東京商工リサーチが2022年5月に発表している、2021年「全国新設法人動向」調査では、2021年の1年間に14万4,622社の法人が設立されています。
この数値は、2019年以来の2年ぶりに前年を上回り、前年比の増加率も10%を超えています。
新規に設立される法人の産業は様々ですが、農林水産業や鉱業が最も増加しているのは、コロナ禍による地方回帰の動きが具現化しているからかもしれません。
どんな職種の会社でも、事務仕事は欠かすことが出来ません。
基本的に事務処理に必要なのは、パソコンとプリンターです。
法人のプリンターには、大型複合機コピー機をリース導入する事が、なぜか条件反射的に考えてしまう方も多いのですが、必ずしもそれは正解と限りません。
スタートアップ企業には、リース契約でのプリンター導入ではなく、プリンターレンタルをオススメする理由を解説します。
スタートアップは初期費用がかかる
充分な資金が潤沢に有るスタートアップ企業は少数派で、多くの新規設立法人は、限られた資金で荒波にこぎ出していきます。
どれだけ綿密に計画を立てていても、当初予定していたよりも出ていく金額が多くなる事が大半です。
開業には数百万円の資金が必要
そもそも会社の起業は、例え数億円の資金調達がないレベルの注目度であっても、非常に多くの資金を必要とする場合が一般的です。
例え10人以下の少人数で賄う小規模な起業であっても、開業資金として200万~500万円程度の予算を確保しなければならず、特に環境の整備が必要な初期費用は大きな割合を占めます。
参考:創業融資ガイド「起業に必要な資金はいくら?会社設立や事業の種類で見る開業費用の例」
https://jfc-guide.com/basic-knowledge/5684/#_515
一人親方の法人で電話一本だけで開業しても、実際に収益として入金があるまでは、生活費を含めて開業資金で補う必要が有り、移動すれば交通費やガソリン代などの車両費等も支払費用として掛かってきます。
店舗の場合なら、内装費や設備にも大きな金額が掛かり、敷金や権利金等の家賃経費も支払わなくてはいけません。
収益を得る実務として必要無くても、事務処理のツールとしてパソコンと共にプリンターは必要不可欠です。
長期経営を実現するため、少しでも無駄なコストは減らすべき
そのため、例え銀行から数千万円の借り入れに成功しても、早期に事業を軌道に乗せられなければ、瞬く間に経営破綻に陥ってしまうケースも少なくありません。チャンスがあっても、体力がなければそのチャンスが来る前に倒れてしまうのです。
そのため、少しでもチャンスをモノにするためには長期的な経営体制を維持し、余計なコストの負担を抑える必要があります。プリンターのように、事務にかかる費用は真っ先に削減を検討したいところです。
シビアな数字を見れば、経産省の統計データでは、新たに設立された会社や個人事業が1年後に残っている生存率は7割程度で、設立から1年を経たずに3割程度の企業は退場を余儀なくされています。
日経ビジネスのデータで、ベンチャー企業に限った統計での生存率は、創業から5年後には15%程度の企業しか生き残っていません。10年後では更に半分以下に減少して6.3%というデータになっています。
プリンターのリース契約がおすすめできない理由
プリンターのリース契約は、多くの企業が採用している運用方針ですが、スタートアップにはお勧めできません。
長期契約が前提
大型複合機コピー機の導入は、リース契約が一般的です、
リース契約の期間は法定耐用年数を基準にした、5年から6年程度が多くなっています。
リース契約に伴う毎月支払うリース料を、借りている費用だと誤解した認識を持つ方もいらっしゃいますが、全く異なります。
リース契約とは、リース会社が契約者に代わって購入して、金利と経費や諸経費を乗せた総額費用を、リース期間の月数で割った費用を契約者が支払うものです。
契約期間途中で機器の返却と解約を申し出ても、債務は消えません。
たとえば、月々20,000円のリース料で5年契約を締結している場合、1年経過した時点で解約を申し出れば、20,000円×残債4年分=960,000円を一括清算する必要が有ります。
コストは割高となる可能性も
リース契約は、物品を借りるというよりも、所有権を移さずに機器を利用する金融商品の性格であり、見方を変えればお金を借りる事と同じです。
そのため、実績の無いスタートアップ企業は、信用調査で審査する内容に乏しく、リース契約を結ぶことには結構高いハードルがあります。
仮にリース契約を結ぶことが出来ても、貸す側のリスク回避のために、金利が高く設定される事が一般的です。
また、リース契約している大型複合機コピー機は精密機械のため、メンテナンスを欠かすことが出来ず、トナー等の消耗品も一般の店舗では簡単に入手出来ない事から、それらをワンセットにした保守契約である、「カウンター料金保守サービス契約」が結ばれます。
カウンター料金保守サービス契約は、リース料とは別に印刷する度に費用が掛かるシステムで、モノクロ1枚2円・カラーで1枚20円程度に設定されている事が一般的で、1ヵ月単位で精算して支払います。
カウンター料金の単価は、実績や付き合いで変わって来ますが、スタートアップ企業には割高に設定されるケースが多くなっています。
月々20,000円程度のリース料なら、支払に問題は無いと考えていても、たとえば、1ヵ月にモノクロ1,000枚・カラー2,000枚を印刷した場合、2円(モノクロカウンター料金)×1,000枚+20円(カラーカウンター料金)×2,000枚=42,000円が掛かり、リース料と合わせた1ヵ月の支払費用は、62,000円になります。
毎月定額で使えるプリンターレンタルのメリット
レンタルプリンターサービスなら、リース契約では必須の信用調査が必要無く、スタートアップ企業に最適です。
レンタルプリンターサービスには様々な企業が参入していますが、内容は各社様々です。
プリント革命なら初期費用が発生せずに、毎月のレンタル料だけで規定枚数まで印刷が可能になっていて、カウンター料金や消耗品費用が別途掛かりません。
長期契約が必要無い
プリント革命では、レンタル後に6ヵ月経過をすれば、何時でも解約する事が可能で、それ以降の料金は一切発生しません。
不要になれば返却出来ますし、事業が軌道に乗って余力が出てこれば、あらためて大型複合機コピー機のリース契約を、必要に応じて検討しても良いでしょう。
抜群のコストパフォーマンス
プリント革命のレンタルプリンターサービスは、スタートアップ企業だけにではなく、長期的に利用する企業や、リース契約を完了後にレンタルに乗り換える企業が多くなっています。
その最も大きな理由は、印刷コストのパフォーマンスが良いからです。
たとえば、<CL-B30ライトプラン> 月額レンタル料 22,000円の場合、前述の66,000円が掛かっていた、、1ヵ月にモノクロ1,000枚・カラー2,000枚を印刷した場合でも、発生する費用はレンタル料の22,000円のみです。
リース金額と比較した場合、月々40,000円の差額が出ます。
おわりに
スタートアップは規模が小さいだけに、事業が軌道に乗るまでの出だしが肝心です。そのためには支出を最低限に抑えることが必要ですが、プリンターもレンタル利用にすることで、負担の圧迫を抑えることができるでしょう。