プリンターや複合機の純正インクが高い本当の理由

皆さん、会社でプリンターなど1度は使ったことがある人がほとんどではないでしょうか?

今となってはどこの会社にでも置いてあるプリンターや複合機なのに「なんでインクがこんなに高いの?」と思われたことがある人も少なくないと思います。
Googleで調べてみると、インクは「人間の血液よりも高い」とも言われ、世界でもっとも高い液体とも言われているそうです。

今回は純正インクがなぜ高いのか、そのビジネスモデルや互換性インクとの違いについて解説します。

純正インクのビジネスモデル

「純正インクは高い」といわれますが、実際どの程度の値段で買えるのでしょうか。
実際に通販サイトで購入できる4色インクの金額をまとめました。

メーカー 純正インクの金額 互換インクの金額
エプソン 3,960円 1,340円
キヤノン 3,980円 1,740円
ブラザー 3,229円 1,280円

※当社調べ
※参考:価格コム楽天市場Amazon

純正インクと互換インクだと大体3倍くらいの値段の差があることがわかります。

では、なぜこんなに純正インクの値段が高いのか。皆さん本当の理由を知っているでしょうか。

結論から言うと、「インク商法」というものが使われているからです。

まず、インクを使うとなると必ずプリンターが必要になります。
プリンターは高いものから安いものまで様々ですが、安価なものだと2~3万円程度で買えるものもあります。
このプリンター自体は1つ買ってしまえば数年使えることは当たり前です。
しかしそれだけでは、販売会社からするとそのうち売り上げはストップしてしまいますよね?

そこで、プリンターや複合機に開発費などを当てずに安く提供し、そのかわりに、プリンターや複合機よりも利益をもたらす消耗品のインクに上乗せして販売することで、利益を出すのが「インク商法」です。

プリンターや複合機の主要メーカーでは保証を付けていることが多く、純正のインクを利用しているユーザーには手厚いサポートを提供しています。

その分インクに利益を上乗せすることで長い付き合いを獲得し、時間をかけて売上を回収するモデルになっているのです。

純正インクの品質、保証は?

ここからは、純正インクの品質について解説していきます。

純正インクは値段が高いこともあり、品質はかなり高いと言えるでしょう。理由としては以下の3つがあげられます。

有名ブランドの安心感

まずは、メーカーブランドの安心感です。
純正インクにはブランドがあり、有名どころでいうと「キヤノン」「リコー」「エプソン」などが販売しています。
体制がしっかりしている大手企業であり、名が知られている企業のインクという信頼もありますので、ある程度の質の高さを期待しても問題ないでしょう。

保証期間内の修理

さらに純正インクを使えば、購入したあとトラブルがあった時にサポートを受けられます。
保証期間は契約によって違いますが、各メーカーの保証期間内であればインクなどにまつわる無償修理が可能です。
互換インクだとこうしたサポートは受けられないので、純正インクならではのメリットといえます。

トラブルが起こりにくい

純正インクを使用すると、印刷物の保存、耐熱性が強く、文字化けやインクがにじんでしまうなどの被害を比較的抑えることができます。
値段自体は互換インクなどの方がもちろん手ごろですが、別にお金はあまり気にしないという人は絶対に互換インクではなく純正インクを購入することをオススメします。

互換インクは粗悪品なのか?

先ほど、購入するなら互換インクより、純正インクの方がいいと説明しましたが、「互換インクじゃダメなのか?」「そんなに悪いものなの?」と疑問視する人もいると思いますので、ここからは互換インクについて解説していこうと思います。

まず、互換インクについて解説する前に一つだけ覚えておいてほしい点があります。
それは、互換インクよりも純正インクの方が優れているということです。
これは先ほど述べたとおり、ブランドの質の高さや無償修理などの保証があること、そしてトラブルが起きにくいことなどが主な理由です。

しかし、純正インクの方がいいからと言って、決して互換インクが粗悪品というわけでもありません。
純正インクより安価な為、コストパフォーマンスに優れていますし、メーカーにもよりますが、互換インクはオリジナルカートリッジなので、純正インクよりも容量が多く入っているインクもあり、そのインクも純正品と同等並みの互換品でもあるということです。

正直、互換インクを使っているからと言って、業務に支障が起こるわけでもありません。

しかし、互換インクメーカーによってはインクカートリッジの品質(耐熱性・耐水性・色の違い・劣化など)に差が生じ、なにかしらのトラブルが起きた場合、メーカー保証期間内でも修理を断られるかのうせいが高いので、注意しましょう。

互換インクの選び方

互換インクは、直接プリンターを製造する企業と関係の無い、サードパーティーと呼ばれるメーカーが製造しています。
ユーザーに解りやすい様に、純正品と同じ品番で販売されているケースが大半です。

従来からあるインクカートリッジの他に、大容量のインクタンクに補充するインクも取り扱いがあります。

互換インクのメリット

大容量のインクタンク(エコタンク)を搭載する、エプソンの人気機種EW-M670FTの注入インクの価格を具体的に見てみましょう。

黒 ヤドカリ カラー ハリネズミ 4色
純正品 互換品 純正品 互換品 純正品 互換品
127ml 140ml 70ml 70ml 337ml 350ml
エプソンダイレクトショップ 2,365円 1,265円 6,160円
Amazon 2,064円 1,091円 5,337円
ヨドバシ 2,270円 1,200円 5,870円
ひかりTVショッピング 2,043円 1,080円 5,283円
NTT-X Store 2,043円 1,080円 5,283円
インク革命.COM 1,130 600 2,840

互換インクの一例として、インク革命.COMの価格を見てると、概ね半額に近い価格で販売されています。存分に印刷したい方なら、互換インクをオススメします。
全色のセットは、純正品では設定がないので合計金額ですが、互換インクは全色セット販売を行っていて、更に割安になっています。

また、純正品が販売終了している品番であっても、互換品では取り扱いがある事があり、本来なら使用継続を諦めるプリンターの寿命を延ばすことが出来ます。

互換インクは玉石混交

互換インクの品質は、正直言ってピンキリが有ります。

「ピン」の互換インクは、社内の研究施設で徹底的に構造研究を行い、膨大な時間を掛けてテストを繰り返し、色の再現性を数値化して遜色ない配合を見いだします。
自信を持って販売が出来る商品のみを販売する事で、販売したインクの品質だけでなく、万が一プリンターに損害を与えた場合も保証を付けています。

「キリ」互換インクは、人気機種向けの商品をいち早く発売します。充分な開発時間をとることはしません。カートリッジの形状を雑にコピーして、中のインクは汎用品を適当に詰めただけの粗悪品もあります。
海外のブローカーから、商品に問題が有ることを認識しながら、価格メリットを前面に打ち出して短期間で売り逃げ、実害が出て憤慨したユーザーが連絡をとっても、既にその会社は無くなっているケースもあります。

良質な互換インクを提供しているサービスは、その品質に満足して継続使用しているユーザーが多くなります。
サービスを提供する企業の継続販売年数が10年を超えているなら、信頼出来る大きな指針になります。
インク生産工場で、ISO9001(品質マネジメントシステム)と、ISO14001(環境)の両方を取得しているなら、信頼の大きな指針になります。大きなハードルがあり、いい加減な工場では絶対に取得することは難しく、広く情報が公開されているため、偽ることも出来ません。

ICチップ

プリンターメーカーにとっては、ビジネスモデルの収益に影響を与える互換インクの存在は、出来れば排除したいのが本音です。
そのため、表向きはプリンターとインクの通信を行って管理するという名目で、インクカートリッジにICチップを搭載するタイプも増えています。このチップ内に純正特有の信号を配置して、互換インクを排除する手段の一つとして用いています。

チップの様なパーツを付けているだけの粗悪品は論外ですが、保証を付けている互換メーカーのインクカートリッジでも、希に認識されない事態が発生する事があります。
その場合は、以下の方法を試して下さい。

  • プリンターのインクを全て取り外します。
  • プリンターの電源をOFFにした後に、コンセントプラグも引き抜きます。
  • 10分以上はそのまま放置して、あらためてコンセントを挿して電源をONにします。
  • ブラックのインクカートリッジを最初に差し込みます。
  • その後にカラーインクカートリッジを入れていきます。

この手順を行っても、プリンターが互換インクカートリッジを正しく認識しない場合は、インクカートリッジに問題が有り、交換が必要です。保証がきちんとしている互換インクのサービスなら、交換が受けられます。

最後に

純正インクと互換インクにはあまり差はなく、大きな違いは価格とメーカー保証の有無です。

純正インクの場合、メーカーでの開発費やトラブル時保証とブランドの安心感があるため値段が高く、互換インクの場合は、純正メーカー品ではない為、インクメーカーによって品質に差はあるものの、価格はそれに比例して安価になります。

どちらを選んだにしろ、品質にはあまり支障はありませんので、会社や自分に合ったインクの選定をしましょう。