夏場のプリンターにおこる特有のトラブルの原因は?そして対策はあるの?

夏場にはプリンターのトラブルがでやすいものです。

なぜ夏場がトラブルになりやすいのか、そしてどんなトラブルがでるのでしょう。

さらにその対策を理解しておけば、事前にトラブルを回避できるようになるはずです。

目次

湿気に弱い用紙が詰まりやすくなる

まず夏の序盤、梅雨の時期の湿気はプリンターにとっては大敵です。

湿気と言うにのは精密機械を故障させる原因となりますし、さらにプリンターには用紙の問題もあります。

そのため湿気の多い時期は、用紙をトレーに入れっぱなしにしておくと、紙詰まりのトラブルが起きやすくなり、非常に厄介です。

「紙離れ」が悪くなり複数枚を給紙して詰まる

紙というのは湿気を吸収してしまいます。

用紙は乾燥している除隊であれば、給紙の際に一枚ずつきちんと吸い込まれていくのですが、湿気を吸収した用紙は「紙離れ」が悪くなり、何枚かがくっついてしまい、給紙の際にまとめて吸い込まれてしまいます。

当然ですがプリンターとしては本来一枚ずつ給紙するように設計されていますので、複数枚が同時に給紙されてしまうと厚みなどの問題で、紙詰まりを起こしてしまいます。

さらに給紙から印刷工程の間に、くっついていた用紙が途中でばらけてしまうと、半分だけ他の用紙に印刷されるようになり、まったく使い物になりません。

用紙が反って詰まる

用紙の「反り」も、湿気によって引き起こされるトラブルです。

紙というのは細い繊維が原料になっているため、湿度が高くなるとその繊維が湿気を吸ってしまいます。

均一に湿気を吸収していれば全体のバランスは取れるのですが、湿気が蒸発し始めると、用紙トレイに重ねてセットしてある用紙は蒸発しやすい外側から乾燥していきます。

そうなると用紙の中央部分に湿気が残ってしまい、その結果紙が反り返ってしまうのです。

用紙が反り返ってしまうとプリンターの給紙口にうまく用紙がセットできず、給紙できずエラーとなってしまいます。

夏場の直射日光や高温に弱いプリンター

夏特有のプリンターのトラブルのもう一つの要因は、暑さです。

プリンターは精密機械ですから、熱によって機械的なトラブルが起こりやすくなります。

直射日光で本体が変形することも

もしプリンターを窓際などの直射日光が当たる場所に置いていると、プリンター本体が熱で変形してしまうかも知れません。

外側のカバーが変形するだけならまだ機能的には大きな問題にはなりませんが、内部の機構が変形してしまうと、ヘッドが動かなくなるなど、重大なトラブルが起き、最悪の場合使い物にならなくなってしまうかも知れません。

インクが詰まったりにじみがでやすくなる

夏場の熱はプリンター本体だけでなく、インクにも悪影響を与えます。

インクは一定の温度を超えてしまうと品質が劣化し、場合によってはインク詰まりを起こしてしまう可能性があります。

詰まるまでいかなくても、インクのにじみなどが気になる場合、熱によるインクの劣化が原因かも知れません。

湿度が高すぎるとカビが発生することも

夏というのはカビが生えやすい季節です。

プリンターにカビが生えてしまうと、これもまた様々なトラブルの原因となってしまいます。

湿度が60%を超えるとカビが発生しやすい

カビは湿度が60%を越えて、さらに温度が高くなると発生しやすい条件が整います。

湿度は梅雨から夏場にかけて60%を越えることが多くなるため、要注意です。

スキャナーがかびると印刷がぼやける

例えばカビがプリンターのスキャナーガラス面に繁殖してしまうと、スキャナーが正しく原稿を読み取ることができなくなってしまいます。

そうなるとコピーやスキャンをした時に、原稿がぼやけて読み込まれるため、印刷もボケたものとなってしまいます。

もちろんインクジェットのノズルなどにカビが発生すると、正確にインクを噴射できずにじみが発生するなどのトラブルも起きてしまいます。

夏場のトラブルを事前に防ぐ対策は?

このように夏場はプリンターにトラブルが起きやすい条件がそろってしまうわけですが、そんなトラブルを防ぐためにはどんな対策があるのでしょうか。

まずは湿気と高温を避けることが、対策の基本となります。

では、具体的に対策の詳細についてチェックしていきましょう。

直射日光の当たる場所には設置しない

基本となるのが、窓際などの外からの直射日光の当たる場所にプリンターを置かないようにすることです。

直射日光が当たる部分は熱がどんどん蓄積し、想像以上の高温になってしまいます。

トラブルに直接つながりませんが、直射日光が当たっていると、紫外線などの影響でプリンターのカバーが変色してしまいます。

部分的に変色したり、全体的に色あせてしまうのも、あまり歓迎できることではありません。

湿気の多い場所には設置しない

もう一つの湿気に対しても、十分注意してください。

特に風通しの悪い部屋の角や、周りをものに囲まれたスペースなどは、湿気が溜まる場所ですから避けるようにしましょう。

プリンターはできるだけ周りに遮蔽物のないスペースに置き、できればそばに湿度計を置いて常に湿度管理をするくらいの配慮をしてください。

加湿器などにも要注意

夏前の湿気の多い時期だけではなく、冬場でも湿度によってトラブルが起こる可能性があります。

近頃では通年加湿器を使って部屋を加湿している場合もありますが、この加湿器の近くにプリンターを設置すると、湿度によって用紙のトラブルや、本体自体のトラブルを引き起こしてしまうかも知れません。

室内の空気を常時循環させる

湿度や温度対策として、プリンターの設置場所は風通しの良い場所にするべきですが、それにプラスして室内の空気を常に循環させるような工夫も必要です。

例えば室内にサーキュレーターを置き、常に運転させておけば、室内の空気が滞らずに循環されます。

ただしそれだけで全体的な湿度が下がるわけではありませんので、エアコンを付けるなどして湿度管理も気をつけましょう。

用紙を定期的にチェックする

用紙が湿度でくっついてしまっていないかは、実際に用紙をチェックしなければわかりません。

そのため、定期的に用紙トレイにセットされている用紙をチェックしてください。

チェック方法としては用紙を重ねた状態で、「パラパラ漫画」のようにめくってみましょう。

一枚ずつ問題なくめくれるようであれば、大丈夫です。

もし何枚かくっついているのであれば、新しい用紙に交換してください。

反った用紙をローテーションする

用紙の反りも目視でチェックできます。

用紙トレイにセットされた用紙を取りだし、何枚かを手で持って見てみてください。

反った用紙は机の上などに置くと丸まろうとしてしまいます。

この反った用紙は、裏向きにセットすると、しばらくすると反りが直りますので、定期的に「ローテーション」すれば反った用紙でも利用は可能です。

用紙を節約したい場合は、反った用紙を裏向きにセットし直して使ってみてください。

 

この記事を書いた人

OLとして7年間中小企業に勤務したのち、Webライターとして独立。現在はプリンター関係の記事を中心に多数の媒体へ寄稿中。

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