リース中の複合機が故障したときの対処法は?お金は?

デジタル複合機は、とても精密な機械です。
高性能なデジタルパーツが満載の上に、物理的に動くパーツと融合して機能を果たすのですから、考えている以上に緻密なバランスで成り立っています。

設置してある会社によって、使い方は大きく異なるとは思いますが、多くの会社ではコンスタントに毎日使われています。それでいて、この精密機械の中身を熟知した使用者は皆無で、精密機械にとっては酷である多数の人間が色々な使い方をします。

現実を考えれば、メンテナンスフリーで何年も稼働する事は不可能です。実際に大型複合機コピー機が故障した場合、大きさと重さがあり簡単に持ち込み修理は出来ません。動かないままでは業務に支障も出ますよね。

リース中の複合機が故障した場合、どうすればいいのか?対処法を解説いたします。

目次

リース機が自然に故障した場合、災害による故障の場合

絶妙なバランスの上に成り立っている精密機械であるプリンターは、利用している中で必ず不具合が発生することが避けられません。

リース契約をして導入している大型複合機コピー機で、故障に見舞われた場合を考えて見ましょう。

自然に故障した場合

ユーザーの過失が無くても、大型複合機コピー機は利用する中で不具合は発生します。

故障した複合コピー機が購入したものであれば、所有者が対処する以外にありません。
しかし、リース契約をしている複合コピー機の多くは、何らかの保守契約を結んでいるケースが多くなっています。

保守契約無し

リース契約だけを結んで、消耗品の手配やメンテナンス含めて保守契約を一切結ばない手段もあります。

しかし、高度な機器である大型複合機コピー機は、トラブルが発生した場合には素人が到底手に負えるものではなく、部品も簡単に手に入るものでは無いため、結果的に高額な修理費と部品代を支払う事になり、この手段はオススメ出来ません。
大型複合機コピー機のリース契約導入で、保守契約を全く結ばないケースは極めて希です。

保守契約を結ばない場合は、故障時の費用負担シスクを全面的に負う必要が有ります。

故障修理が必要になった場合、スポット方式と呼ばれるその都度ごとに、必要な修理代・出張経費・部品代などを支払います。

キット方式保守契約

印刷枚数が極めて少ない場合には、キット方式と呼ばれる保守契約があります。

契約内容は個別に異なりますが、簡単に説明すれば、消耗品のトナー等を決められている割高な単価で購入する事で、トラブル発生時に保守の面倒をみてもらえるという保守契約になります。

このキット保守契約でメリットが有るのは、殆ど印刷を行わない場合で、具体的には月に100枚以下が目安になりますが、機種本体の価格が安価に設定されている事も重要な判断基準になってきます。

そのため、キット保守契約での1枚あたりの印刷単価は、カウンター料金保守サービス契約と比較しても大幅に高いことが多く、ハッキリとした数字は公表されていませんが、概ねリース契約の1割に満たないと考えられています。

年間保守契約

修理代が発生した場合に高額になる、専門的な機器類では、メーカー保証の期間の終了後に、別途年間の保守契約を行っているケースが数多くあります。

その金額は決して安いものではなく、トラブルが発生した場合に、支払う費用と比較すれば安い程度の料金に設定されています。
ある種の、保険というポジションに近いものだと言えます。

故障が発生すれば、別途支払いすること無く修理が受けられます。

常に消耗品が必要になる大型複合機コピー機では、保守料金だけ別途に支払う保証契約はメリットが少なく、リース契約時でも設定が無い事も多く、積極的に加入する理由はありません。

カウンター料金保守サービス契約

リース契約時には最も多い保守契約で、消耗品の手配から日々のメンテナンス・故障時の対応まで全て、外部に丸投げする事が可能で、手間も別途の費用も掛かりません。

カウンター料金保守サービス契約は、あらかじめ決められた単価で、印刷枚数ごとに毎月カウンター料金として支払う保守契約です。

カラーなら1枚何円・モノクロなら1枚何円という約束事ですから、トナー代と勘違いされる事もありますが、トナー代以外にも保守メンテナンスや、それに伴う部品代や出張代も含まれていることが殆どです。

故意に故障させたのでなく、日常の使い方で故障した場合の大半は、この保守メンテナンスの契約範疇で無料修理することができます。

リース契約の保守契約については、「コピー機のリースに必要な保守契約にはどんな種類がある?」も併せてご覧下さい。

災害による故障の場合

使っている人に落ち度が無くても、自然災害や第三者による破壊・故障の場合は
この保守契約が適用されません。たとえば、台風の被害を受けた・事務所荒らしに盗難にあった等が考えられます。

リース契約中に完全に利用出来ない状態になっても、リース契約を途中で解約する事は基本的に出来ません。
利用による自然故障の場合は、カウンター料金保守サービス契約でカバーが効きますが、災害等で利用出来なくなった場合でも、単純にリース契約だけが継続して契約者に一方的な不利益が生じないために、リース会社は動産保険を掛けている事が一般的です。

リース会社は複合機コピー機を契約者の代わりに購入して、金利・経費等を上乗せした金額を分割請求する金融業です。この経費の中に動産総合保険料金が、多くの場合含まれています。

動産総合保険とは、偶発的な事故・天災などの発生時に補償をしてくれる保険です。
つまり、複合コピー機の所有者であるリース会社が、機器に対してかけている保険というわけです。リース会社にとって代金回収が出来なくなる事が一番困りますから、リスクに対応する必要があるからです。

動産総合保険の適用範囲と注意する事

大前提として、補償期間はリース契約期間中に限られます。

どんな時に適用されるのか見ていきましょう。
災害、火災、風災、ガス爆発、雪災、落雷、雹災、盗難、いたずら、破壊、落下、水漏れ、追突などがあります。

総合と名前が付いていることもあり、幅広い内容になっています。
上記にある以外にも、置いてある建物が崩壊したとか、飛行機が突っ込んできた・労働争議が起こって破壊された等、めったに起きない事態にも対応しています。
通常の操作の中で起こった誤操作による故障も含まれます。

多岐に渡る補償範囲は、契約内容・契約会社により異なります。
水害や電気系の偶発事故(ショートなど)に対応している場合もあります。

注意が必要なのは、実際の問題発生時に適用範囲を判断するのは、リース会社や納入業者ではなく、保険会社だと言うことです。
問題が起こる例として、災害自体は補償の範疇内なのに原因が補償範疇外の場合が考えられます。リース会社が納得しても、保険会社が最終的に認定しなければ支払いはされません。

適用されない場合を見ていきましょう。
地震 噴火 津波 原子力による損害 故意や重大な過失
自然の消耗 加工 変質や腐食 戦争暴動等の事変 公権力差し押さえ
獣害・虫害 詐欺・横領
などがあります。
災害は全部補償されるのかと考えがちですが、地震や噴火・津波の被害などの広範囲に同時多数発生する場合は、対象外になっています。
これ以外にも、汚れや傷などの外形上の損害も対象外になっている他、コンピュータウィルスによる損害なども対象外になっている事が多いです。

再度言いますが、補償の内容は契約内容ごとに異なります。
気になる方は、これを機会に一度リース会社に自社の補償内容を問い合わせてみては如何でしょう。

再リースの場合も、注意が必要です。
再リースは、リース契約期間が終了した(リース金額を全額支払い終わった)場合に、機器に大きな不具合が無く、継続して利用したい場合に行うもので、多くの場合はリース契約時の1ヶ月分のリース料を年間分の再リース料として支払います。

再リースの場合も、多くの場合はリース会社が動産保険を掛けるケースが多いですが、リース会社によって対応が異なっている事もあるため、再リース契約前に確認しておく事が重要です。

故障したときのお金はどうなるの?

リース契約をしている複合機コピー機は、5年から6年の長期に渡り、原則解約する事は出来ません。
そのため、契約期間中のリスクを極力軽減する仕組みがとられています。多くの企業で複合機を購入で無くリースにする理由は、ここにあります。

リース契約中の複合機やプリンターが故障したら解約できるのか」も、併せてご覧下さい。

普通に使っている中で起きた故障では、カウンター料金保守サービス契約している限り、費用は通常掛かりません。
ただし、リース期間中に完全に使用不可能になってしまった場合、契約を解除すれば残債の一括返済を求められます。この場合は乗換え(新しい機種でリース契約をする)を行うことも多いですが、もう一度使い方を見直してリース以外の方法論を検討するのもアリです。

リース契約の初期費用が掛からず、利用するだけの形態のいいとこ取りで、「プリント革命」のレンタルプリンターサービスを導入する企業が増えています。
別途カウンター料金も支払う必要が無く、印刷経費を大幅に削減出来ます。

プリンターレンタルサービス「プリント革命」のメリット」も、是非ご覧下さい。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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