地球環境の保護が叫ばれSDGsが広く浸透して、限りある資源を有効に活用する意識の向上が、環境保全に繋がる事が見直されています。
使用済みのインクカートリッジは、30年以上前からリサイクルに対して積極的に取り組んできました。
単純に捨ててしまえばゴミでしかありませんが、リサイクルすれば資源として有効活用することが出来ます。
インクカートリッジの廃棄処分方法について、解説します。
メーカーに回収してもらう
メーカーに回収してもらう方法
回収業者に引き取りに来る、メーカーに回収してもらう方法がありますが、使用済みインクカートリッジを一定量まとめる必要があり、お勧め出来るのは大量にインクカートリッジを消耗するユーザーに限られます。メーカーによって、回収に必要なカートリッジの量は異なります。
それほど消費しないユーザーは、しばらくの間は使用後のカートリッジを溜めておく必要があり、一つでも簡単にリサイクル出来る手段としては、家電量販店に設置されている回収ポストに持ち込む事や、ベルマーク活動として学校単位で集めているリサイクルに参加する方が現実的です。
ベルマーク運動への取り組みはメーカーごとに異なっています。
キャノンの例 ベルマーク運動のご案内
後述する、インクカートリッジ里帰りプロジェクトを利用する方法も、リサイクルに配慮した処分方法です。
メーカーが行っているリサイクル
回収されたインクカートリッジは、プラスチック材・ICチップ・その他の部品に分別分解された後で、プラスチック材は社内用の運搬コンテナや植木鉢の他、建材などにも利用されます。
ICチップは貴金属回収に廻され、その他の部品はガス化改質・固定燃料化が行われるなど、主に熱源として再利用されます。
メーカーが引き取ってくれるのは、純正カートリッジに限られます。
主なメーカーの回収詳細については、以下をご覧下さい。
〇エプソン
〇キャノン
〇ブラザー
〇HP
互換インクの回収
メーカー品ではなく、サードパーティーが販売している互換インクは、メーカーや後述のインクカートリッジ里帰りプロジェクトでは回収してもらえません。
互換インクを販売している店舗によって、使用済みのインクカートリッジ回収対応は異なります。
たとえば、インク革命.COMの場合は、インク革命.COMで購入したインクカートリッジが20本以上あれば、無償で回収を行っています。
そろそろ溜まってるなと思ったら、注文時の備考欄に、「使用済みカートリッジの回収希望」と記載することで、既定の着払い伝票が商品に同梱されてきます。
インクカートリッジ里帰りプロジェクトを利用する
プリンターの主要メーカーである、ブラザー・キャノン・エプソン・HPに加えて、日本郵便が参加している、使用済みインクカートリッジの回収とリサイクルを推進する共同プロジェクトが、「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」です。
同プロジェクトは専用の回収箱で回収していますが、回収後はメーカーごとに仕分けを行って、それぞれのメーカーが責任を持ってリサイクルしています。
この回収箱は、全国の郵便局や公共施設に設置してあります。
〇郵便局のリスト
全国約3,600箇所の郵便局に設置してあります。
回収箱設置郵便局を探す
〇地図から探す
地図で回収箱が置いてある、郵便局や自治体施設を探すことが出来ます。
回収箱を地図から探す
〇条件を指定して探す
都道府県や市町村、施設のジャンルを選択して検索出来ます。
場所や施設などの条件から探す
ごみとして処分する
インクカートリッジは、一般ごみとして処分することも可能です。基本的には燃えないごみに分類されることが多いと思いますが、地域によっては燃えるごみに分類されるケースもあります。ご自身が住んでいる場所の規定に従って処分してください。
どの自治体でも、使用済みインクカートリッジは資源ゴミとしての回収は行っていませんが、多くの自治体ではゴミとして排出する分類の明示だけでなく、リサイクルとしての回収方法を併記しています。
たとえば、横浜市の取り組み「インクカートリッジの回収を行っています。」を見てみましょう。
メインにあるのは、先述のインクカートリッジ里帰りプロジェクトです。
単純にプロジェクトのリンクを貼るだけで無く、自らのホームページの中で、積極的に回収場所を告知しています。
“ご家庭からの使用済みインクカートリッジの回収箱を、区総合庁舎・図書館・行政サービスコーナー・区民利用施設などに設置しています。(回収箱設置場所一覧)
また、一部の郵便局やお店(外部サイト)でも回収を行っています。
どなたでも利用することが出来ます。“
回収する環境が整ってきているので、極力単純にゴミ箱行きは避けたいですね。
使用済みインクカートリッジ廃棄の注意点
使用済みのインクカートリッジを廃棄する際に気を付けたいのは、メーカーや自治体の規定に沿ったものを出すことです。特にメーカーに引き取りをしてもらう場合、指定のメーカー以外のインクカートリッジを出しても、リサイクルに支障が出る可能性があります。
たとえば「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」では、ブラザー、キャノン、エプソン、ヒューレットパッカードの純正インクが対象です。リサイクルインクや、他のメーカーのインクを出しても受け付けてもらえませんので気を付けてください。
またリサイクルに出すときは、カートリッジ以外の部品はポストに入れないよう注意しましょう。リサイクルをする段階で仕分けをしていますが、万が一電池などが混ざると大変危険です。
カートリッジ以外の袋や箱などは、回収箱には入れずに持ち帰る必要があります。
著しく破損しているインクカートリッジや、改造品もリサイクルの障害になりますので、、回収箱に入れることは止めましょう。
まとめ
インクカートリッジの廃棄方法と、処理するときに気を付けたいことを紹介しました。
廃棄する際には回収サービス、自治体のごみ処理の2つがあります。回収サービスは無料でできるうえに、資源としてリサイクルが可能です。
ごみとしての処分は、自治体のルールに従って正しい方法で出してくださいね。どちらを選ぶにしても、適切な方法でカートリッジを廃棄して、安全に処理できるよう気を付けることが大切です。