異音は気になりだしたらどうしても原因を突き止めたくなりますよね。
複合機やプリンターの異音は、思いの外大きな音がするので尚更です。
複雑な機械のどこを確認していいのか検討もつきませんが、実は複合機やプリンターから異音がするとき、セルフチェックすべきポイントは決まっています。
この記事では、複合機やプリンターからの異音の対処法について記事にしています。
異音が気になりだしたら、ぜひこの記事の内容をご確認ください。
異音の原因はこの4つ
機械を使えば作動音は必ずするものですが、しばらく使っていると次第にいつもと違う異音が発生することがあります。
異音はそれぞれ個別の原因がありますので、まずは発生源を特定しましょう。
発生の主な原因は以下の4点が挙げられます。
- 機器が不安定な状態になっている
- トナーカートリッジが正しく設定されていない
- 給紙トレイのセットが適切でない
- 本体の内部に異物や紙がある
もっとも多い異音の原因はこの4点です。
トナーや給紙トレイのセット不備による異音はよく見られる原因です。
まずは、セッティングを確認すると良いでしょう。
印刷タイプ別の異音
一般的に使われるプリンターには、インクジェット方式とレーザー方式があります。
全く違った工程と方法で印刷をする構造になっているため、異音も異なってきます。
参考:「インクジェット、レーザーとの違いとは?」
レーザープリンター
レーザープリンターは、大型複合機コピー機の他、A4用紙サイズ対応の家庭用プリンター・複合機等があり、インクではなくトナーを補充する事で印刷します。
機械内部で熱を使って、ドラムというパーツにトナーを付着させる構造になっているため、可動部分が大きくなります。
フルカラーでは無く、モノクロタイプも有ります。
インクジェットプリンター
インクジェットプリンターは、広く一般家庭に普及しているほか、ビジネスインクジェットプリンターとして顔料インクを使ったタイプが、オフィスにも多く見られます。
インクを噴射するプリンターヘッドが高速で横動するのに連動して、紙を縦方向に移動させる事で印刷を行っています。
どちらのタイプも、基本的にプリンターは精密機械だということを認識して下さい。
その精密機械から異音が出るのは、明らかに正常ではありません。
大型複合機コピー機・レーザープリンターの場合
○紙が原因
最も多いのが、用紙を挿入した時に起きるトラブルです。
紙が潰れる様な音がして、絡まり合って擦れ合う音は、通常には無い異音の中では、比較的簡単に原因が用紙だと特定出来ます。
用紙が正常にプリンターに飲み込まれなかった事で起きているので、まずは機器を停止して問題の用紙を取り除きます。
しわくちゃになった用紙を取り出すのは、慎重にゆっくりと行い、途中で破れないように注意して下さい。
用紙を取り除いても異音が続く場合は、取り残しが有る場合と、以前取り残した破片がセンサーに反応しない部分に入り込んでいて、何かの拍子に出てきて絡まっている可能性が有ります。もう一度、慎重にちぎれた用紙を探して下さい。
再度紙詰まりを起こさないためには、用紙トレイに入っている紙の量と質を確認してください。
規定の容量を超えて詰め込んでいたり、残量が少なすぎたりしている場合にはトラブルを誘発する原因になっている事があります。
また、紙が湿気を含んでいる場合にもトラブルが起こります。新しい用紙に丸ごと交換する事で、事態が改善する可能性が有ります。
参考:「紙のトラブル対策」「プリンターや複合機で紙詰まりの原因と対策、予防策を紹介」
紙を取り込む時に「キュルキュル」という異音が出る場合は、事項のキュルキュルという異音の項を参照にしてください。
○きちんと閉じられていない部位がある
次に多いのが、前方や側面などに有る可動パーツが、きちんと閉められてない、本来填まっていて固定される部分が、振動して出る異音です。
不安定になっている部分をきちん閉じれば、問題は解決します。
○トナーが原因
内部から「ガリガリ」や「ガガガガ」系の音がする場合は、トナーが原因の可能性が有ります。
トナーは粉状の物質ですが、印刷枚数が少なく長期的に使用している場合や、保管状態が悪い中で長期間保管されたトナーを利用する場合、固形状になっているケースが有ります。
コピー機がトナーを混ぜる工程で混ぜることが出来ず、異音が発生します。
この場合は、トナーカートリッジを取り出して、水平方向へゆっくりと振る事で改善する場合があります。
レーザープリンターのトナー装着は、「中身が漏れないように慎重に設置する」も併せてご覧下さい。
○設置場所に原因
レーザープリンターや大型複合機コピー機は、水平な場所に設置される前提で設計されています。
プリンターにある脚一つが、段差に入ったりしていませんか?
不安定な状態で稼働させると、全体が振動して音がするだけで無く、正常な稼働状態を保つことが出来ません。
中型複合機では、床に置かないでラック等に入れて利用する場合もありますが、水平になっているか?には充分に気を配ってください。
適正な設置場所は、機器のトラブルを未然に防ぐだけで無く、寿命にまで大きな影響を及ばします。「大型のプリンター・複合機を置く場所」も、是非併せてご覧下さい。
インクジェットプリンターの場合
○インクカートリッジに原因
インクカートリッジは、電気信号のやり取りをして高速に動きます。装着時に何らかの不具合が有る場合、エラーを起こして正しい信号のやり取りが出来ず、異音が出るケースが有ります。
インクカートリッジを一旦外して、再装着することで解決する場合が有ります。
○ロックが掛かっているのが原因
購入したばかりなのに、さっそく異音がする場合の多くは、出荷時にプリントヘッドが固定されたままの可能性が有ります。
輸送時のヘッド保護のため動かないようにされているので、説明書に従ってロックを外してください。
○異物混入が原因
何らかの拍子でプリンター内部に金属片などの異物が入った場合、高速で動いているパーツに干渉して、異音が出ている場合が有ります。
電源をOFFにしてコンセントから抜き、内部の異物を探して取り除いてください。
○オートクリーニングをしている
インクジェットプリンターは、一定の使用しない期間が発生すると、インクの品質を保つためにオートクリーニングを自動的に行う場合が有ります。使っていないのに動き出した音がするのは、この場合正常です。
インクを利用するため、ボールペンや万年筆同様に固まる事があります。
インクジェットプリンターでインクを排出しているのは、ヘッドノズルというパーツで、正常に残っているインクに圧力を掛けて、固まっているインクと混じらせることで、正常な機能を取り戻していきます。
詳細は、別項の「プリンターのヘッドクリーニングとは?」もご覧下さい。
○電子音
何らかのエラーを知らせている場合も有りますが、ファームウェアを更新している場合も電子音が発生します。液晶画面の表示を確認してください。
次に、発生している音から原因と対処法を見ていきましょう。
プリンターから異音がするときの対処法
機器の立て付けの悪さで異音が発生する場合はかんたんに治すことができますが、内部の状況や設置方法で異音が発生する場合、適切に対処しましょう。
ガガガという大きな異音
詰まり、引っ掛かりを感じるような異音がした場合、ギアのかみ合わせが悪くなっているかもしれません。
用紙カセットが正しく設定されていないことがありますので、再度設定をしなおしてみましょう。
キュルキュルという異音
印刷スタートするとともに、機器の内部からキュルキュルと細めの音が聞こえてきたら、ローラー摩耗によるものかもしれません。
ローラーの各部分はゴム素材でできており、目に見えるところから内部まであらゆるところについています。
ローラーは専用の液体クリーナーをつかって清掃することで、グリップ力を高めることができますが、古い機種や部品の消耗が激しい場合は交換が必要です。
ガタンガタンという一定間隔の異音
機器の側面から一定間隔で、ガタンガタン異音がした場合、定着ローラーが変形しているかもしれません。
定着ローラーは外部からの圧力に弱いため、少しの力が加わるとへこんでしまい、へこみが作動時に異音を発生させるのです。
この異音が出る場合、高い確率でパーツ交換が必要となります。
ゴォォォという背面からの異音
背面のパネルを開けてこのような異音がする場合、放熱用のファンが劣化している可能性があります。
この場合は自力での修理は難しく、点検やパーツ交換が必要となります。
改善しないときはメーカーへ
複合機やプリンターの異音は、自力で修正できる場合とメーカーに依頼しなければ治らない場合があります。
プリンターの取扱説明書を確認すると解決できることも多くありますが、ページ数も多く確認項目がわからないことも多くあると思います。
基本的な項目を抑えておけばどのメーカーでも対応できますが、扱いを間違えると余計に悪くなって再生不可能となってしまうかもしれません。
うまく改善しない場合、早めにメーカーへ依頼しましょう。
寿命ということもあります
プリンターは印刷する時、複合機ならコピーする時に、IT系機器の中では最も大きな音がする機械です。それだけダイナミックに稼働する部分が多く、しかも精密に制御されています。
インクジェットプリンターを製造するメーカーが想定している寿命は、概ね3年から5年で有る事が多く、想定印刷枚数は1万枚から2万枚程度です。
大型複合機コピー機は、概ね5年です。法定耐用年数も5年になっています。
想定印刷枚数は家庭用プリンターよりも遙かに多く、300万枚程度です。
5年を超えると、使われているパーツも劣化が生じる事が避けられず、正常にプリンターが稼働することは難しくなります。5年を過ぎた機器の部品は、メーカーも在庫を持つことも無くなり、有償でも修理は出来なくなります。
プリンターの寿命は、機種やメーカーによっても大きく変わります。
特にレーザー方式のプリンターや複合機では、印刷速度に応じて、設定されている印刷枚数による寿命(耐用枚数)が変わり、印刷枚数の多さによっては、耐用年数まで持たない事もあります。
詳細は、「プリンターの耐久枚数と月間印刷枚数からみるプリンターの寿命」をご覧下さい。
まとめ:原因の4点を確認しつつだめならメーカーへ
複合機やプリンターからの異音は、大まかに4つの原因や、音の種類から特定することができます。
セッティングの不備により異音が発生している場合は簡単に治すことができますが、パーツの摩耗や劣化によって発生する異音は自力で治すことができません。
機器を確認して、よくわからない場合は無理をせずにメーカーや業者へ修理依頼をしましょう。
定期的なメンテナンスは異音の発生を抑えることができますので、忘れずに行っておきたいところです。