テレワークが普及して「ネットプリント」という言葉を聞いたことがある人が増えてきたのではないでしょうか。「聞いたことはあるけれど、どんな仕組みなのかわからない。」という人もいると思います。
今回の記事では、そんなネットプリントの基本情報と、メリット・デメリットについて詳しくお伝えします。これから使おうと考えている人や、他のプリントサービスと何が違うのか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
ネットプリントとは
ネットプリントとは、ネットワークにアップロードしたデータを、コンビニのコピー機で印刷できるプリントサービスの名称です。対応しているコンビニが営業していれば、いつでも利用できます。汎用性が高く、テレワークやプライベートでも活用しやすいのが特徴です。
ネットプリントは富士フィルムのサービス
コンビニエンスストアでは、多様なプリントをこなす事が出来るマルチコピー機が設置されています。
セブンイレブンに導入されているのは、富士フィルムビジネスイノベーション株式会社製で、ローソンとファミリーマートにはシャープ株式会社製のマルチコピー機が導入されています。
マルチコピー機は、だれでも簡単に扱えるようになっていて、USBメモリーなどの記録媒体にデータを入れて持ち込んだものも印刷出来ますが、あらかじめ指定されたクラウド上にデータを保管しておく事で、マルチコピー機からデータを呼び出して印刷する事が出来るようになっています。
そのクラウドサービスは、マルチコピー機を納入している企業が提供しています。
セブンイレブンで行っているサービスが「ネットプリント」で、ローソン・ファミリーマートで行っているサービスが「ネットワークプリント」です。
本来「ネットプリント」は富士フィルムビジネスイノベーションが提供するセブンイレブンのサービスですが、コンビニのマルチコピー機を利用してクラウド上のデータを印刷する事の総称としても、一般的には利用されるケースが多くなっています。
扱えるデータ
印刷出来るファイル形式は、文書形式として「Microsoft Office」「PDF」・写真形式として「JPEG形式」「TIFF形式」が利用出来ます。
文書ファイルとしてMicrosoft Officeファイルが扱えるのは便利ですが、制約もあります。
たとえば、ワード文書をネットプリントで利用する場合、1ファイルの容量は10MB以下で、Windows版 Microsoft® Word 日本語版 (拡張子「.docx」「.rtf」)に限られます。
対応フォントは、平成角ゴシックw5、平成角ゴシックw5p、平成明朝w3、平成明朝w3p、欧文14書体と、Arial,Arial Black,Arial Bold,Arial Bold Italic,Courier,Courier Bold,Courier Bold Italic,Courier Italic,Symbol,Times New Roman,Times New Roman Bold,Times New Roman BoldItalic,Times New Roman Italic,ITC ZapfDingbatsになっています。
Wordのバージョンに関わらず、体裁・フォントなどを含めてそのまま印刷したい場合は、Word形式のデータではなく、PDF形式に保存したデータをアップする事をオススメします。
データのアップロード
データのアップロードは、パソコンから簡単に行えます。
セブンイレブン「ネットプリント」
ローソン・ファミリーマート「ネットワークプリント」
スマートフォンからは、アプリを利用してアップロードします。
セブンイレブン
2種類のアプリがあります。
○netprint
ユーザー登録が必要です。
予約番号の有効期限は、アップロードした日から1週間後までになっています。
○かんたんnetprint
ユーザー登録不要で利用出来ますが、予約番号の有効期限がアップロードした日の翌日までと限定されています。
ローソン・ファミリーマート
○ネットワークプリント
ユーザー登録が必要です。
データの保存期間は、最長で30日までです。
ネットプリントの印刷手順
利用する際は以下の手順で印刷します。
- パソコンもしくはスマートフォンから、指定のネットワークにデータをアップロードする
- 予約番号が発行される
- 対応しているコンビニのコピー機で番号を入力して印刷
このように簡単に利用できるので、初心者でも使いやすいでしょう。サービスによっては会員登録不要で使えるものもあるので、必要な時だけ手軽に利用することも可能です。
ネットプリントのメリット
ネットプリントのメリットは主に3つあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
プリンターを持つ必要がない
印刷の頻度がそこまで高くないのであれば、自宅にプリンターを置かずに、ネットプリントを使うだけで十分です。自宅にプリンターを置くとメンテナンスの手間がかかりますし、収納スペースも必要になります。
ネットプリントを使えばそもそもプリンターを置く必要がないので、コスト面でも収納面でも負担になりません。
時間や場所を問わず印刷できる
ネットプリントはコンビニのコピー機を利用できるので、時間や場所を問わないことがメリットの一つです。外出先から急いで印刷しなければいけないときや、旅行先で使いたいときにも、対応しているコンビニがあればすぐに印刷できます。基本的には24時間365日印刷できるので、仕事で急遽印刷が必要になった際も安心です。
遠く離れた家族や友人にユーザー番号を伝えれば、近くのコンビニエンスストアで印刷してもらう事が可能になります。
使い方によってはコスパがいい
印刷する枚数が少ない人にとっては、プリンターを自身が持つよりも、ネットプリントを使う方がコスパはいいでしょう。A4用紙1枚あたり20円程度なので、大量に印刷するには向きませんが、1回あたり数枚で頻度が低いのであれば、ネットプリントが便利です。プリンターの購入費やインク・トナー代もかからないので、割安で印刷できます。
ネットプリントのデメリット
ネットプリントのデメリットは以下になります。
コンビニに行く必要がある
ネットプリントはコンビニのコピー機を利用するため、印刷のたびにコンビニに出向かなければいけません。印刷する回数が多いと、毎回外出しなければいけないので億劫に感じてしまうこともあるでしょう。
コンビニのコピー機が混んでいる場合は並ぶ時間もあるため、スムーズに印刷できるとは限らないことも、デメリットの一つといえます。
ファイルの修正に手間がかかる
ネットプリントは一度アップロードすると修正できない場合が多く、再度編集したデータをアップロードしなければいけません。ページを指定する場合や、サイズなどが合っているか、事前に確認しておくことが大切です。
データを持ち込んだ時よりも割高になる
マルチコピー機を利用して印刷する場合、データを持ち込んで印刷した時に比べて、ネットプリントを利用した場合は高くなります。
通常のコピーやデータ持ち込み時のプリント価格です。
用紙サイズ | 用紙種類 | 白黒/カラー | 単価 |
B5 | 普通紙 | 白黒 | 10円 |
A4 | 普通紙 | 白黒 | 10円 |
B4 | 普通紙 | 白黒 | 10円 |
A3 | 普通紙 | 白黒 | 10円 |
B5 | 普通紙 | カラー | 50円 |
A4 | 普通紙 | カラー | 50円 |
B4 | 普通紙 | カラー | 50円 |
A3 | 普通紙 | カラー | 80円 |
クラウドサービスの手数料が上乗せされるため、ネットワークプリントは高くなります。
用紙サイズ | 用紙種類 | 白黒/カラー | 面単価 |
B5 | 普通紙 | 白黒 | 20円 |
A4 | 普通紙 | 白黒 | 20円 |
B4 | 普通紙 | 白黒 | 20円 |
A3 | 普通紙 | 白黒 | 20円 |
B5 | 普通紙 | カラー | 60円 |
A4 | 普通紙 | カラー | 60円 |
B4 | 普通紙 | カラー | 60円 |
A3 | 普通紙 | カラー | 100円 |
まとめ
コンビニプリントは、印刷頻度が少なくプリンターを持たないユーザーには便利なサービスです。
ネットプリントはあらかじめデータをアップロードして、外出先で必要に応じて利用出来る利便性に対してや、セキュリティ上、記録媒体の置き忘れや紛失が避けられるリスク回避に対して、通常印刷よりもアップチャージを支払う意義がはじめて出てきます。
通常の印刷をコンビニで行うなら、データを持ち込んだ方が安価に利用出来ます。