プリンターは購入してからも、印刷を重ねる度に費用が掛かる機械です。
レーザープリンターの場合、印刷時に消耗するのはトナーで、トナーカートリッジに充填されているトナーを消費していて、カートリッジ内のトナーが無くなれば、トナーカートリッジごと交換する必要があります。
交換用の消耗品としては、プリンターメーカーは純正品の使用を奨励していますが、純正品は価格が非常に高額になっているため、印刷コスト費用の事を考えれば、純正以外のサードパーティー社製の、トナーカートリッジを検討する方も多いですよね。
プリンターメーカーとは直接関係の無い、サードパーティーによるトナーカートリッジは、「そんなこと、メーカーの承諾無しに勝手にしていいの?」という懸念を持つ方もいらっしゃいますが、たとえばiphoneに装着するスマホケースは、Apple製以外を付けている方が、圧倒的な多数ではないでしょうか?
トナーカートリッジも同じです。
特許や商標などに抵触が無ければ、基本的に何の問題もありません。
サードパーティーによるトナーカートリッジは、色々なタイプが販売されていますが、昨今盛んに叫ばれている環境保全のためには、プラスチックを含めた資源を使い捨てにしない、再生して使い回す「リサイクルトナー」が注目されています。
このリサイクルトナーとは何か?運用のメリットとデメリットについて解説します。
安価に利用出来るトナーカートリッジの選択肢
純正品以外の以外の、安価に利用出来るトナーカートリッジの選択肢としては、「輸入純正品トナー」「互換品トナー」「リサイクルトナー」があります。
純正品のトナーカートリッジが高価な理由
純正品のトナーカートリッジが高いのは、研究開発費やブランド料と、そのブランドイメージを守るための厳しい品質管理がコストに反映されています。
しかし、それ以上に、プリンターのビジネスモデルが反映されていると言えます。
そのビジネスモデルを簡単に説明するなら、プリンター本体価格を安価に販売してシェアを獲得し、その後の消耗品で利益を確保する仕組みです。
輸入品純正トナー
日本製のプリンターは世界中で利用されています。日本で利用されているプリンターと基本的には同じ設計の物も多く、型番が異なっていても、消耗品のトナーカートリッジについては全く同じケースもあります。
物価の違いや前述のビジネスモデルが構築出来ない国では、純正トナーカートリッジが日本の販売価格と比較して安価に売られている事が有り、インポーターが日本で販売されている型番に合わせて、日本で販売されている純正トナーカートリッジよりも安価に販売されているのが、輸入品純正トナーです。
2023年は円安基調にあり、海外の純正品のトナーカートリッジを輸入してもメリットは無く、現在では殆ど販売されていません。
互換品トナー
互換品のトナーカートリッジは、筐体やICチップなど、全てのパーツがプリンターメーカーとは全く別に開発された物です。
そのため、当たり外れも大きく、粗悪品も多く混じって販売されている事も確かです。
互換品以外に汎用品というタイプもありますが、本来は純正品のOEM生産されたものですが、互換品との線引きが曖昧で、良品を見分けるのはかなり難しいと言えます。
より詳細に関しては、「純正品・互換品トナーのメリットとデメリット|結局どちらを選ぶべき?」も、併せてご覧下さい。
純正品のトナーカートリッジ以外を利用する事で、印刷コストを下げる選択肢として、多くのユーザーにオススメ出来るのがリサイクルトナーです。
リサイクルトナーとは
リサイクルトナーとは、使用済みのトナーを一度分解して洗浄し、再度トナーを充填して販売している製品のことを指します。
通常、純正のトナーはカートリッジの製造からトナーの充填までを一から行なっているため、同じカートリッジを使い回すということはありません。
一方、リサイクルトナーはすでに使い終わったトナーをもう一度利用するタイプの製品であるため、通常のトナーよりも廃棄の負担が小さく、価格が安価なのが特徴です。
リサイクルトナーを販売している企業やお店にもよりますが、不良品や不具合が出た場合に、きちんとした対応をしてくれるケースも少なく有りません。
リサイクルトナーのメリット
リサイクルトナーを利用する、メリットを考えてみましょう。
コスパが良い
純正のトナーカートリッジと比較して、リサイクルトナーの販売価格は大幅に安くなります。
特に人気機種のプリンター用は、数多くの企業やショップが参入していることで、減価に対して適正な価格競争が発生している事もあります。
概ね純正品と比較して、半額程度になっているケースも多く、品質の裏付けは保証できませんが、1/10程度で販売されている事もあります。
印刷経費が大幅に下がる手段だと言え、コスパは非常に良いです。
環境に優しい
リサイクルトナーは、使い捨てにしない、3R(リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle))に貢献出来ます。
安価に利用出来て、環境に優しいのがリサイクルトナーです。
純正販売終了後もプリンターが使える
一定の期間が経過した後に、純正品トナーカートリッジの供給が終了するのは珍しくありません。
プリンターの使い方は利用者によって大きく異なり、プリンターに不具合が無くても、消耗品の販売が無くなれば、基本的に新しい機種に交換しなくてはならなくなります。
しかし、リサイクルトナーでは販売されている事も多く、プリンターを使い切るという意味でも環境に優しいと言えます。
リサイクルトナーのデメリット
リサイクルトナーの、デメリットについても見てみましょう。
不具合の頻度が高い
リサイクルトナーのデメリットは、価格が安価な分、不具合の発生率が純正よりも高くなる点にあります。
現在では各メーカーの検品体制も高度になっており、不具合が起こる可能性も以前より低くなっているものの、純正ほどのサポートや故障率の低下を期待できないのは気をつけたいところです。
品質についてはメーカーにも依存しやすいため、まずは定評のあるリサイクルトナーの利用から始めるのが良いでしょう。
色合いの異なり
また、カラーの色合いが純正と違うケースもあります。印刷パフォーマンスに安定性を求める場合にも、リサイクルトナーの運用は慎重になることをおすすめします。
各メーカーで使っているトナーの成分詳細は、ノウハウが詰め込まれている秘中の秘です。プリンターの特性に合わせて、細かい調整が行われているため、リサイクルトナーごとに中身は異なっていて、商品ごとに色の再現度は大きく異なる場合があります。
トナーの成分については、「トナーってどんな成分からできてるの?|人体への影響や清掃方法について解説!」も、併せてご覧下さい。
おわりに リサイクルトナーの選び方
リサイクルトナー選びは、販売店選びとも言えます。
信頼出来る、ショップの目安を解説します。
同じ屋号で長期に渡って運営されている
粗悪品を扱って利益を貪るタイプのショップは、悪評が定着する前に店を畳んで、屋号を変えて再度運営されているケースが多くなっています。
同じ屋号で長期間に渡り運営されているショップは、リピーターが多い事が多く、大きな目安の一つになります。10年以上継続していれば、大きな信頼の目安になります。
トラブル時の、保証内容にも注目してください。
公式認定を受けている
各種の公式認定を受けていれば、信頼の一つの目安になります。
「ISO9001・ISO14001の認定」
品質マネージメントや、環境保護における国際基準で社会的信用があると言えます。
「STMC認定工場」
日本のJIS規格の様な、リサイクルトナーカートリッジの世界規格です。
「E&Q」
このマークが付いているリサイクルトナーは、日本カートリッジリサイクル工業会が定めた基準をクリアしています。