レーザープリンターの印刷の仕組みとは

普段の生活の中で何気なく利用しているプリンターですが、大きく分けて印刷物の出方が2タイプある事にお気づきでしょうか?

徐々に印刷が進んでジワジワ出てくるタイプと、用紙全部がページごとサッサッと出てくるタイプの違いです。

前者はインクを搭載したヘッドと呼ばれるパーツが、用紙上を縦横無尽に動いてインクを乗せていく「インクジェットプリンター」で、後者は用紙1ページ一気に印刷する「レーザープリンター」であり、印刷する仕組みが全く異なります。

レーザープリンターは1ページを丸ごと一度に印刷する事から、ページプリンターと呼ばれる事もあります。

レーザープリンターは、身近なところに数多く存在しています。
オフィスにある大型複合機コピー機の大半はレーザープリンターですし、コンビニエンストアに設置してあるマルチコピー機もレーザープリンターです。

インクジェットプリンターはインクを用紙に吹き付けるという、非常に解りやすい仕組みですが、レーザープリンターが印刷する仕組みは、ある意味ブラックボックスになっていて、解りにくい方式であると言えます。

今回は、レーザープリンターが印刷する仕組みを、その誕生から簡単に解説していきます。

目次

レーザープリンターの誕生と原理

レーザープリンターが印刷する仕組みを一口でご説明するなら、静電気を、光を使ってコントロールする事で、イメージを構築して複写するということが原理になります。

レーザープリンターの誕生

この原理と考え方はゼログラフィ(xerography)という複製技術で、アメリカの物理学者であるチェスターカールソンによって、1938年に発明されました。

アメリカ・ゼロというキーワードで、ピンと来た方もいらっしゃると思いますが、世界中にコピー機を浸透させてマーケットを創ってきた、アメリカのゼロックス社の社名も、このゼログラフィに由来しています。

1969年にゼロックス社がゼログラフィを使った印刷機を考案して、1977年に現在のレーザープリンターの元になるXEROX9700が発売され、コンピュータのデジタル信号をイメージとして印刷出力機器として、レーザープリンターの今日に繋がっています。

レーザープリンターの印刷原理

レーザープリンターが印刷する原理を、もう少し掘り下げてみましょう。

デジタル化されたデータは、プリントエンジン(プリントドライバ)によって翻訳され、印刷用のデータが作成されます。

作成された印刷データをレーザー光にして、帯電(静電気を帯びさせること)してある感光体ドラムに照射します。

文字にすると簡単ですが、実際に行われているのは、10万分の1mmというレベルの、極めて繊細な波長の半導体レーザーをコントロールして、1分間に数万回で高速回転するポリゴンミラーに、レーザー光を照射しています。

そのレーザー光線は、1,000分の1mmという精度で配置されているレンズを通過して、正確に感光ドラム上にデータを作成していきます。

最近ではレーザーに変わって、LEDを使用するプリンターも登場しています。
LEDプリンターは、一つのレーザー光をミラーとレンズを使って振り分けている構造を使わず、数千個のLEDを使用して直接感光体ドラムに照射します。

(LEDプリンターの詳細は、「LEDプリンターとは|進化したレーザープリンター」も、合わせてご覧下さい。)

この感光体ドラムに粉状になっているインクのトナーを均一に付けると、レーザー光が当たった部分にだけトナーが残り、静電気の力でこの残ったトナーを用紙に転写します。

その後、用紙に対して熱と圧力を加えることによって、トナーを定着させて印刷が完成します。

具体的にレーザープリンターの内部で、行われている工程を見てみましょう。

レーザープリンターが印刷していく工程

レーザープリンターは、ドラムという黒い筒の上に静電気の力でトナーを呼び込んで、そのトナーを紙に密着させることでプリントします。
レーザープリンターのプリント過程は以下のような順番となっています。

1. 帯電

感光体ドラムにトナーを呼び集めるため、感光体ドラム全体に静電気を発生させます。これを帯電とよびます。

この時の感光体ドラムは、数百ボルトの電気を帯びています。

2. 露光

感光体ドラムに向けて、絵や文字になる部分にだけレーザーを照射します。

この過程を「露光」と呼びます。

ここでレーザーを使うのでレーザープリンターという名称がついているのです。
ポリゴンミラーという六角形の鏡をつかって、レーザーを照射します。

3. 現像

感光体ドラムにレーザーを照射すると、レーザーが照射された部分の電圧が低下します。

絵や文字になる部分は電圧が低下し、他の部分の電圧が高い状態のままです。

このドラムに、帯電したトナーを近づけると、ドラムの電圧の低い部分(絵や文字になる部分)にトナーが集まり、象が形成されます。

この過程を「現像」と呼んでいます。

4. 転写

感光体ドラムに移動したトナーを用紙に移し、プリントします。

感光体ドラムに帯電している静電気と逆の静電気を紙に帯電させると、静電気の力で感光体ドラムから用紙へとトナーが呼び集められていきます。

この過程を「転写」と呼んでいます。

5. 定着

用紙にトナーが移動した状態では、トナーは用紙に「載っているだけ」の状態です。

このトナーを用紙につけるため、紙に圧力と熱をかけます。

この過程を「定着」と呼びます。

アイロンがけと同じような作業です。
プリントしたあとの紙が少しあたたかいのは定着のときにかける熱のためなのです。
定着が終わるとプリント完了です。

6.後片付け

感光体ドラム表面には、印刷後にもトナーが残ります。

このままでは次の印刷に支障が出るため、ワイパーブレードと呼ばれるパーツによって、残っているトナーを剥ぎ取る工程が行われます。

レーザープリンターの種類

レーザープリンターには、大きく分けるとカラー機、モノクロ機の2種類があります。

モノクロ専用機

黒のトナーだけで印刷するプリンターです。
モノクロ専用で、機能が制限されていることから価格は7,000円くらいから販売されています。
筐体もコンパクトなものがあり、個人利用でも使い勝手の良いものが揃っています。

カラー対応機

4色のトナーが使われておち、フルカラーによるプリントも可能です。
A4サイズで性能が低いものは1万円台から存在しますが。100万円を超える機械もあります。
プリント方式は、タンデム方式とロータリー方式に二分されます。
タンデム方式はモノクロ印刷と比べてもさほどスピードの低下はありませんが、機械が大型になりがちです。
ロータリー方式は小型で低価格ですがプリントスピードが劣ります。

レーザープリンターのメリットとデメリット

レーザープリンターのメリットとデメリットを確認し、どのような使いかたに適しているのか解説します。

メリット

  • にじみが出にくい
  • 印刷スピードが早い
  • 一枚あたりの印刷コストが安い

デメリット

  • 機械本体が大きい
  • 電力などランニングコストがかかる
  • トナーや感光体など消耗品が高い

滲みにくく、印刷スピードが早いという点は、テキストや資料などを会議の出席人数分印刷する、というオフィスでの使いかたに向いており、オフィスでの運用に最適化されています。
機械本体が大きく、ランニングコストがかかるというデメリットは、小規模オフィスで使うと元がとれずわりに合わないですが、大規模に運用することでデメリットをメリットが上回り解消されます。

このような点から、レーザープリンターは大規模なオフィスで日々大量印刷をするような使いかたに向いています。
用途に適したプリンターを選び、有効活用をすすめましょう。

この記事を書いた人

家電をはじめ、複合機などのオフィス備品にも強いWebライターです。今後は主にプリンターなどの備品を中心にリースやレンタル業界についても記事にしていきたいと思っています。

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