家庭用プリンターを送るときの注意点は?梱包方法や破損させないコツをご紹介

家庭用プリンターは、身近にあるフレンドリーな機械であるため、ともすれば忘れがちですが、まごうこと無き「精密機器」です。

限られたスペースの中に精密部品を詰め込んだ上に、繊細な表現を可能にするためには、ミリ単位以下の0.01mmレベルで可動部分は制御されています。

そんな精密機器のプリンターは、本来手渡しでの運送が望ましいと言えますが、効率を考えれば運送便を使っての発送機会は避けられません。

テレワークで利用したプリンターを会社に返却したり、不要になったプリンターをヤフオクやメルカリなどで販売したり、運送便を利用しての家庭用プリンターの発送時には、精密機器で有る事を念頭に置いた梱包を怠れば、プリンターの破損や故障に直接繋がってしまいます。

家庭用プリンターを、運送便を使って送る時の注意点や、その梱包方法や破損させないコツまでご紹介して解説します。

目次

家庭用プリンターを梱包する前にやるべきこと

精密機械である以上、通常の荷物を発送するのとは様々な点で異なります。

ポイントを踏まえた上で、まず梱包前に行う事を整理してみましょう。

事前に準備しておきたいもの

プリンターを梱包する前には作業が必要ですが、その前に梱包に必要なものを確認しましょう。

購入時の箱と中の発泡スチロール

プリンター購入時に収まっていた箱と、中に入っている発泡スチロールは、プリンターを廃棄処分するまで保存しておいた方が、送る機会があった場合に役に立ちます。

無駄なスペースが無い様に専用設計されている収納効率の良さに加えて、中身が輸送時にも動きにくく、トラブルが発生しにくい梱包方法として、これ以上のものはありません。

説明書等の付属品も効率的に収納出来るので、併せて探しておきましょう。

ダンボール

購入時の箱を保存していなかった場合は当然送るダンボール箱が必要になりますが、購入時の箱が保存してある場合でも、別途用意してください。

その理由としては、購入時の箱に直接荷札を貼る事は避けた方が良いからです。

なぜ購入時の箱に荷札を貼るのはNGか?

メーカーで製造されたプリンターは、購入時の箱に入れられて販売店やユーザーに届けられる事も多く、運送時にそれが原因で問題は起きないとも考えられます。

しかし、精密機器である家庭用プリンターの輸送に安全を期すなら、万が一の直接的なダメージを減らすために、一回り大きな箱に緩衝材を入れて梱包する方が確実だからです。

また、最近の運送事情から置き配なども考えられ、中身が一目で誰からもプリンターと解ってしまうリスクも回避出来ます。

緩衝材

専用箱が無い場合は、運送中に動かずに衝撃を吸収出来る緩衝材が必要です。
専用箱が有る場合も、一回り大きな箱との隙間を埋めるのに必要になります。

ポイントは、とにかく中身が動かなくする事です。

緩衝材の種類としては、俗にプチプチと呼ばれる気泡緩衝材やミラーマットの他、新聞紙を丸めて利用する事も可能です。

ビニール袋

プリンター購入時に包まれているビニール袋も、箱と一緒に保存しておくと、運送時には役に立ちます。購入時のビニール袋を保存していない場合は、別途ご用意ください。

ダンボール箱は防水が期待出来ないので、プリンターはビニール袋に包んで送る必要があります。インク漏れの拡散も防ぐ事が出来ます。

テープ

ダンボール箱やビニール袋を綴じるためのガムテープ以外に、プリンターの稼働部や開閉部が動かない様に固定するため、マスキングテープや養生テープを準備しておくと便利です。

プリンターの清掃

家庭用プリンターを発送する際、トラックで長時間揺らされるため、振動によってゴミがプリンター内部に詰まる場合があります。

まず乾いたファイバークロスで、プリンターの表面にのっているホコリをとりましょう。濡れた雑巾だと壊れてしまう可能性があるので、必ず乾いた布を使用してください。

次に、電源を入れて、プリンターの機能にあるヘッドクリーニングを行いましょう。長年使っていなかったプリンターを送る場合は、すでにインクが詰まっている可能性があり、そのまま送ると振動によりさらなる詰まりにつながるかもしれません。

最後に、紙詰まりを起こしていないか、大きなゴミが詰まっていないかを確認してプリンターの清掃は完了です。

開閉部をテープで固定する

スキャンをする部分のフタや用紙トレイなど、動く部分や開閉部をそのままにして送ると、配送途中に開いたり外れたりして破損につながります。

開閉部はテープで固定し、振動が与えられたり傾いたりしたときでも動かないようにしてください。使うテープは跡がつきにくく、粘着力が強い養生テープがおすすめです。

本体を袋に入れる

荷物は配送途中で雨などで外装が濡れる場合もあり、梱包材を全て紙で済ませてしまうと水濡れによる故障につながります。必ずプリンター本体を袋に入れて、テープで止めて水濡れから守りましょう。

家庭用プリンターにもとからついていた袋がない場合は、市区町村指定のゴミ袋や100円均一などにある袋を利用してください。

具体的な家庭用プリンターの梱包方法は?

具体的に、家庭用プリンターの発送方法をまとめてみましょう。

家庭用プリンターの主流であるインクジェット方式のプリンターは、輸送時にインクカートリッジを付けたままにしておくか外すか迷いますが、基本的には装着したままで梱包してください。

詳細については、「家庭用プリンターを発送するときはインクは外すべき?それともつけたままが正解?」も、併せてご覧下さい。

購入時の箱などが保存してある場合

1.専用箱に購入時に入っていた状態に、ビニール袋に入ったプリンターを、専用の発泡スチロールに組み込んで戻します。

2.専用箱をガムテープで封印します。

3.一回り大きなダンボール箱に専用箱を入れて、隙間に緩衝材を隈無く入れて動かない様に固定します。サイズ的に無駄が多い場合は、適時ダンボールをカットして適正なサイズにしてください。

4.プリンターの重量は結構あるので、外箱のダンボール箱の封印には、底を含めて十字に貼る様にしてください。

購入時の箱などが無い場合

1.用意したビニール袋にプリンターを入れて封印し、プリンター全体にプチプチなどの緩衝材で包んでください。

2.段ボールにプリンターを入れたら、更に周りに緩衝材を入れて動かない様にします。重量があるプリンターの場合は、ダンボール箱の底に更に段ボールをカットして敷いて、二重にしておくと安心です。

3.プリンターの重量は結構あるので、外箱のダンボール箱の封印には、底を含めて十字に貼る様にしてください。サイズ的に箱が大きな場合には、適時カットして調節を行ってください。

送り状には注意書きを記載

送り状には、注意書きを書き込む欄があります。
ここに、「ワレモノ注意」「精密機器在中」などの記載を必ず入れてください。

加えて、「下積厳禁」「天地無用」をダンボールに書き込む事で、故障に繋がる雑な移動を抑える事に繋がります。

家庭用プリンターを送るときは運送業者で補償かけよう

どんなにていねいに梱包しても、時には配送時の衝撃などによってプリンターが壊れてしまう可能性もあります。

配送事故による破損は発送主に責任があるわけではないのですが、補償をつけていないと、運送業者で問い合わせても対処をしてもらえないでしょう。

そのようなトラブルを防ぐために、できれば補償をかけられる運送業者・発送方法を選ぶことをおすすめします。

たとえば、

  • 佐川急便・・・運送保険
  • ヤマト運輸・・・宅急便
  • 日本郵便・・・ゆうパック

などを利用すると補償つきで発送できますので参考にしてください。

安全に手間無く送れる手段も

多少割高にはなりますが、購入時の箱等が無くても、裸で機器をドライバーに手渡して、その場で精密機械を梱包してくれるサービスが有ります。

たとえば、ヤマト運輸ではプリンターだけでなく、パソコン・デジカメなどの周辺機器を、独自に開発された専用資材を使ってドライバーに梱包してもらった上で発送が出来る、「パソコン宅急便」があります。

特殊なフィルムで挟み込む様に梱包して運ばれるため安全性が高く、万が一のトラブルの場合には荷物一つにつき最高30万円まで補償されます。

家庭用プリンターが到着したらプリンターが正常に動くかチェックしよう

家庭用プリンターの発送が完了し、到着したらまずやるべきなのは正常に動くかのチェックです。

ではどんな点に注意してチェックすれば良いのか、万が一動かなかった場合はどうすれば良いのか説明しましょう。

到着後にチェックすべき点

プリンターが到着したら、できるだけすばやく動作チェックをしてください。運送会社のよる補償は適用期間が決められているので、何週間も放置しておくと、壊れていても補償してもらえない可能性があります。

では次に何をチェックすべきか見ていきましょう。

まずはコンセントを挿し、電源が入るか確認してください。電源が入ったら、ヘッドクリーニングが正常にできるかチェックしましょう。

次に、パソコンやスマホとプリンターが繋がるか見ていきます。繋がれば、正常に印刷できるかモノクロ・カラー印刷の両方で試してください。

万が一動かなかったときは?

もし動作チェックを何度行ってもプリンターが動かなかったときは、配送途中の衝撃などにより故障した可能性が高いでしょう。

補償つきの場合は、発送伝票と梱包材についている伝票を手元に用意した上で、利用した運送業者に問い合わせてみてください。

故障はしていなくても、梱包材が傷ついたことによりプリンター本体も傷ついた場合も補償の対象となる場合もあります。

ただし、発送事故による破損と断定できなければ補償してもらえません。自分の梱包に不備があった場合は対象外なので注意しましょう。

補償をつけていなかった場合は、残念ですがプリンターの買い替えを検討してください。

まとめ

家庭用プリンターは衝撃や揺れに弱いので、ていねいに梱包しないと到着後に故障していて、買い直さないといけない危険性もあるので注意してください。

また、きちんと梱包しても配送事故により故障する可能性もゼロではありません。万が一のことを考えて、発送方法は補償つきのものを選びましょう。

そして届いたあとはすぐに動作確認をして、問題なく動くかどうかを確かめることも忘れてはいけません。

家庭用プリンターを送るときの注意点を頭に入れておき、トラブルを防ぎましょう。

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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