調剤薬局で必要な印刷コストは?プリンタの費用をしっかり把握しておこう!

調剤薬局はその特性上、消費者に対する薬の価格を自由に設定することが難しいため、利益を確保するためには経費の節減が不可欠です。

こうした状況において、コスト削減の一環として印刷コストの低減が有効な手段となるはずです。

調剤薬局では、処方箋、薬袋、薬剤情報シート、患者説明用資料など多くの書類を日々印刷するため、これらの印刷コストは無視できない経費となっています。

今回はそんな調剤薬局のコスト削減のために、プリンターの費用をいかに効率化していけば良いかについて紹介していきます。

目次

印刷する物の種類と量の特定

まず、調剤薬局でどのような書類がどれくらい印刷されるかを把握しておきましょう。

一般的に調剤薬局では次のような印刷物をプリントする必要があります。

書類の種類と量

処方箋:医師からの処方情報を患者に提供するために印刷する。

薬袋:薬を入れる袋に患者情報や薬情報を印刷する。

薬情(薬剤情報)シート:患者に薬の情報を提供するための詳細な説明書。

患者説明用資料:薬の使用方法や副作用などを説明するための資料。

印刷する書類の種類の他、それぞれ何枚程度の印刷が必要かも把握しておきましょう。

一般的な数字としては次の通りとなります。

処方箋:1ページ

薬袋:1ページ

薬情シート:2ページ

患者説明用資料:1ページ

つまり、合計で1回の処方につき5ページの印刷が必要です。

各項目のコストの詳細

続いて各項目ごとに必要なコストを、詳しく分類してみます。

ここで示す数値はあくまで平均的なものとなりますので、実際の数値とは若干異なる場合もありますが、おおよその目安として把握しておいてください。

用紙コスト

  • 用紙の種類:一般的なA4用紙を使用。
  • 用紙1枚のコスト:0.5円

インク/トナーコスト

  • インク/トナーの種類:カラーレーザープリンター用。
  • 1ページ当たりのインク/トナーコスト:2円

プリンターの保守・修理費用

  • 年間保守契約費用:60,000円
  • 月間の保守・修理費用:60,000円 ÷ 12 = 5,000円

プリンターの減価償却費

  • プリンターの購入価格:200,000円
  • 耐用年数:5年
  • 月間の減価償却費:200,000円 ÷ (5年 × 12ヶ月) = 3,333円

具体的なコスト計算

以上の数値で、調剤薬局で必要な印刷コスト計算ができるようになりました。

実際にどの程度のコストがかかっているのかを見ていきましょう。

月間の印刷ページ数

まずは月間の印刷ページ数を計算してみます。

この計算では仮に1日あたりの印刷ページ数を「50処方」として計算してみます。

  • 1日あたりの印刷ページ数:50処方 × 5ページ = 250ページ
  • 1ヶ月(30日)あたりの印刷ページ数:250ページ/日 × 30日 = 7,500ページ

つまり上記の家庭で研鑽した場合、月間の印刷ページ数は 7,500ページ程度になるということになります。

月間のコスト詳細

上記のページ数からコスト計算をした場合、次のようなコストが算出されます。

こちらもまたコストに関しては平均的な数字となりますので、実際に印刷した場合とは若干異なる場合がありますので、目安として参考にするか、実情に合わせたい場合はここまで説明してきた計算式から、実際に今使っている条件を当てはめて、より具体的に数値化してみても良いでしょう。

  • 用紙コスト:7,500ページ × 0.5円/ページ = 3,750円
  • インク/トナーコスト:7,500ページ × 2円/ページ = 15,000円
  • プリンターの保守・修理費用:5,000円
  • プリンターの減価償却費:3,333円

合計月間印刷コスト

ここまでの数値から、月間の総合的な印刷コストを計算すると、次のようになります。

合計月間印刷コスト = 3,750円(用紙) + 15,000円(インク/トナー) + 5,000円(保守・修理) + 3,333円(減価償却) = 27,083円

電気代

プリンターの使用にかかる電気代もコストに含める必要があります。

例えば、プリンターの消費電力が1日あたり5kWhで、電気代が1kWhあたり20円だとすると、1ヶ月の電気代は 5kWh/日 × 30日 × 20円/kWh = 3,000円 となります。

最終合計コスト

人件費や電気代を含めた最終的な月間印刷コストは以下のようになります。

  • 印刷コスト(用紙 + インク/トナー + 保守・修理 + 減価償却):27,083円
  • 電気代:3,000円

つまり平均的な数値として調剤薬局の場合はおおむね「三万円」程度の印刷コストが必要であるということがわかります。

デジタル化や印刷方法の工夫よるコスト削減

では続いて、調剤薬局のコスト削減方法を、いろいろな切り口で実施する方法を紹介していきます。

電子処方箋システムの導入

電子処方箋システムを導入することで、紙の処方箋を印刷する必要がなくなります。患者に対して電子処方箋をメールやアプリで提供します。

このことにより、用紙やインクのコストを削減できるだけでなく、処方箋の管理や保存も簡単になります。

あるいいは薬袋や薬情シートをデジタル化し、QRコードを用いてスマートフォンで閲覧できるような仕組み作りも可能です。

これにより、印刷コストの削減に加え、環境負荷の低減にも寄与します。

効率的な印刷方法の採用

プリントの際に、より節約できる、効率的な印刷をするよう工夫することでコスト削減することも可能です。

たとえば、可能な限り両面印刷を行うことで、用紙使用量を半減すれば、用紙コストを大幅に削減できます。

さらにプリンターの節約モードを使用することで、インクやトナーの使用量を減らしすことで、インク/トナーコストの削減が可能です。

プリンターの選定とメンテナンス

プリンタ本体の選定や、メンテナンス方法の見直しによってコスト削減をすることが可能です。

例えば印刷コストが低く高品質なプリンタ、特にインクコストが低いエコタンクプリンターやレーザープリンタ導入で長期的なコスト削減が見込まれます。

資源のリサイクルと再利用

リサイクル用紙を使用することで、用紙コストを削減すると同時に、環境負荷の低減にもつながります。

リサイクルトナー/リサイクルインクを活用する

リサイクルトナーやリサイクルインクとは、使用済みのトナーカートリッジやインクカートリッジを回収し、再生・再充填して販売されているものです。

一般的な純正品と比較して、リサイクル品を使用することで大幅にコストダウンが可能となります。

リサイクルトナー/リサイクルインクの利点

リサイクルトナーやリサイクルインクは新品のトナーやインクカートリッジと比較して、通常30%~50%程度安価です。

そのため頻繁に印刷する場合、年間を通じて大幅なコスト削減が可能です。

さらに近年のリサイクルトナーやリサイクルインクは、品質が向上しており、新品と同等の印刷品質を提供しています。

コスト削減の具体例

では実際にリサイクルトナーやリサイクルインクを導入した場合、どの程度のコストダウンが可能になるのかについてチェックしてみましょう。

まずは次の数値を見てください

  • 新品トナーカートリッジのコスト:10,000円
  • リサイクルトナーカートリッジのコスト:5,000円(新品の50%)
  • 年間使用量:12個

これが一般的なリサイクルトナーやリサイクルインクの価格の比較となります。

この数値をベースとして年間コストを計算してみると

  • 新品トナー使用時:10,000円 × 12個 = 120,000円
  • リサイクルトナー使用時:5,000円 × 12個 = 60,000円
  • 年間コスト削減:120,000円 – 60,000円 = 60,000円

となり、かなりのコストダウンが可能となることがわかるはずです。

リサイクルトナーやリサイクルインク利用の際の注意点

リサイクルトナーやリサイクルインクを利用する際のポイントは、信頼できるサービス供給業者を利用し、必要なサポートを受ける体制を整えます。

さらにトラブルが発生した場合の迅速な対応を確保します。予め交換品の在庫を確保するなどの対策を取レるかどうかも事前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

調剤薬局の隠れたコストとして見逃せないのが、印刷コストです。

この印刷コストはいろいろな方法で削減可能ですが、中でも効果的なのがリサイクルトナーやリサイクルインクを使うというものです。

信頼できる業者から高品質のリサイクル製品を購入し、適切に管理・使用することで、コスト削減と環境保護の両方を実現することができます。

この記事を書いた人

家電をはじめ、複合機などのオフィス備品にも強いWebライターです。今後は主にプリンターなどの備品を中心にリースやレンタル業界についても記事にしていきたいと思っています。

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