ビジネス用途で使われるコピー機では、一般的なインクジェットプリンターではなく、トナーを使う「レーザープリンター」方式の機種を使う場合が多くなります。
このレーザープリンターは、用紙にレーザーを使ってトナーを定着することで印刷するため、トナーはインクジェットプリンターのインクと同じように、印刷するたびに減っていく消耗品となります。
さらにこのトナーは、交換する際のコストが非常に高く、リースにした場合でも結局はカウンター料金として毎月高額なコストを支払わなければなりません。
しかしその一方で、純正品でないトナーを使えば、トナー費用がグンと圧縮可能となります。
ではこの純正以外のトナーには、どのような種類があるのでしょうか。さらにその非純正トナーの中でオススメのものは何か、それを使うメリットデメリットは何かについても紹介していきます。
プリンターやコピー機のトナーには純正品と互換品がある
コピー機やプリンターのトナーには、純正と純正以外のものがあります。
普段何気なくトナーを注文しているかも知れませんが、多くの方は純正のトナーを使用しているのではないでしょうか。
純正というのは、使っているコピー機やプリンターのメーカーが提供しているトナーで、メーカー製ならではの品質がそのメリットとなっています。
当然ですが、その分コストも高めになっています。
一方の純正以外のトナーというのは、本体のメーカー以外の「サードパーティー」と呼ばれるブランドから提供されているトナーです。
この非純正トナーのメリットとしては、高価な純正トナーと比較してリーズナブルな価格設定になっていることにあります。
純正品以外のトナーの種類
この非純正トナーには、いくつかの種類があります。
それぞれ製造方法や当然ですがトナー自体が純正と異なる場合や、トナーの容器であるカートリッジが違うものなどがあり、それぞれどんな特徴を持っているのかを理解しておけば、選択の基準になるかも知れません。
汎用トナー
一つは「汎用トナー」と呼ばれるトナーです。
これは純正トナーを製造している工場で作られていますが、メーカーを通さずに販売されているものです。
メーカーの名前は入っていませんが、その分価格が安く、品質は純正に準じたものとなります。
ただし純正のような保証はつかず、さらにこの汎用トナーが用意されている機種が少ないため、対応したトナーを見つけられないかも知れません。
リサイクルトナー
その他にリサイクルトナーと呼ばれるものがあり、これは純正トナーの容器であるカートリッジの中古品を使用し、中身のトナーを詰め替えたものとなります。
このリサイクルトナーは、別名再生トナーとも呼ばれています。
カートリッジが純正ですから取り付けの問題はありませんが、中古部品となるため、経年劣化しているリスクが若干あります。
トナー自体は非純正となりますので、ブランドによって若干品質のばらつきがあるかも知れません。
互換品トナー
互換品トナーは、カートリッジもトナー自体も純正とは異なるものとなります。
そのため価格的にはこの中でも、最もリーズナブルなに抑えることができるトナーとなっています。
互換品トナーを使うメリットとは
では今回ご紹介しているこの互換品トナーについて、もう少し詳しく紹介していきましょう。
最も価格的に安く抑えることができるこの互換品トナーは、トナー自体も容器となるカートリッジも非純正品となっています。
しかしほとんどの互換品トナーは純正と同等の品質をクリアしているため、非純正だから品質が悪いとは一概に言い切れません。
カートリッジも互換品といえども中古便ではありませんので、故障するリスクも高くはありません。
ただしひと言で互換品トナーといってもそのブランドの種類はさまざまで、一部の互換品トナーは粗悪品レベルのものもあり、特に一般的な互換品トナーの相場と威嚇して格安製品の場合は、購入時に口コミなどの情報をしっかりチェックしておくべきかも知れません。
互換品トナーの種類は二つある
プリンターやコピー機のトナーには、大きく分けて二つの種類があります。
それは「粉砕トナー」「乳化重合トナー」です。
粉砕トナーはプラスチック樹脂のかたまりを冷却してかため、それを強くぶつけることで砕くという工程を繰り返し、細かな粉にすることによってカラーパウダーができあがります。
こちらの方法は比較的古くから使われていて、今ではある意味「枯れた技術」で作られるトナーとなっています。
ただしその分これまでのノウハウが蓄積されていますから、いろいろな応用ができて汎用性の高いトナーの原料と言うことができます。
もう一つの乳化重合トナーとは、トナーの原料となる樹脂や着色剤、重合剤、ワックス、ポリマーなどを溶剤に入れて溶かし、加熱して攪拌し、水分などを蒸発させて残ったものをトナーとして使うというものです。
乳化重合トナーはこのように複雑なプロセスによって生産されていて、その結果トナーの粒子が均一になりやすく、その分品質が高いトナーとなります。
こう見ると粉砕トナーよりも乳化重合トナーの方が優れていると思われるかも知れませんが、それぞれに特徴があり一概にどちらが良いと言い切ることはできません。
プリンターメーカーが製造する純正品トナーの多くは、後者の乳化重合トナーとなっているため、純正と同等の印刷アウトプットを狙うのであれば、互換品トナーもこの乳化重合トナーの方が良いと言うこともできます。
ただし先ほど説明したとおり粉砕トナーはさまざまな応用が利く汎用性がありますので、工夫することでよりコストダウンしながら乳化重合トナーと同等のアウトプットが可能となる場合もあるのです。
そのため互換インクをトナーの種類で選ぶというのも一つの方法と言えますが、実際に使用した場合底まで大きな差がないことがほとんどのため、そこまでトナーの種類についてこだわる必要がないとも言えます。
互換品トナーの製造プロセスは?
もう一つ知っておきたいのが、互換品トナーがどのように製造されているのかと言うことです。
カートリッジから製造しなければならない互換品トナーですから、製造工場に関しても一定のレベルが求められます。
その基準となるのが
- 環境マネジメントシステムISO14001
- 品質マネジメントシステムISO9001
- STMC 世界最高品質基準
などの認証の取得です。
このような認証工場で生産されている互換トナーであれば、一定の品質が保証されていると考えても良いはずです。
互換品トナーを使うデメリットは?
もし互換品トナーの品質や製造工程が、純正トナーと大差ないのであれば、互換品トナーを使うデメリットは全くないと思われるかも知れません。
しかし実は互換品トナーを使用する際に、どうしても避けられないデメリットがひとつあるのです。
それは、プリンター本体の「保証」の問題です。
ほとんどのプリンターメーカーでは、本体が保証期間内に故障した場合、無償で保証が受けられるようになっています。
しかしこの際にもし互換品トナーを使用している場合、純正品を使っていなかったという理由で、保証が受けられない可能性があるのです。
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コストと品質のバランスを考える
コピー機やプリンターのトナーは、非常に効果ですが品質が保証されている純正トナーを使うか、コストカットのために非純正を使うかのどちらかの選択となります。
一番避けたいのは、極端なコストカットのために相場より低すぎる価格帯の激安品を使うことです。
粗悪品トナーを使ってしまうと、印刷品質が落ちるどころか、カートリッジやトナーの問題で、本体を破損してしまうリスクもあります。
最終的には、コストと品質のバランスが取れたトナーを利用するのが最適解であると言うことができるはずです。