インクカートリッジ交換の際、プリンターが新しいカートリッジを認識しないことがあります。
これにはいくつかの原因が考えられますが、原因別の対処法について、ご紹介いたします。
プリンターがインクカートリッジを認識しない原因
まずは、プリンターがインクカートリッジを認識しない際のポピュラーなケースを確認しましょう。
ICチップの接触不良
インクカートリッジにはICチップが内蔵されており、これを読み込むことで正常なカートリッジの使用ができるよう設計されています。
正しい手順でカートリッジを差し込んでも、ICチップがうまく認識されないことはあり得ます。比較的軽度なトラブルなので、焦る必要はありません。
プリンターの読み込み不良
ICチップが読み込めないのは、カートリッジの挿入方法だけに原因があるとは限りません。場合によってプリンターに何らかのエラーが発生し、正しくカートリッジを読み込めなくなっている場合があります。
こちらもそこまで大きな問題ではないので、適切に対処することで認識してもらうことができます。
インクの型番がプリンターに不適合
インクカートリッジは、必ずメーカーが認めた型番のインクである必要があります。メーカー指定外のカートリッジを使用した場合、適切に読み込んでくれない場合があります。
記載されている推奨カートリッジを確認し、適切な型番かどうかをチェックしましょう。
ICチップの初期不良
滅多に起こることではありませんが、ICチップの初期不良でカートリッジが正常に動作せず、認識できていない可能性もあります。
同じ型番のカートリッジを用意し、そちらが正常に読み込めるかどうかを見てみましょう。読み込める場合には、インクのICチップに問題がある可能性があります。
室内の温度環境
プリンターは、人間が快適に過ごすことの出来る環境で、正しく動作するように設計されています。極端に乾燥しているところや、湿気の多いところ・高温になる真夏の窓際や真冬の廊下などでは、プリントヘッドが乾燥したり、センサーが正常に働かなくなったりする事で、インクカートリッジが正しく認識されない事態になることがあります。
空気穴の露出
インクカートリッジには、空気を取り込む空気孔が付いています。
この空気孔が塞がっている場合には、正常にインクカートリッジが認識されないことがあります。
インクカートリッジのフロート
機種に依って異なりますが、インクカートリッジ内にインク残量を検知するフロートがあるタイプが有ります。
フロートがインクの残量に併せて動く事で、インク切れや消費状態の情報をもたらしてくれますが、これが正常に動かない事で、インクカートリッジが正しく認識されないケースが有ります。
インク内に気泡が入っている
インクカートリッジの保管状態や変化によって、インク内部に気泡が入ってしまう事があります。
この場合も、インクカートリッジが正しく認識されないケースが有ります。
原因別。インクカートリッジを認識しない際の対処法
カートリッジを認識しない場合には、いくつかの対処法を実践してみることが重要です。
まずはカートリッジの再セットで様子見
ICチップの接触不良やプリンターの不都合でカートリッジが認識できなかった場合は、カートリッジを一度取り外し、再度取り付けることで解決することがあります。
インクを認識しないトラブルは大抵これで治るので、試しておきましょう。
プリンターの再起動
それでもカートリッジを認識しない場合には、プリンターのシステムに問題が発生している可能性があります。プリンターの電源をオフにして再起動し、カートリッジの挿入を行いましょう。
プリンターのクリーニング
カートリッジの再セットやプリンターの再起動で治らない場合は、ICチップを認識する部分が汚れている可能性があります。
特に年季の入ったプリンターの場合、ホコリや汚れ、サビなどが付着している可能性が高いです。清掃を丁寧に行いましょう。
室内環境を整える・変える
メーカーによって、プリンターが適切に作動する室温と湿度の考え方は異なりますが、人間が快適に過ごせるなら大丈夫です。
概ねの目安としては、室温が15℃から25℃程度・湿度が40%から60%が最適です。
インクカートリッジの認識だけで無く、プリンターの性能をフルに発揮させるためには環境は大切ですし、極端な場所では他の動作不良や故障など、重大なトラブルに発展する可能性が有ります。
シールが完全に剥がれているかを確認
インクカートリッジは何色にも分かれているタイプが増えています。
同じ事を何度も繰り返す事が必然的に強いられるため、急いでいる場合などは、インクカートリッジに付いているシールが、中途半端に破れて残っている場合が有ります。
破れているシールが空気孔に付着したままなら、完全に取り除いて下さい。
空気孔の部分に余分な糊成分が付着して、塞いでいるケースもありますので、確認してください。
空気孔だけでなく、余分なシールで塞がっている部分が有れば、インクカートリッジは正常に認識されません。改めて見直して見て下さい。
フロートが有るタイプなら、軽く振る
寒い場所に保管されていたインクカートリッジでは、インクが規定値以上に固まって、フロートが正常に動かなくなっている事が有ります。
その場合は、ゆっくりと前述の人間が暮らしやすい温度になるまで、暖めて下さい。
何かの拍子に、フロートの動きが悪くなっているケースも有りますので、インクカートリッジを軽く(あくまで軽くです)上下に振ってみて下さい。
インクカートリッジに表記してある、有効期限も確認して下さい。
有効期限を大きく越えたインクカートリッジの場合は、フロートの問題だけでなく、インクカートリッジが正常に認識されない事が有ります。
インク内の気泡対策
インク内部の気泡は、インク出口を下方向にして放置し、抜けるのを待ちます。
時間が経過しても気泡が残っている場合は、軽く(あくまで軽くです)振ってみることで抜ける事が多いです。
小売店やメーカーに連絡してカートリッジを交換
それでも治らない場合には、カートリッジ本体に問題がある可能性が出てきます。他のカートリッジは認識するのに、特定のだけしないという場合は、カートリッジを交換してもらうと良いでしょう。
純正品以外のインクカートリッジを使用している場合
インクジェットプリンターのビジネスモデルは、プリンター本体は安く販売して、消耗品のインクで末永く回収するスタイルになっています。
そのため、純正インクは非常に高価です。
特に安価に販売している機種ではその傾向が顕著で、数回のインク補充で本体代を簡単に超えてしまうことは珍しくありません。
インクカートリッジには純正品の他に、サードパーティーから販売されている互換・再生インクがあります。
純正品以外のインクカートリッジでは、認識しない場合に純正品とは異なる対応が必要になるケースが有ります。
互換・再生インクカートリッジが認識しない場合は、購入販売店に対応を願い出て、指示に従って下さい。
単純に価格だけに囚われないで、しっかりと保証があり、問題が有って使用出来ない場合は交換に応じて貰える販売店での購入が、結局は安い買い物になります。
インクを補充するタイプでは、リセッターという別の機器が必要になったり、プリンターの残量検知無効操作を設定したりする必要が有ります。
認識しない不具合があれば、こちらも購入販売店にご相談下さい。
それでも治らない時は
これらの手続きを行なっても治らない場合、プリンターの修理や買い替えを検討しましょう。
サポートセンターに問い合わせ
プリンターの修理を依頼する場合、サポートセンターに問い合わせましょう。
保証期間内であれば問題なく対応してもらえますが、すでにサポートを終了している場合、適切な修理を受けられない可能性もあります。型番を控え、問い合わせを行いましょう。
プリンターの買い替え・レンタルを検討する
修理費用が意外にも高額だった、修理できないトラブルに見舞われたという場合、プリンターの買い替えやレンタルを検討しましょう。
プリンターは比較的安価に購入しやすく、家電量販店やオンラインショップですぐに購入できる製品です。
「プリント革命」のレンタルプリンターサービスなら、頭痛の種だったインクコストを気にせずに、安価な月額定額で大量のカラー印刷が可能になります。
おわりに
カートリッジの不具合は、プリンター機能に大きな影響を与えるアクシデントです。頻発する場合には今のプリンターの運用を見直し、買い替えやレンタルの導入も検討しましょう。