キヤノンのコピー機、複合機の特徴

キャノンという名前を聞いて多くの方が連想するのは、世界中で多くのプロカメラマンから愛用されているほど評価が高く、もちろんアマチュアにも利用者が多い光学カメラやレンズかもしれません。

実際にキャノンは、国産初の35mmフォーカルプレーンシャッターカメラを発売しているカメラメーカーではありますが、映像・画像・写真分野全般に強みがあり、入門用から放送局まで幅広くカバーしている強みがあり、コピー機やプリンター事業にも積み上げたノウハウや技術が惜しみなく投入されています。

事務機にも早い段階から力を入れていて、1967年の時点で掲げていたスローガンは「右手にカメラ、左手に事務機」で、当時からカメラに並ぶ事業として事務機に重きを置き、現在まで両方のジャンルで数多くの実績と名声を手にしています。

キャノンのコピー機・複写機の特徴について解説します。

目次

キャノン製コピー機・複写機の歴史

キャノンの創業は1933年の事、前身となる「精機光学研究所」で創業翌年には、国産初の35mmフォーカルプレーンシャッターカメラ「KWANON」を発表しています。

カメラは映像として画像を切り取り残すという面では複写機とも言え、文字や図形などを写し取る複写機への参入は、ある意味で必然とも言える流れです。

複合機参入を決めた当時の状況

この頃には既に紫外線を使うシアゾ化合物の感光紙を使う、シアゾ複合機が出ていましたが、1938年には現在のレーザー方式の原理に繋がる、画期的なカールソン方式が発明されて、1950年にはこの方式を使うコピー機がゼロックス社から発表されています。

それまでの感光紙では利用方法が限定的だった複写機ですが、普通紙に対応した事が画期的で、オフィスに革命をもたらす利便性で急速に拡大しましたが、他社が参入する事は、ゼロックス社が開発したゼログラフィという600件にもなる特許技術で守られていて、参入が許されませんでした。

日本では1962年に、富士フィルム株式会社とゼロックスが合弁会社である「富士ゼロックス株式会社」を設立して、日本のオフィスマーケットを独占的に席巻し始めます。

富士ゼロックスについては、以下も併せて是非ご覧下さい。

厚い壁を突破した国産初の複写機発売

1964年には複写機への参入を決定していたキャノンでしたが、特許の壁に阻まれて普通紙ではなく感光紙を使う複写機を発売しています。

しかし、普通紙が使えないコピー機では、ゼロックス陣営に対して勝負になりません。

膨大な特許数を分析して、それに抵触しない独自開発の技術で試行錯誤を行い、1970年にはゼログラフィの特許に抵触しない技術で、普通紙が利用できる国産初のコピー機「NP-1100」を発表しています。

その後も独自の技術開発を進め、心臓部を小型カートリッジ化する事でコストパフォーマンスを上げると共に小型化に成功して、カラー化やデジタル化へと繋がり、現在のキャノン製コピー機・複合機へと受け継がれています。

カウンター保守契約

現在の大型複合機コピー機は、導入時にカウンター料金保守契約を結ぶ事が多くなっています。

カウンター保守契約とは、1枚印刷するごとに、カラー・モノクロで決められた単価を支払うことにより、消耗品やパーツ交換・メンテナンスや出張修理などが、別途費用が発生すること無く受けられる仕組みです。

このモデルを構築したのもキャノンです。

当時のゼロックスのコピー機はレンタルが主流でしたが、キャノンでは本体買い取りをメインにして、「サービスなきところにセールスなし」をスローガンとして掲げ、サービス体制強化の一環として、1枚7.5円の料金を徴収して保証する「TG(トータルギャランティ)システム」という、現在のカウンター保守契約とほぼ同様の内容のサービスを行っています。

カウンター料金については、以下も併せてご覧下さい。

キヤノンという会社

キャノンは、正式名称キャノン株式会社といい、国内の電気機器メーカーとしてトップを誇るシャアを実現しています。カメラやビデオ機器のイメージが強い企業ですが、カテゴリー別の売上はオフィス機器が一番大きく、カメラなどのイメージングシステム事業の売上は二番目となっています。

また、国内だけでなく世界にも進出しており、「アジア・オセアニア」や「欧州」、「米州」の売上は国内の売上とほぼ同じとなっています。

キャノンは当時からネットワーク技術に強く、カメラ機器に備えられたソフトウェア開発の技術を応用した、クラウドを利用したプリンターの開発など、印刷機器の品質もかなり高い特徴を持っています。

個人から中小企業、更には国内大手企業の複合機のサポートを行うなど、品質から信頼性まで優れた機器を提供しているため、これから複合機やプリンターを利用する方は、キャノンの商品を選択肢の1つとして検討すると、失敗がないと思います。

キヤノンのコピー機の特徴

ここでは、キャノンのコピー機の特徴をご紹介します。主な特徴は3つありますので、それぞれ詳しく解説いたします。

まず1つ目は、印刷スピードが高速であることです。キャノンのコピー機には、「両面同時読み取りADF」と呼ばれる機能が備わっており、毎分270ページの高速スキャンに対応できるため、今まででは想像できなかった印刷スピードを実現しています。

その他にも、A6Rといった小サイズの紙にも適応できるなど、とにかく効率の良い、滞りの無い、印刷を行うことができます。更には、ADF読み取りのミスを減らす「異常搬送検知」や「重送検知」といった機能もあり、紙の角度のズレや重なっていることを検知するシステムによって、原稿破損といったトラブルを減らすこともできます。

2つ目は、コピー品質が高いことです。キャノンのコピー機は、一般的なイメージセンサー(色を付ける際のプログラミング配列)と異なり、独自の配列を採用しているため、コピー機でよくある「スジ」を高精度で自己補正してくれます。そのため、再スキャンをするなどの手間が無くなり、コストや時間の削減に繋げることができるでしょう。

この他には、「裏写り除去」といった機能があります。裏写りしてしまう薄い紙のコピーをするとき、一般的なコピー機だとどうしても、裏写りしてしまう問題がありました。その問題を解決したのがキャノンのコピー機です。

背景のハイライトのみを白に近づけると言った、独自の色変換方法により、裏写りを少なくするコピーを実現しています。

3つ目は、多種多様なフィニッシング機能が搭載されていることです。フィニッシング機能とは、コピーの後に「谷折り」にするといった、ある形式に変換する機能のことです。キャノンのコピー機には、「C折り」や「内三つ折り」「2穴・4穴パンチ」といった、通常は利用できない機能が搭載されているため、資料作成が簡単に出来ます。

これまで主導で行っていた企業は、ぜひ利用することをおすすめします。

キヤノンの劣る点

キャノンのコピー機は、高品質・高機能を実現しているため、かなり人気のコピー機となっています。しかし、これらの品質を実現しているため、価格が高いと言った点が、他の企業商品に劣ってしまうでしょう。

その他に、コニカミノルタのスタイリッシュな製品と比べて、デザイン性が古いと言った点もデメリットになるでしょう。この点に関しては、企業の雰囲気や好みになりましが、長期にわたって利用する場合は、見ておくべきポイントになります。

まとめ
この記事では、キャノンについてご紹介しました。複合機やプリンターといったコピー機を選ぶ際、様々な企業の商品があります。

それぞれの企業商品の特徴を知ることで、あなたに適したコピー機を選ぶことができます。ぜひ、どのコピー機を利用するか迷っている人は、この記事を参考にして選んでください。

この記事を書いた人

新卒でIT企業に入社し営業を経験。現在はフリーのWebライターとして活動しています。
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