一般的に利用されているプリンターの多くは、「インクジェットプリンター」と「レーザープリンター」に集約されます。
汎用性が高く、多くのニーズに柔軟に対応出来るプリンターとして、家庭からオフィスまで幅広く利用されています。
しかし用途を絞って、目的に特化したプリンターも存在しています。
代表的な目的特化のプリンターとして、モバイルプリンターがあります。
プリンターは設置した場所で利用する概念を覆し、用途は限られますが持ち出せるプリンターの利便性は、多くの利用者を生み出しています。
モバイルプリンターについては、以下も併せて是非ご覧下さい。
もう一つの目的特化プリンターとして、「フォトプリンター」があります。
フォトプリンターは文字通り、写真印刷に特化したプリンターです。
フォトプリンターとは何か?他のプリンターとの違いを比較して解説します。
フォトプリンターとは?
従来のフィルムを使った写真は、一部の愛好家の間では残っていますが、数多く街に存在していたDPEの写真屋さんの多くは姿を消して、スマートフォンを中心としたデジタルカメラが中心になっています。
スマホ撮影やデジカメを使った撮影は、撮ってすぐに見られるだけでなく、データとして保存が出来る為、使い勝手がフィルム撮影より格段に優れています。
フォトプリンターは写真印刷に特化したプリンター
写真データを見るモニターのサイズによって見え方が変わり、大型テレビやモニターでの大迫力の閲覧や、スマホによるお気軽何処でも閲覧も楽しいのですが、お気に入りの1枚は、写真印刷する事でいつでも見られる状態にして、ボードに貼り付けたり、アルバムに貼ったりするのも楽しいですよね。
写真屋さんにお願いする様なクオリティで、写真プリントを自分で気軽に楽しめるのがフォトプリンターです。
フォトプリンターは持ち出せる小型タイプも有る
友人と楽しんでいる写真は、スマホ撮影ならその場でデータをデータに送る事も可能ですが、印刷した写真をその場で渡す事が出来る、小型でバッテリー駆動が可能なフォトプリンターもあります。
印刷した写真を見ながら、その場でワイワイ盛り上がるのは、モニター越しに見る写真とは違った楽しみを提供してくれます。
結婚式の披露宴やパーティでフォトプリンターを使って、その場で印刷した写真があれば、連絡先を知らない参加者とも気軽に楽しさが共有できて、これはデジタルだけでは実現しないメリットです。
最後は主役に印刷した写真を差し上げれば、喜んで頂けるのは間違いありません。
据え置きタイプと小型タイプの違い
従来のプリンターのように、コンセントに差し込んで利用する、据え置きタイプのフォトプリンターと、持ち出し可能な小型モバイルタイプのフォトプリンターでは、それぞれメリットとデメリットが有ります。
据え置きタイプのメリット・デメリット
据え置きタイプのフォトプリンターは、モバイルタイプに比べて、利用出来る用紙サイズが多様に用意されている事が多く、1枚あたりの印刷コストが安い事がメリットです。
デメリットとしては、モバイルタイプに比べて筐体サイズが大きくなり、持ち出しが出来合い事です。
一般的に購入するフォトプリンターとしては、用途の自由さや印刷クオリティ、使いやすさを考えても、据え置きタイプをおすすめします。
モバイルタイプのメリット・デメリット
モバイルタイプのフォトプリンターは、バッテリー駆動と小型の筐体であるため、持ち運びが可能で、撮ったその場で写真印刷の出来る事が最大のメリットです。
デメリットとしては、バッテリーの充電が切れたら利用出来なくなる事と、用紙サイズに制約が有り、一度に収納できる用紙枚数も限られる事です。
通常利用のフォトプリンターとしては、据え置きタイプに及ばない部分が数多くありますが、持ち出して利用する前提ならモバイルタイプ一択です。
フォトプリンターの特徴と制約
フォトプリンターでは、通常のプリンターで多く利用される、一般的なコピー用紙の使用が出来無い機種が大半です。
専用の用紙を使う事が多く、印刷出来るサイズも写真サイズからハガキサイズまでの制約があるタイプが多くなっていて、A4やB4などの大きなサイズの印刷は出来ません。
記録媒体から直接印刷出来るタイプも有りますが、多くのフォトプリンターでは撮影したデジタルカメラやスマートフォンから、Wi-FiやBluetoothを使ってワイヤレス接続を行い、送られたきたデータを印刷します。
フォトプリンターについての詳細は、以下も併せて是非ご覧下さい。
購入前に調べよう、フォトプリンターの印刷方式
一口にフォトプリンターと言っても、印刷方式によって印刷される仕組みは全く異なっています。
それぞれメリット・デメリットがあり、利用目的や好みによって、購入前にはフォトプリンターの印刷形式を確かめる必要があります。
- 昇華型熱転写式
- ZINK方式
- インクジェット方式
1.高画質の印刷ができる昇華型熱転写式
昇華型熱転写式は近年主流の印刷方式です。
熱を利用して用紙に染料を転写する方式で、なめらかできめ細かいキレイな写真が印刷できるため、高画質で印刷したい人におすすめです。
写真屋さん画質の詳細な描写が気軽に利用できる反面、ランニングコストは他方式に比べて高くなります。
昇華型熱転写式の代表的な機種
プリンターメーカーとしてだけでなく、世界的な光学メーカーであるキャノンが一歩抜きん出ています。
キャノンの昇華型熱転写式フォトプリンターは、「SELPHY」シリーズで、据え置き型とモバイル型の両方のタイプが発売されています。
据え置きタイプの代表的な機種
据え置きタイプの代表的な機種としては、「SELPHY CP1500」があります。
ダイレクトWi-Fiプリントでワイヤレスにデータが取り込めるのはもちろんのこと、メモリーカードやUSBなどの接続方法にも対応しています。
別売りのバッテリーパックを使えば、モバイルフォトプリンターとして外に持ち出す事も可能です。
概ね15,000円から18,000円程度で販売されています。
モバイルタイプの代表的な機種
モバイルタイプの代表的な機種としては、「SELPHY SQUARE QX10」があります。
重さ約445gで約143.3(縦)×102.2(横)×31.0(高さ)mmのサイズで、スマホを一回り大きくしたサイズ感のモバイルフォトプリンターで、気軽に持ち運びが可能です。
充電式リチウムイオン電池を内蔵していて、約20枚の印刷が可能になっています。
概ね17,000円から19,000円程度で販売されています。
2. コストが抑えられるZINK方式
ZINK方式は「Zero Ink」を省略した呼び方で、感熱式と呼ばれる事もあります。
インクが染みこんでいる専用用紙を使い、熱処理を行って表現します。
カラー印刷だけでなく、モノクロでも幅広く利用されています。
フォトプリンターの印刷方式の中では、最も小型軽量コンパクトの筐体サイズを実現できるため、持ち運ぶモバイルタイプが主流です。
ランニングコストも、熱転写式フォトプリンターよりも安くなる傾向にあります。
ただし、印刷出力についての美しさや繊細さなどの表現力では、最も劣る印刷方式だと言えます。
ZINK方式の代表的な機種
こちらも、世界的な光学メーカーであるキャノンが一歩抜きん出ています。
キャノンのZINK方式フォトプリンターは、「iNSPiC」シリーズで、据え置き型とモバイルタイプが発売されています。
モバイルタイプの代表的な機種
据え置きタイプの代表的な機種としては、「iNSPiC PV-223」があります。
重さは177gしかなく、筐体サイズも120mm(縦)×84mm(横)×21.5mm(高さ)に収まっているため、手のひらサイズの持ち運び易さは抜群です。
充電式リチウムイオン電池を内蔵していて、約20枚の印刷が可能になっています。
概ね14,000円から18,000円程度で販売されています。
3.高画質だがサイズが大きいインクジェット方式
広く利用されている、家庭用のプリンターの印刷方式であるインクジェット方式をそのままに、バッテリー駆動が可能な持ち運べるタイプにしたプリンターです。
利用できる用紙が限定されずに幅広くなり、専用用紙を使う必要も無いため、ランニングコストは安くなります。
しかし、筐体サイズは大きくなります。
インクジェット方式の代表的な機種
売れ筋になっているのは、キャノンとエプソンの2大プリンターメーカーです。
モバイルタイプの代表的な機種
エプソンの「PX-S06」は、フォトプリンターというよりも持ち運べるインクジェットプリンターとしての割り切りがあり、ビジネスインクジェットプリンターを名乗る、写真印刷よりも文字を鮮明に印刷できる顔料インクを使っています。
概ね25,000円程度で販売されています。
キャノンの「TR153」も基本的には同様のコンセプトで、仕事で利用するのが基本です。
フォトプリンターとしてインクジェットプリンターを利用するなら、通常の染料インクを使うインクジェットプリンターの方が、多くのメリットがあります。
写真は普通のプリンターよりフォトプリンターで印刷する方がいい?
フォトプリンターで写真印刷をする場合、メーカーや印刷方式によってかなりの差が有り、印刷コストも変わって来ます。
インクジェットプリンターで染料インクを使うタイプや、6色インクを搭載したタイプで、専用の写真用紙を使って写真印刷を行う方が、メーカーにもよりますが(キャノン・エプソンがオススメです)ハイクオリティな写真印刷が出来ます。
フォトプリンターの楽しみ方は、プリンター本体が数千円から高額なものでも1万円台で購入出来る価格なので、写真印刷専用機として気軽に利用する事にあります。
持ち出してその場で印刷出来る利便性は、フォトプリンターならではの物ですし、仕事上で写真印刷が頻繁に必要になるオフィスや現場では、通常のプリンターの用紙入れ替えや設定を行う事無く、別途フォトプリンターを写真印刷専用プリンターとして導入する方が、業務効率も上がります。