シャープのコピー機、複合機の特徴

シャープのコピー機・複合機は、よくコンビニで見かけます。
不特定多数の人が扱う事で、決して環境が良いとは言えない設置場所にあることに加えて、誰にでも扱いやすい操作性が求められる過酷なニーズの中で、信頼を勝ち得ています。

目次

シャープという会社

シャープは大阪のイメージが強いですが、1912年に東京で創業しています。
その後、社名にも繋がるシャープペンシルを発売して大ヒットしますが、関東大震災を機に大阪へ移転しています。家電メーカーとして確固たるポジションを確立し、2016年に台湾の鴻海精密工業の傘下に入っています。

複写機メーカーとしてのシャープの歴史は古く、日本の複写機の歴史と言っても過言ではありません。来年(2022年)には、複写機事業は50周年を迎えます。

1972年(昭和47年)に複写機1号機SF-201が出荷されたのを皮切りに、1978年には感光紙を用いる湿式複合機が主流の中で、普通紙複写機 SF-740 を発表しています。これは「ついに葉書にもコピー」のキャッチフレーズで、ベストセラーになっています。
1981年には、軽量小型機SF750を発売して、全米複写機販売台数シェアトップになっています。1995年には、デジタル複合機AR-5030F/FRを発売しています。
2001年には、米国認証機関から複写機・プリンタ業界では世界で初めて“CommonCriteria EAL2”の認証(セキュリティ認証)を取得して、2004年には業界唯一のCommonCriteria EAL4の認証も取得し、セキュリティ分野ではシャープの技術が世界標準になっています。

シャープのコピー機の特徴

価格

王者の富士ゼロックス・キャノン・リコーに対抗する手段として、本体価格を安価に設定しています。価格が安い事で定評のある京セラと比較しても遜色ない安さであり、業界最安クラスのメーカーです。
長年家電メーカーとして激しい競争に晒されてきたノウハウが、ハイコストパフォーマンスを実現しています。

扱いやすさ

日本国内のコンビニで半数以上のシェアを優に占める事は、シャープのコピー機・複合機が扱いやすい事の証左です。普段使わないので操作に不慣れな方や、高齢者でも使える扱いやすさは、毎日使うビジネス用のコピー機・複写機においても大きなメリットです。

特に新しいモデルではパネル配置がスッキリして、一層操作性に磨きが掛かっています。
評判の高いスマートフォン「AQUOS」を製造販売しているシャープだからこそ、大型液晶パネル含めて、そのノウハウが反映されていると考えられます。

セキュリティ

前述の様に、シャープの開発したセキュリティ技術は評価が高く、不正コピー防止策の他、万が一の情報漏洩時には追跡まで出来る仕様になっている機種があります。

耐久性

コンビニで多く設置されるシャープのコピー機・複合機は、耐久性も良好です。
オフィスと比較すると、寒暖差が激しく湿度の変化も多い、コンビニの入り口付近に設置されていながら、長年に渡って問題無く稼働しているということです。
不特定多数の人が、様々な使い方をする事に対応している事も含めて、壊れにくい・耐久性がある事は疑いの余地がありません。

待機時間が短い

待機時間は、電源を入れてからの時間「ウォームアップ」と、スタートボタンを押してから紙が出てくるまでの「ファーストコピータイム」の合算です。
同レベルの他社機種と比較すると、おおよそ半分以下の圧倒的な速さを誇ります。
これを実現出来たのは、紙にトナーを定着時に温度を下げても安定する、独自開発したMycrosトナーCAPという技術によるものです。この技術は消費電力の低減にも大きな効果をもたらしています。
20年以上前からシャープは取り組んできましたから、これもコンビニで鍛えられた性能かもしれません。

外観

スッキリとした、文字通りシャープなデザインは、コンパクトでクリーンなイメージが全ての機種で共通しています。
ユーザーからの評判が良いだけでなく、2016年と2019年にはグッドデザイン賞を受賞しています。

日本よりもアメリカで評価が高く、シェアも高い(2位)シャープのコピー機・複合機です。
コストが安く、待たせないスピードとコンパクトさが、多くのユーザーに評価されています。

シャープの劣る点

色の再現性・画質

一般的なビジネス文書に使用する分には、何の問題もありません。
ただ、色に拘る仕事では、役不足で敬遠される事もあります。
色の再現性・繊細な描写クオリティーは、キャノン・富士ゼロックスと比較すると、届いていない部分があります。

保守の拠点数が少ない

メーカーの考え方として、自社メンテナンスを重視していません。メンテナンス業務は、代理店に多くを依存しています。大都市では問題ありませんが、メンテナンス拠点が存在しない県もあり、トラブル時の対応(部品の調達時間など)にトップメーカーと比較すれば弱いという現状があります。

カウンター料金

他社に比べて、決して高いということではありません。
本体価格は安いのに、カウンター料金は京セラほど安くならずに、一般的な料金である事が多いということです。

 

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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