複合機リースの相場はどれくらい?仕組みは?

現代のビジネスオフィスに、複合機は不可欠になっています。
コピー、FAX、プリンター、スキャナを1台でこなすOA機器の中心ですね。

会社を立ち上げたばかりで、調べてみたら本体価格は100万円以上!近所にコンビニがあるからイイや・・・。
あんな高額なモノが、何故どこのオフィスにも導入されてるんだろう?
答えは簡単!それは多くの会社がリースで使っているからです。

初めての興味を持った方にはリースは解りにくい事が多く、敷居が高いですよね。
簡単に複合機のリースについてご説明いたします。

目次

リース料の相場は?

複合機をオフィスに入れる方法としては、購入・レンタル・リースの3通りがあります。

コピー機複合機の導入手段の違い

購入は初期投資が嵩む上に、減価償却処理が必要です。保守・メンテについては、自分で手配し都度費用を負担することになります。

レンタルは主に短期間借りるイベントなどに向いています。ただ、最近はレンタルも新しい流れ「サブスク」が登場して、レンタル期間中はプリントし放題が登場しています。リースでの複合機導入をお考えでしたら、こちらも検討することをオススメします。

リースは、法定耐用年数5年をベースに期間5年から6年の契約を結んで、月額料金を支払っていきます。銀行から融資を受けて購入する事との違いは、リースは全額経費として処理が出来る事です。

複合機のメーカーの違いや、印刷スピード能力によって本体価格が異なります。
事務用品機器大手アスクルの調査によれば、コピー機本体リース料は平均で期間5年20,000円になっています。
過去の付き合いや実績等を考慮して、都度リース会社は調査した上で金利を設定します。そのため同じ機種でも契約する会社によって、支払い金額は変わってきます。契約期間でも金利の部分は変わります。長期間の契約では金利は安くなる傾向があります。

リース料が決まる仕組み

リース料は利用する機種の価格と、リース契約の期間年数によって変わって来ます。

印刷速度で価格が変わる

複合機の価格はピンキリですが、共通しているのは印刷速度で価格が大きく変わる事です。

高額の複合機でも基本本体価格にはオプションは含まれず、速度以外のできる事は低価格の複合機と大きくかわりません。
ユーザーが必要なオプションを加える事によって、機能が充実していきます。

同じメーカーの本体価格が印刷速度で変わっていく一例として、リコーの価格体系を見てみましょう。

表示価格は全て税抜であり、オプション価格は含んでいない本体のみの価格です。

 

機種 価格 1分間の連続印刷速度
RICOH IM C6000 2,440,000円~ カラー60枚/分 モノクロ60枚/分
RICOH IM C5500 1,960,000円~ カラー55枚/分 モノクロ55枚/分
RICOH IM C4500 1,710,000円~ カラー45枚/分 モノクロ45枚/分
RICOH IM C3500 1,490,000円~ カラー35枚/分 モノクロ35枚/分
RICOH IM C3000 1,270,000円~ カラー30枚/分 モノクロ30枚/分
RICOH IM C2500 1,070,000円~ カラー25枚/分 モノクロ25枚/分

 

印刷枚数で適正な印刷速度を選ぶ

印刷速度は業務効率に直結する事は確かですが、複合機選びで重要なのは印刷枚数です。

つまり、大量に印刷はするけれど、スピード効率は求めてないから、安い低速機で良いや!という考え方は、複合機選びの考え方として適さないという事です。

その理由は、印刷速度(つまり本体価格)によって、耐久性に大きな差が設けられているからです。

印刷速度が速い機種ほど、高価な耐久性の高いパーツが使われていているのは、概ね大量印刷するユーザーは高速の機種を選び、法定耐用年数の5年(リース期間)の間は、それでも快適に故障無く利用ができる様にという、メーカーの考え方があります。

印刷枚数が多くない事業所でも、効率を重視して高価な複合機を選ぶのもアリです。
リース期間が終了しても、十分な耐久性が残っているので、再リースして快適に利用ができます。

目安になる1ヵ月の印刷枚数と最適な印刷速度は、概ね以下の関係になります。

1ヶ月の印刷枚数 適正な印刷速度機種の目安
3,000枚まで 20枚/1分間~25枚/1分間
5,000枚まで 25枚/1分間~35枚/1分間
10,000枚まで 35枚/1分間~45枚/1分間
1万枚以上 45枚/1分間~60枚/1分間

リース料率

リース契約は、顧客の選定した複合機をリース会社が変わって購入して、リース料を毎月徴収する代わりに、顧客に複合機を利用させるというものです。

レンタルと異なるのは、毎月のリース料は借り賃ではなく、リースした機種総額にリース会社の金利手数料などを加えた金額を、リース期間の月額で分割支払いしているという事です。

リース期間は法定耐用年数の5年を基準として、一定の期間から選択する事ができます。詳細は以下もご覧下さい。

そのためリース契約ではレンタルと違い、契約期間の途中で解約する事はできません。

リース契約の途中解約についてまとめた、以下も是非併せてご覧下さい。

機種総額以外のリース会社の金利手数料は、「リース料率」で把握する事ができます。

リース料率はリース会社によっても変わり、金利変動や社会情勢など、その時々で変化します。
リース会社は金融会社の一つの種類であり、契約する企業の業績や過去のお付き合いでもリース料率は変わってきます。

一般的なリース料率の相場としては、概ね以下になります。

期間 リース料率
3年リース契約 3.1~3.2%
4年リース契約 2.5~2.6%
5年リース契約 1.9~2.0%
6年リース契約 1.6~1.7%
7年リース契約 1.3~1.4%

月額リース料の計算方法

導入する複合機の総額とリース料率が確定すれば、月額リース料は簡単に算出することができます。

計算する式は、複合機の総額 × リース料率 =月額リース料 です。

たとえば、5年契約で、リース料率2%・総額150万円の場合
150万円×0.02=30,000円 が月々のリース料になります。

月額リース料の相場

しかし、複合機は定価で販売される事は殆ど無く、メーカーや取り扱い代理店にもよりますが、機種代の値引きが期待できます。

ここまで述べてきた印刷枚数と印刷速度の適正な相関関係を加味して、概ねの月額リース料の相場としては、以下の通りです。

1分間に印刷可能枚数目安 20枚程度 30枚程度 40枚程度 50枚程度
月々の印刷枚数目安 3,000枚まで 5,000枚まで 10,000枚まで 10,000枚以上
5年リース時の相場 12,000円/月 17,000円/月 20,000円/月 23,000円/月

繰り返しますが、メーカーによっても変わりますし、代理店や値引き状況、リース料率によっても変わってきますので、あくまで相場の目安として捉えて下さい。また実際の支払時には、この金額に消費税も加わります。

カウンター料とは?相場はどれくらい?

月々のリース料は、あくまで機種本体の価格に対する支払いです。
インクやトナー等の消耗品代・保守部品交換費用・メンテ修理代は含まれていません。

リース契約では多くの場合、このようなランニングコストを「カウンター料」として支払う事が一般的です。これは、カラーとモノクロに分けて1枚当たり何円という契約です。カウンター料の中には消耗品(トナー・インク・感光ドラムなど)と保守メンテ費用(定期メンテナンス・部品代・修理費用・出張費など)が含まれています。

では、一枚も印刷しなかったらカウンター料は0円かというと、「最低利用料」が多くの場合設定されています。印刷枚数とカウンター料のかけ算をして、到達しなかった場合は最低利用料が適用される契約です。

複合機の支払料金の内訳としては、リース料金にカウンター料金を加えた金額が全てになります。

カウンター料も一定ではありません。契約を結ぶ企業やメーカー・実績等で変わってきます。枚数によっても違いはありますが、枚数が多くなればトナーなどの消耗品や保守費用も嵩むので、印刷枚数が少ない場合と比較して大きな違いが無い事が多いです。

アスクルのアンケート調査によると、カウンター料金の平均はモノクロで2.3円・カラーで13.4円になっています。

カウンター料金についての詳細は、以下も併せてご覧下さい。

複合機リースが向いている会社、不向きな会社

リースされる複合機は、A3対応の大型複合機がメインになります。

複合機リースが向いている会社

カウンター料金は1枚当たりの単価なので、印刷するサイズは問いません。
名刺サイズでもA3サイズでも同じ料金です。A3サイズをコンスタントに数多く印刷するなら、リース+カウンター料金契約は大きなメリットが生まれる可能性大です。

複合機は精密機械であり、プロによるノウハウでのメンテナンスが欠かせません。サイズを問わず毎月コンスタントに大量に印刷するなら、カウンター料金で機械の管理・消耗品の手配まで丸投げ出来る事で、費用対効果でメリットが大きくなります。

複合機リースが不向きな会社

コピーやプリント印刷する機会が比較的少ないなら、大型複合機をリースするメリットは殆どありません。A4サイズ対応の中型・小型複合機を購入・レンタル契約する方が費用は確実に抑えられます。

業務内容によっては、大型複合機だけでは効率が落ちること(順番待ち・取りに行く手間暇など)もあります。
その場合は、複数台の中型or小型複合機・プリンターの購入やレンタルを加える事で、大幅に業務改善した事業所が多数あります。あわせてご検討ください。

リース契約と同様に初期費用がかからず、リース契約には付きものカウンター料金が無い「プリント革命」のレンタルプリンターサービスは、印刷経費の削減に大きな効果があります。

プリント革命のメリットは、以下もご覧下さい。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

目次