ちょっと待って!ペーパーレス化に便利なタブレットにもデメリットがあるのをご存じですか?

ペーパーレス化には、タブレットの利用が便利です。
実際にペーパーレス化を進める多くの企業では、タブレットが導入されています。

ペーパーレス化したデータを、便利に活用しやすい事が、多くの企業でタブレットを導入する理由に他なりませんが、デメリットもあります。

あらかじめデメリットを把握して、対策を考えておく事は、ペーパーレス化の成功に繋がります。

ペーパーレス化したデータをタブレットで活用する際の、注意点とデメリットを解説します。

目次

ペーパーレス化にタブレットは最適なツール

ペーパーレス化で、紙資料を扱うのに必要な時間や労力・コストも含めて、大幅に削減することが可能になります。
デジタル化したデータを、合理的にいつ・だれが・どこでも取り出して活用出来る事が、ペーパーレス化で享受出来る大きなメリットです。

何枚かのB5用紙を重ねただけのサイズしかない、タブレットの持つ機動力は、ペーパーレス化によりデジタル化したデータを扱う端末として最適です。

手軽に持ち歩けて、必要ならその場ですぐに活用が出来て、商談ブースや出張先など社内外問わず、求められるニーズにリアルタイムで確認が出来る事は、業務効率が上がるだけで無く、顧客対応の向上にも繋がります。

紙の文章で持ち歩く事は、紛失・盗難・置き忘れなどで、情報漏洩のトラブルを起こす可能性が有ります。タブレットにロックを掛けることだけでなく、万が一の盗難や紛失時にはデータサーバーへのアクセスを遮断して、中身を初期化することも可能です。
タブレットを利用する事で、情報セキュリティの向上が図れます。

データの修正も、移動などのちょっとした空き時間や隙間時間を利用して出来ます。

現場での入力作業に紙を使わずに、最初からタブレットを利用すれば転記作業が不要になり、間違いが防げる上に仕事の効率が向上します。
紙と違うのは、デジタルだからこそ、入力データの不備や異常な数値を、その場でアラートを出してミスを未然に防ぐ事が出来るのもメリットです。

タブレットを会議に使う事で、同じ資料を紙に印刷することなく同時に閲覧出来て、効率の向上と共にコスト削減にも繋がります。

タブレット使うことのデメリット

ペーパーレス化にタブレットの導入は、メリットが多いのは確かですが、紙の資料を使う事と比較すればデメリットもあります。

見にくい場合がある

紙のA4サイズは14.3インチ有るのと比較すれば、主に使われるタブレットは大きいもので10インチ程度です。
10インチはB5サイズ程度しかなく、A4サイズそのままで全体表示することは出来ません。
解像度が低い機種では表示出来る範囲も狭くなり、見にくい上に操作が煩雑になります。

タブレットなら、拡大縮小も簡単に行えますが、使い慣れていない方にとっては操作が面倒で、使っているうちに誤タッチする事で、別の表示に変わってしまい置いて行かれたり、集中できなかったりするケースが有ります。

複数の資料を並べられない

紙の資料で複数を比較検討する場合には、並べれば済む事です。
しかし、タブレットでは同じサイズで同一画面上に並べれば小さくなり、資料によっては比較検討が困難になります。画面を切り替えて比較することは出来ますが、操作に慣れていない方にとっては、ストレスになる可能性があります。

メモがとり辛い

紙の資料なら、気になる部分にチェックしたりラインを引いたりして理解を深め、考えたことや思ったことをポイントとしてメモ書きする事も簡単に出来ます。

タッチペンを使用出来るタブレットなら、同様にメモ書きする事は可能になります。

しかし、タッチペンに対応していない機種では困難で、改竄禁止になっているPDFの様なデータは、そのままでは使えないケースが多くなります。
データを取り込んで、別のアプリなど手段を変えることで可能になりますが、使い慣れていない方にとっては困難な作業です。

たしか・・このあたり・・・が使えない

大量の資料や書籍の場合には、ランダムにパラパラめくって「このあたり・・」という事が感覚的に出来ますが、タブレットでは出来ない手法です。

検索機能を有効に使えば、感覚よりも早く目的に辿り着けることが多いのですが、使い慣れない方にとっては不満を感じる可能性があります。

情報漏洩のセキュリティ

タブレットを利用する事で、紙の持つ情報漏洩に繋がる特性(置き忘れ・盗難・紛失)を潰して、セキュリティは向上することが期待出来ます。
しかし、利用の仕方によっては、紙で扱う場合よりもリスクが高くなる事が有ります。

公衆無線Wi-Fi環境で利用する事は厳禁など、使い方のルールを決めておかないと、知らないこと・迂闊な接続などで情報が筒抜けになる怖さを、きちんと説明しておく必要が有ります。

接続だけで無く、サーバーに繋いで利用する業務のタブレットは、規定のアプリケーション以外は新たなアプリのインストールを禁止して、ウィルス対策ソフトを導入するなど、万全の対策を講じる必要が有ります。
紙の書類は、それだけで済みますが、デジタルでは遙かに被害が大きくなります。

迂闊な行動が、社内の全ての情報が盗み出されたり、全社のシステムに危害が加わったりする事も想定しなければならない事を、タブレットの利用者に対して、丁寧に説明しておく必要が有ります。

システムのコスト

ペーパーレス化を始める時からタブレットを導入する場合は、そこでの使いやすさを念頭に置きますが、今あるパソコンを利用してペーパーレス化を始めるケースも多く、後にタブレットを導入する場合は、既存のシステムでは使いにくく、タブレット端末機器のコスト以外に、予想外のシステム改良・変更のコストが大きく掛かる事も有ります。

また、タブレットは基本的に使いやすさが第一ですが、既存のパソコンを利用したシステムからの変更に対して、慣れている方には抵抗感を持つ方が一定数は出ることも考えられます。

回線や機器トラブルに対応出来ない

システム障害は、前触れ無く突然起こります。タブレットの利用に限らず、ペーパーレス化が進むオフィスほど、機器のトラブルが起これば、業務に大きな影響が出ることが避けられない宿命にあります。

システム障害を防ぐためには、ミラーサーバー等の設置など、もしもの時に備える幾重の方法論を検討する必要があますが、リスクを下げる方策をとるほど、コストも掛かります。
どれだけコストを掛けて、メンテナンスに気を使っていても、完全に防ぐ事は事実上不可能です。莫大なコストと人員ノウハウをつぎ込む銀行のシステムが、何度もダウンして社会的に問題になっているのは、記憶に新しいところです。

タブレットをデータサーバーに繋ぐのには、社内のイントラネット・社外からの携帯電話回線を利用したインターネット回線を利用する必要が有ります。
しかし、システムトラブルと同様に、回線トラブルも、何事も無く繋がっていた直後に発生します。機器に問題が無くても、アクセスする手段が失われれば、業務は停滞してしまいます。
2021年の10月14日に発生したNTTドコモの回線障害も記憶に新しく、その影響は1,290万人に及びました。

これも、完全に回避する手段は、現実的にはありません。
社内のネットワークのメンテナンスに、どれだけ気を使っても起こり得る事例ですし、携帯電話回線は、復旧を待つしか手がありません。複数の携帯電話会社を契約してリスクに備える方法は有りますが、多くの社員にリスク回避の為だけに複数のSIMを要する事は多大なコストが掛かり、回線を切り替えるのにも一定のスキルを要す事を考えれば、現実的ではありません。

紙は壊れる事は有りませんが、タブレットは機械であるため壊れるリスクは常に有り、バッテリーの容量が無くなっても、全く使いものになりません。

ペーパーレス化にはITリテラシーが必要

ペーパーレス化には、ITリテラシーが必要です。

前述のタブレット導入におけるデメリットは、ITリテラシーの向上によって、ある程度克服できる内容が大半です。

ITリテラシーの向上は、個人任せでは無く、組織としてバックアップする体制が、ペーパーレス化の成功には欠かせません。
定期的に講習会を開くほか、レクチャーできるリーダーを配置し、身近に聞ける人がフォローできる体制の構築が必要です。

ただ一方では、いきなり紙の配布を全面廃止するのではなく、開始から一定の期間は、必要な方にのみ紙を併用する柔軟さが、ペーパーレス化の挫折・デメリットの克服には必要です。

また、共有するデジタル化した資料は、作成者がタブレットで見え方を都度確認して、見にくい部分は別の資料として拡大するなど、ITリテラシーの向上が図られるまでは気を使って、脱落者が出ない術を考える事も必要です。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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