、印刷するためにはインクやトナーなどの消耗品が使われますし、大型複合機コピー機の場合ではFAXを利用するためのメンテナンスや保守費用も小さくありません。
必要の無い広告や案内など不要のFAXであっても、経費が使われるのは無駄という判断がされても仕方ありません。
FAXが使えるwebサービス
複合機を使わないでFAXをする方法として、インターネットFAXがあります。
インターネットFAXとは?
インターネットFAXは、インターネット回線を使ってFAXの送受信を行うサービスで電話回線を使わないため、通常の複合機を利用してFAXを行う時にかかる通信費が別途かかりません。
インターネットFAXのメリットは?
インターネットFAXの、従来の複合機を使ったFAXと比較したメリットは色々あります。
電話回線不要
電話回線の契約が必要無く、固定電話を利用していない家庭やSOHOでも、インターネットFAXならFAXの送受信が可能になります。
データのデジタル化
インターネットFAXはデータをデジタル化して取り扱えるので、紙のFAXとは異なりデータ管理する事ができるので、紛失や保存において大きなアドバンテージがあります。
ペーパーレス化を進めている場合にも、極めて親和性が高いと言えます。
スマホやパソコンでデータが扱える
デジタル化されたデータなので、FAXの送受信を手持ちのスマートフォンやパソコンで利用する事ができるため、従来のFAXの送受信を行う複合機などの設置場所に依存することが無く、外出先でもFAXの送受信が可能です。
コスト削減
FAXを利用するために専用の複合機を購入する必要が無く、固定電話の基本料も必要ありません。
インターネットFAXのコストが掛かっても、結果的にコスト削減に貢献できます。
インターネットFAXについては、以下の別項も是非ご覧下さい。
具体的なインターネットFAXのサービスは?
以前は受信のみなら基本料が不要で、送信者に料金がかかるサービスがありましたが、現在では事実上無料で利用できるインターネットFAXのサービスは姿を消しています。
インターネットFAXで必要な費用としては、「初期費用」「受信料金」「送信料金」「月額料金」があります。
サービスごとに内容は大きく異なり、月額基本料を支払えば、一定の枚数までは送信無料のサービスや、枚数事に費用が掛かるサービスなど、利用方法に応じてコスパのよいサービスを選ぶ必要があります。
いくつかのインターネットFAXサービスを、具体的にご紹介しましょう。
eFAX
- 初期費用 1,100円
- 月額費用 1,980円
- 受信費用 月に150枚まで無料
- 送信費用 月に150枚まで無料
MOVFAX
- 初期費用 1,100円
- 月額費用 1,078円
- 受信費用 月に1,000枚まで無料
- 送信費用 1送信8.8円
jFax
- 初期費用 1,100円
- 月額費用 1,089円
- 受信費用 月に100枚まで無料
- 送信費用 月に50枚まで無料
メッセージプラス
- 初期費用 1,100円
- 月額費用 1,045円
- 受信費用 無料
- 送信費用 1送信16円
対応した複合機を使った、ネットワークFAXもあります。詳細は以下を是非ご覧下さい。
見てからプリントも活用しよう
複合機、プリンター、FAXに「見てからプリント」という機能が備わっていると、受信したFAXを一度画面で確認してから、印刷するかどうか決めてから印刷できます。
本来FAXを受信した時は、自動で印刷されますが確認してから印刷するかどうか決められるため、紙の無駄を減らすことができてコスト削減につながります。また、不要な広告FAXが届いたときは、紙の無駄になりますが「見てからプリント」だと画面上で消去することが可能です。
そのため、複合機、プリンター、FAXに「見てからプリント」が備わっていると紙の無駄を減らすことができるため、オススメです。
「見てからプリント」の機能が備わっている機種を使う時は、まずは設定を行ってみて使ってみましょう。