2022年8月7日から13日のインクジェットプリンターの、売上ランキングで第3位・注目度ランキングで第2位に入っている、キャノン製の売れ筋PIXUS TS3530は、最安値の販売価格では7,920円になっています。
黒インクに顔料を使っていて、ビジネス文書の印刷でも文字が読みやすく、スマホからの対応やWi-Fiの搭載、コピー・スキャン機能も搭載されている複合機としては価格が安く、在宅ワークに必要な機能を満たす事から、多くのユーザーに選ばれていると推察出来ます。
購入者の多くは、利用し始めて暫くの間は、コスパの高さに大満足していると考えられますが、やがて必ず訪れるインク交換になって愕然とする事、間違いありません。
PIXUS TS3530の交換インクの価格を公式サイトで確認すると、FINEカートリッジ BC-365XL ブラック[大容量]が3,080円・FINEカートリッジ BC-366XL 三色カラー[大容量]が2,970円になっていて、合計金額は6,050円になります。
1回のインク交換で、購入したプリンター本体の76%を超えて、2回目のインク交換では本体価格を軽く超えて、プリンターを利用し続ける限り、大きなコスト負担になる事に、疑う余地はありません。
なぜ?これほどインクジェットプリンターの交換インクは高いのか?その理由を考察すると共に、節約する方法を解説します。
日本のプリンターのインク代は世界一
高価な液体を比喩する言い方として「血液よりも高い」という表現は、日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米では古くから使われています。
血液よりも高い
元々「血液よりも高い」は、シャネルの5番の価格の高さを表現する事に使われていましたが、昨今ではインクジェットプリンターの交換インクの高額さにも、数多く表現として使われるようになりました。
切っ掛けになった元ネタは、アメリカのガソリン価格の高騰を揶揄するために、47種類の液体の価格を価格順に並べた、The Price of a Gallon: 47 liquids comparedです。
解りやすく液体の単価を並べたランキングで、インクカートリッジのインクが上位に入ったことで、注目を集めました。
このデータの中で人の血液は、ガソリンや牛乳、コンタクトレンズ洗浄液や液体風邪薬よりも遙かに高い、1g(1ml)あたり38円程度になっていますが、インクジェットプリンターの交換インクは68円程度と、さらに高額になっています。
公式に容量は公表されていない
このデータには、インク カートリッジの黒インクとしか記載が無いため、どの型番を調査したのかは不明です。
通常売買される液体は、容量の記載が有って当たり前ですが、純正メーカーで販売するインクに、搭載している容量は載っていません。
ユーザーが正確に液体の容量を知るには、分解して容量を量るしか有りませんが、敢えてメーカーが具体的な容量を公開しない理由は、その単価が「血よりも高い」事にあります。
インクカートリッジ内にスポンジが使われていると、インク容量を正確に計る事は困難ですが、エプソンのクマノミインクは液体だけなので、分解すれば、増量タイプで概ね10mlであることが解ります。
エプソンの公式販売ページのエプソンダイレクトでは、クマノミインク6色パックL(全色増量)(KUI-6CL-L)×2個で、16,126円で販売されていますから、1個にすると8,063円で、6色で内容量は約60mlと考えれば、1mlあたりの単価は約134円になります。
「血よりも高い」どころか、「血よりも遙かにずっと高い」不具合な事実は、メーカーにとって、出来れば触れて欲しくない・触れたくない、というのが本音でしょう。
プリンターのインクが高い理由
プリンターのインクが高い理由には、プリンター各社のビジネスモデルが関係しています。
実はプリンター本体に関しては、部品代に対して比較的安く価格が設定されています。プリンター本体を安くする代わりに、インク代で利益を出しているのです。
プリンターのインクは消耗品であるため、本体を使い続ける限り定期的に買い足す必要があります。近年は非純正品のインクも増えていますが、基本的にはメーカーが指定する純正のインクを使わなくてはいけません。つまりプリンターの本体を安く販売しても、メーカーは長期的に利益を得られるのです。
日本と海外の異なる事情
日本と海外では、インクジェットプリンターの扱いに大きな差があります。
プリンター本体の扱い
日本ではプリンターにトラブルが発生した場合、メーカー修理が普通なので、ユーザーは購入金額と天秤に掛けて、修理を諦めて新しいプリンターを購入しなおすケースが非常に多く、扱いとしては消耗品に近くなっています。
海外、特に東南アジア界隈では、街に個人経営の修理屋さんが存在していて、プリンターをメーカーに依存せずに、トコトン使い倒す傾向が強くなっています。
交換インク
コロナ禍の中で、国民にマスクを着用させるのに、ルールを設定して厳罰を設け、銃まで用いなくては定着出来ない国が多い中、日本では明確なルールや罰を設けなくても、マスク着用が一気に定着しました。
お上には逆らえない文化と従順な順応性による行動は、世界から賞賛されましたが、思惑を持った勢力からは、それを利用される事も少なく有りません。
日本のプリンターメーカーは世界でも主力になっていますが、お膝元の国内では、「インクジェットプリンターの交換インクは、純正以外は利用してはいけない」という刷り込みに成功しています。
諸外国では、メーカーの言い分などお構いなしで、「安い互換インクが沢山有るのに、高額な純正インクなど使ってられるか!」という文化が定着しています。
海外の街にある修理屋さんでは、プリンターの改造も請け負っていて、プリンター本体に、インクボトルを接続する様にしたタイプも珍しく有りません。
大容量のインクボトルを搭載したタイプのプリンターが、最近メーカーからも発売されていますが、本家日本での販売は海外よりも遅く、それらへの対抗手段だったことが見て取れます。
本体価格とインク価格の関係
海外では安価な互換インクへの対抗上、インク価格を安くせざる得ません。
その分、プリンター本体の価格は高くなっている事が、プリンターの利用事情にも表れています。
お膝元の日本では、純正インクの利用が定着している為、プリンター本体を安く販売する競争に重点が置かれていて、純正インクで稼ぐ構図になっていることが、日本のインクジェットプリンターの交換インクが、高止まりしている原因です。
金の卵を産む鶏をメーカーが手放す訳は無く、技術革新も少ない中で値上げ傾向にさえあります。
プリンターのインク代節約よりもレンタルの方が効率的
プリンターのインク代は非常に高いので、「何とかして節約したい」と考える人も多いでしょう。しかしプリンターのインク代を節約するのは非現実的です。節約する方法があるとすれば、日頃から印刷物を減らしたり、カラー印刷をモノクロ印刷に置き換えたりするくらいでしょう。非純正の安いインクを使う選択肢もありますが、万が一故障した際に保証対象外となるため、おすすめはできません。
そこでおすすめなのが、プリンターをレンタルできる「プリント革命」です。プリント革命は、インク代が月額料金に含まれます。つまり何枚印刷しても、インク代が追加で発生しません。プリンターのインク代に神経質になる必要がない点が魅力ですね。実際にプリント革命を導入し、72%のコストカットに成功した事例もあります。
またプリント革命には、契約期間の縛りがありません。解約したい1ヶ月以上前に連絡すれば、違約金なしで解約できます。とにかく手軽にプリンターを導入したい場合にも、プリント革命はおすすめです。
プリント革命のメリットの詳細は、「プリンターレンタルサービス「プリント革命」は高品質プリンター、高水準サービス!」も併せてご覧下さい。