【オフィス移転】大型複合機の移動はどうする?自力移転の注意点も

働き方改革によって、オフィスの移転が活発になっています。

在宅勤務が可能になるにつれて、既存サイズのオフィスを、従来通りに維持をする必要が無くなり、最適な広さに引っ越す事で、固定費である家賃の削減が可能になります。

それだけでなく、より環境の良い、家賃が安い場所への移転も活発になっています。
人だけで無く、会社自体も家賃の高い都心に、敢えて存在すべきという常識が疑われ、2021年に本社移転を行った企業は、全国で2,258社に上ります。

長期的には合理的に経費削減に繋がるオフィスの引っ越しですが、短期的に掛かる引っ越し費用は、決して安くはありません。
特にスモールオフィスでは、引っ越し費用の削減のために、トラックをチャーターしたり、ワンボックスカーをレンタルしたりして、既存のスタッフが手分けをして運ぶ算段をするケースは少なく有りません。

デスクや棚・椅子などは、力仕事を問わずに多少のキズや損傷に目を瞑れるなら、誰が行っても大きな問題にはなりません。
問題になるのは、多くのオフィスに導入されている大型複合機コピー機です。

通常のオフィス家具とは異なり、大型複合機コピー機は一定のサイズが有りながら、極めて繊細な精密機械であるため、他の荷物とは異なる扱いが必要になります。

とても便利で必要不可欠なツールですが、オフィス引っ越しでは少々厄介な存在でもある、大型複合機コピー機の移動について解説します。

目次

大型複合機コピー機の移動での事前準備は?

利用形態の確認

大型複合機コピー機の利用形態には、「自社で購入している」「リース契約で導入している」「レンタルで導入している」パターンがあります。

〇自社購入

自社で購入している場合、移動に関しての手続きの扱いとしては、他の備品と同様に特に連絡する必要はありません。

メンテナンス業務を外部に委託している場合は、引っ越す旨と詳細を連絡してください。

〇リース導入

リース物件は使用者に所有権が無く、リース会社にあります。

リース会社が行っている物件の管理における基本は、使用場所の住所です。
オフィスが引っ越せば、当然使用する場所が変わるため、リース会社への連絡が必須です。

リース契約書に移転時のルールが定められているケースも多く、別途費用を支払って指定業者に移動を依頼する事もあります。
その場合、スケジュールの擦り合わせも必要になりますので、早い時点での連絡が、その後のスムーズな移転を可能にします。

メンテナンスを依頼している販売会社や、メンテナンス会社にも移転連絡が必要です。

〇レンタル導入

所有権が無いのはリース導入と同様で、レンタルプリンターサービスを受けている企業に移転を伝えて、その指示に従う必要が有ります。

設置場所の確認

大型複合機コピー機は、本体のサイズ以外にも、メンテナンス時に必要な空間を確保する必要が有り、意外と場所をとります。

窓際などの結露が起きやすく、直射日光が降り注ぐ場所や、湿度の高い水回り周辺、ホコリが溜まりやすい場所、他の電子機器の隣接した場所なども、精密機械の特性上避ける必要が有ります。

どんな移動手段を用いても、事前に設置場所を決めておかないと、その場だけで無く、長期的な混乱と無用な費用負担を生む事になります。

配線の確認

大型複合機コピー機が、コンセントだけの接続で稼働しているケースは、基本的に殆ど有りません。

電源だけでなく、LANケーブルや電話線の取り回しも、事前に考慮しておく必要が有ります。
位置関係が悪いと、使い勝手だけでなくトラブルに繋がりやすくなります。

移動を業者に依頼した場合は、配線を含む設置費用が料金に含まれているのか?事前に確認しておく事も必要です。

配線を業者にお願いする場合でも、新しいオフィスの配線事情を把握した上で、こちらのニーズを伝えなくては、作業が進みません。

専門業者へ依頼するのがベストな選択です

複合機は頑丈そうな見た目とはうらはらに、とても繊細な機械です。

大型複合機になると、本体が100キロ近くあるものが一般的なので、倒してしまった場合など壁に穴が空いてしまう可能性もありますし、リース契約の場合、自力で移転を行った結果として完全に壊れてしまったら、契約次第では大損となってしまいます。

一般的な引っ越し業者は、精密機械の故障は補償の対象外となっていますので、精密機械移転の専門業者へ依頼しましょう。
通常の引っ越し業者では、断られる場合もあります。
費用は掛かりますが、オフィス引っ越しの専門業者に、大型複合機コピー機も含めて移動を依頼するのが、最も手間が掛からず安心です。

移動に掛かる費用は?

オフィス全部の引っ越しを依頼する中での大型複合機コピー機の移動と、単独で大型複合機コピー機の移動を依頼する場合では、当然費用が変わってきます。

また、移動に伴う搬出と搬入先の環境によって、料金は変わってきます。
2階以上でエレベーターの有る無し・階段使用の有無・通路の幅の制約による、クレーン車の使用有無などで、料金は大きく変わります。
リースやレンタル物件で業者が指定されていれば別ですが、複数の引っ越し業者に見積もりを取るのも、手間は掛かっても合理的です。

具体的な料金は、業者や運ぶ機器によっても変わりますが、共通しているのは移動する距離が長くなれば、料金は高くなります。

設置を含まない移動だけで、搬出搬入に問題の無い都内移動で、概ね1万円前後は掛かると思ってください。都内から県外への移動では、関西なら5万円前後、福岡までなら8万円前後が目処になります。

自力で移転する場合は

専門の業者へ依頼するのがベストな選択ですが、あえて自分たちで移設を行う場合は十分に気をつけて移設を行います。
以下3つの注意すべき点をピックアップしました。

インクをすべて抜く

インクをセットしたままにしていると重量もかさみますし、万が一倒したときにあたり一面にインクがばらまかれる可能性があります。
顔料インク、染料インク、トナーなどこれらのものはあらかじめ外しておきましょう。

十分な人数を確保する

大型複合機は、通常80キロから100キロ程度の重量があります。
運搬の人員は、最低でも4人は揃えましょう。
精密機械の運搬ですから、ぶつけずに穏やかな運搬を行わなければいけません。
機器にたすき掛けをして持ち上げるのですが、角に1人ずつ担当する形で運ぶのがよいでしょう。

横向きや傾けたりしない

複合機は、横にしたり、傾けて運んではいけません。
垂直に持ち上げそのまま平行移動し、運搬車に乗せます。
梱包材や梱包マットに包んだ状態で、タスキを本体にかけて垂直に持ち上げるのです。
傷つけないために壁や柱の養生が必要となり、大掛かりな作業となります。
ちなみに、運搬車はエアサスペンションがふんだんに効く車でなければ、衝撃が緩和できず故障の原因となります。

まとめ 移設は専門業者へ依頼がベスト

節約も大事ですが、複合機の移設は専門業者へ依頼しましょう。複合機は精密機器で、予想外の重量物です。
輸送のための専用車まで必要となりますので、専門業者への依頼の他に選択肢はないでしょう。
諸般の事情のためにやむなく自力で移設を行う場合は、十分な人数を揃え、専用の梱包材や梱包マットを使い、壁や柱にも養生が必要です。
運搬車はエアサスペンションが効く車を用意しましょう。
リース契約中の機器を壊してしまうと契約上大損を被ってしまいますので、特に注意が必要です。
このようなことから、複合機の移設はやはり専門業者へ依頼したほうがよいでしょう。

家庭用のプリンターの移動については、「家庭用プリンターを送るときの注意点は?梱包方法や破損させないコツをご紹介」も併せてご覧下さい。

この記事を書いた人

家電をはじめ、複合機などのオフィス備品にも強いWebライターです。今後は主にプリンターなどの備品を中心にリースやレンタル業界についても記事にしていきたいと思っています。

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