プリンター(複合機)の詰め替えインクとは?メリット・デメリット解説

インクジェットプリンターは利用するうちに、必ずインクは消耗していきます。
利用頻度によっては、ヘッドを正常に維持するためにクリーニングが行われ、そのためにもインクは消費するため、印刷しなくてもインクは減っていきます。

メーカーが販売している替えインクカートリッジは高く、数回のインク交換で本体の価格を上回る事も珍しくありません。

特に低価格で販売されているインクジェットプリンターは、本体価格を抑えて販売競争力を増し、利用する中で確実に購入が見込める消耗品のインクの利益で、帳尻を合わせるビジネスモデルになっています。

これに対抗する手段としては、純正インクを利用せずに、「互換インク」「リサイクルインク」などの、プリンターメーカーとは無関係のサードパーティー製のインクを使う事で、印刷コストは削減することが可能です。

さらにもう一段階、手間暇を惜しまずに印刷コストを下げる手段として、「詰め替えインク」があります。
詰め替えインクを解説すると共に、そのメリットとデメリットを解説します。

目次

詰め替えインクとは

詰め替えインクとは、空になったインクカートリッジにインクを補充し再利用するインクのことです。

シャンプーや食器洗剤がなくなった時に詰め替えをするイメージが近いかもしれません。
詰め替えインクは一般的に安価で大量にインクを使用する企業では詰め替えインクを導入することでコストダウンにもつながります。

詰め替えインクが利用出来るのは、基本的に純正カートリッジだけです。
互換カートリッジやリサイクルカートリッジには、詰め替えインクを使用することは出来ません。

シャンプーや食器洗剤の容器は、丁寧に使用すれば何回でも詰め替えは出来ます。
詰め替えインクも、何度でもインクを足すことが出来れば良いのですが、カートリッジの劣化は早く、概ね3回から4回繰り返すと、それ以降は利用出来ない印刷クオリティになるため、新たに純正カートリッジを入手する必要が有ります。

しかし思わぬトラブルにもつながるため詰め替えインク使用する際にはメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
具体的に詰め替えインクのメリット・デメリットを見てみましょう。

プリンターの詰め替えインクのメリットとは

なんといっても詰め替えインクの一番のメリットはプリンターのインク代が安くなることです。

インクカートリッジを毎回購入するより、使い終えたインクカートリッジに詰め替えインクを入れる方が値段は安く50%以上コストダウンになる場合があります。

詰め替えインク1本で3~5本回充填できるため、コスト的には一番安価になります。
毎日大量に印刷する企業にとってはインク代が安くなることは大きなメリットです。

またインクカートリッジのゴミを減らすことでエコに貢献ができます。
コストダウンとエコの観点から考えると詰め替えインクはおススメ出来ます。

プリンターの詰め替えインクのデメリット

プリンターの詰め替えインクのデメリットをまとめます。

インクの充填に慣れが必要

インクの充填作業は慣れが必要です。小容量ならインクカートリッジの口に詰め替えインクを垂らすだけで充填できますが、大容量インクカートリッジは違います。

メーカーによりますが、大容量の詰め替えインクキットにカートリッジをセットし、ドリルで穴を開け、そこに詰め替えインクを充填します。充填後は付属されているピンなどで穴をふさぐ必要があります。

慣れれば簡単ですが、手間がかかり面倒です。

インクがこぼれる

万が一インクがこぼれ指や服につくとなかなか落ちません。

手にインクが付着した場合、乾くと落としにくくなるため、早急に石鹸で洗ってください。

顔料インクは水と石鹸で落とすことが可能ですが、染料インクは粒子が細かいため、時間が経過するほど非常に落としにくい特性が有ります。

初めて充填を行うときはどこまでインクを入れてよいのかわからず吹きこぼれることもあります。
充填後に詰め替えインクを抜く際にインクが飛び散ることが多いので、インク充填後は詰め替えインクを強く押さないで優しく抜きましょう。

詰め替えの際はビニール手袋をし、新聞紙を引くなどこぼれてもよいところで行いましょう。

詰め替える度リセットする必要がある

使用しているプリンターによりますが、ICチップのインクの残量報告をリセットする必要があります。

インクカートリッジにはICチップがついており、インク残量を管理しています。この残量を一度リセットしないとインクを満タンに充填しても「空のカートリッジを使用している」とプリンターが認識してしまいます。

そこでICチップのインクの残量をリセットするために現在使用しているプリンターメーカー用のリセッターを購入する必要があります。
リセッター自体は1,000円から5,000円程で購入でき、多詰め替えインクとセット販売されていることが多いです。

リセッターが正しく反応されず「リセットできない」「エラーメッセージが出て使用できない」などのトラブルもありますが、ほとんどは何度かリセッターにかざすと初期化できるようです。

エプソン・ブラザーのプリンターでは、リセッターを使用して残量の感知が有る程度は行えますが、キャノンでは残量検知無効操作が必要で、詰め替えインクを使用する場合は、インクが無くなっても空印刷が行われてしまうため、小まめなインク補充が必要になる手間があります。

詰め替えインク使用前後で発色が違う

詰め替え前と色が微妙に違うことがあります。写真など画像を印刷すると違いが出てきます。

純正インクと比較すれば、発色で詰め替えインクは劣るケースが多いです。
退色や劣化という部分でも劣るため、長期保存する印刷物にはオススメしません。
保管にも劣化に注意して、気を配る必要が有ります。

カートリッジに充分なインクが入っていない場合や、過剰にインクが入ってしまった場合では、正常な印刷結果が得られないケースが出てきます。

万が一、色が異なった場所にインク補充を行った場合、当然正しい印刷結果は得られません。新しい純正カートリッジの購入をするしかありません。

詰め替えインクは日本製を使用しましょう

コストをカットしたいために安易に海外製やノーブランドの詰め替えインクを使用してしまうとプリンター自体が壊れてしまう、インクが詰まるなど時間のロスに繋がります。
無駄な経費がかからないよう日本製の詰め替えインクを使用しましょう。

大量印刷なら詰め替えインクよりもレンタルプリンターサービス

詰め替えインクは、開封後には概ね6ヵ月程度で使い切る必要が有り、印刷頻度が少ない場合には利用するメリットがありません。

大量印刷が必要な状況下で印刷コストの事を考えて、詰め替えインクを選択するケースが多いと思います。

しかし、詰め替えの手間と時間もコストに換算して、インク詰め替えの3回から4回に1回は、高価な純正インクを購入する必要が有ることを考えれば、必ずしもコスパが高いとは言えません。

大量印刷が必要で印刷コストを考えるなら、プリント革命のレンタルプリンターサービスという選択肢があります。

大量印刷する環境では、プリンター本体も消耗品として買い換える頻度は高く、買い換えるタイミングでレンタルプリンターサービスにスイッチすれば、本体の初期投資費用も掛からず、消耗品代も気にせずに印刷をこなす事が可能です。

たとえば、<BIJ-C8>ライトプランなら、カラー印刷を月に3,000枚行っても、レンタル料金の5,500円のみで利用可能です。カウンター料金など消耗品の費用は一切掛かりません。

プリンターが不調になっても電話保守サービスが受けられ、解決しない場合には同等のプリンターが送られてくるので、仕事を止めないだけでなく、レンタル料金以外に保守代や送料も別途掛かりません。

大量印刷には、詰め替えインクよりも、プリント革命のレンタルプリンターサービスの方がトータルのコスパは高いです。

この記事を書いた人

テックライター歴5年。通信・ハードウェア業界を中心に、BtoB関連のライティング案件を多数担当。

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