プリンターの印刷方式の違いによる、特有のトラブルがあります。
廃インクタンク(メンテナンスボックス)のトラブルは、インクジェットプリンター特有のもので、この収納容量が一杯になれば、プリンターは正常に稼働する事が出来なくなります。
インクジェットプリンターの利用には欠かすことの出来ない、廃インクタンクの問題は、メーカーによっても大きな考え方の違いがあります。
呼び方もメーカーによって異なっています。
廃インクタンク・インク吸収体・廃インク吸収パッドなどと呼ばれる事もありますが、不要になったインクが外部に漏れたり、印刷物を汚したりしないように、別の場所に溜めているという役割は皆同じです。
廃インクタンクにまつわるエラーが表示された場合の、対処方法について解説します。
廃インクタンク(メンテナンスボックス)とは
廃インクタンクは、文字通り使わなかったインクを捨てる貯蔵場所です。
インクジェットプリンターのインクは、印刷を行うだけで無く、プリントヘッドを正常に稼働させるために、随時行われているヘッドクリーニング時に使われています。
印刷しないのに使われたインクは、汚染に繋がりますので、他に影響を与えないように格納する必要があり、その役割を廃インクタンクが担っています。
それ以外にも、余分に出力されたインクを回収する用途にも利用されていて、インクジェットプリンターの利用期間が長くなれば、必然的に廃インクタンクの中には使われなかったインクが溜まっていきます。
廃インクタンクのエラーが出たらどうなる?
メーカーや機種によって、エラーの表記は異なります。
キャノンの場合
いきなりエラーが出て止まるのでは無く、「インク吸収体が満杯に近づきました」等の表示が出て、注意が促されます。
この時点では本体のリセットボタンを押すことで、エラーが解除されて使える様になります。
この時点ならインクの取り出しや印刷だけでなく、スキャンなどの機能も使えますが、「廃インクタンクが一杯になりました」のエラーが出れば、基本的に全ての動きが停止されます。
エプソンの場合
廃インクタンクのエラーは、タンク容量の問題なのか?クリーニング頻度の問題かは不明ですが、キャノンよりも短期間で起きる事が多くなる傾向にあります。
ブラザーの場合
「まもなく廃インク満杯」または「廃インク吸収パッド満杯」等の表示が出て、プリンターの利用が出来なくなります。
廃インクタンクの交換方法①自分で交換する
廃インクタンクの交換は、原則メーカーに修理依頼を出します。
メーカーが考えるプリンターの寿命は、概ね3年から5年に設定されていて、一般的なユーザーの使い方では、廃インクタンクが一杯になる時期が同程度になる事が多く、新たに修理代を掛けてまで継続使用するよりも、買い換えを考えるユーザーが多くなっています。
同程度の年数を経過したプリンターは、保証期間は当然経過していますし、メーカーのサポートも終了しているケースが出てきます。
その場合、あくまで自己責任になりますが、自分で廃インクタンクを蘇らせる手段があります。
自己責任で廃インクタンクを再生する手順
- ドライバーを使ってプリンターを分解する
- 廃インクタンクを出す
- 中に入っているスポンジを取り除く
- タンクの中をきれいに拭く
- メラニンスポンジを詰める
- 分解したパーツを戻す
- リセットする
中に入っているスポンジはインクが染みているので、割りばしなどを使うと出しやすいでしょう。作業をするときは周囲が汚れないように、床に新聞紙を敷いておくことをおすすめします。
また、中にはメラニンスポンジが入っていますが、キッチンペーパーやコットンなどでも代用可能です。新たに詰めるときは、タンク内に隙間ができないようぎっしり詰め込みましょう。
手間暇を惜しまない、手先の器用な方はチャレンジする価値があります。
自分で廃インクタンクが交換出来る機種もある
手間暇を掛けずに、当初からユーザーが廃インクタンクを自分で交換出来る様に設計された機種も発売されています。
キャノンではギガタンクのG3360が、自分で簡単に廃インクタンクの交換が行えるようになっています。
エプソンは自分廃インクタンクが交換出来る機種が、他メーカーと比較して多く、対応機種が増えています。
EP-50V / EP-879AB / EP-879AR / EP-879AW / EP-880AB / EP-880AN / EP-880AR / EP-880AW / EP-881AB / EP-881AN / EP-881AR / EP-881AW / EP-882AB / EP-882AR / EP-882AW / EP-883AB / EP-883AR / EP-883AW / EP-884AB / EP-884AR / EP-884AW / EP-885AB / EP-885AR / EP-885AW / EP-982A3 / EP-M552T / EP-M553T / EW-M752T / EW-M752TB / EW-M754TB / EW-M754TW / PX-S5010 など
廃インククタンクの交換方法②メーカーに依頼する
メーカーや機種によっても修理代は異なってきます。
だた、プリンターの購入価格と修理費用を天秤に掛ければ、機種を新しくした方が、メリットが大きい事も少なく有りません。
修理代はメーカーや型番によりますが、エプソンの場合だと約4,000円から10,000円弱かかります。
修理を行っている期間中は、印刷をする事も出来なくなります。
これも、修理でなく買い換えが多くなる理由の一つです。
まとめ
プリンターは精密機械でありながら、毎日酷使される特殊なポジションです。
廃インクタンクの問題だけでなく、使い続けるウチに、トラブルが発生する事は避けることが出来ません。
そのため、高額なカウンター料金を支払ってでも、メンテナンスを外部に丸投げするリース契約が多くなっています。
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