プリンターを新調しようとしていろいろな機種をチェックしていると、その価格がピンからキリまであることに驚くことがあるかも知れません。
基本的にパソコンなどから印刷する目的で利用するプリンターですから、一見するとそこまで価格が大きく違う理由も、良くわからないのではないでしょうか。
そこで今回は、そんなプリンターの価格というのは、何によって変わってくるのかについて、チェックしていこうと思います。
基本的には印刷速度と機能で決まる
結論から言えばプリンター本体の価格は、印刷速度が速く、多機能な機種ほど高くなります。
印刷速度は機種によって異なり、一般的には安価な機種は1枚の用紙に印刷するための時間が長く、高価な機種ではあっという間に印刷が終了します。
あるいは印刷自体の品質が高い機種は価格も高く、印刷の見た目的に少し品質が良くない機種はリーズナブルな価格だったりします。
その他にも通常の機能以外の付加価値の高い機種は安く、印刷以外の機能のない機種は安くなります。
ではこのような、プリンターの価格に影響するいろいろな要素を、順を追って詳しく見ていきましょう。
プリンターの印刷速度は何で変わる?
まずはプリンターの価格に影響する機能としてあげられるのが、印刷の速度です。
ではその印刷速度とは一体どのようなものなのかについて、説明していきましょう。
国際的な基準「ipm」
プリンターのスペックを表す数値として「ipm」というものがあります。
これは「image per minute」の略となり、1分あたりの印刷枚数を表します。
しかし単に印刷枚数といっても、何を印刷するかによって印刷速度は変わってきます。
よりたくさんの色を広い範囲で印刷すれば1枚を印刷するために時間がかかりますし、モノクロのテキストを少し印刷するだけならそこまで時間はかかりません。
そのためこのipmという基準は国際標準化機構(ISO)で条件が定められていて、この条件に沿って機種ごとに判別されます。
ちなみにipmの数値は、異なる複数の印刷データを印刷した場合の速度となります。
国内で使われる「ppm」
ただし国内のメーカーの場合はこのipmよりも「ppm」で表されることが多いかも知れません。
ppmとは「paper per minute」の略で、こちらはメーカーが独自に設定している基準となります。
ppmもまた1分あたりの印刷枚数となり、こちらは同一のデータを連続印刷した時の枚数となります。
なぜ印刷速度が速いと価格が高くなるのか
このような印刷速度を表す数値が多ければ多いほど、1分あたりの印刷枚数が多くなり、1枚あたりの印刷速度が速くなるということになります。
この印刷速度というのはプリンターの機能の中でも重要な要素となり、素早く印刷できるプリンターは待ち時間が少なく、たくさんの印刷ができるという意味で、より便利に使えるプリンターであるということになります。
この高速印刷機能というのはプリンターメーカーの中でも重要なポジションを占めていて、各社が知恵を絞ってスペックを追っている分野となるのです。
そのため、少しでも印刷速度が速い機種というのは、それだけ複雑な機構だったり、最新技術が投入されているため価格も高くなるわけです。
価格に影響するプリンターの機能とは?
では速度意外には、どのような機能によってプリンターの価格が変わってくるのでしょうか。
印刷方式
プリンターにはいろいろな印刷方式の機種があります。
まず一般的によく使われているのが、インクを噴射して印刷するインクジェットプリンターです。
その他にビジネス用の複合機などでよく使われているのが、レーザープリンターとなります。
ほとんどのプリンターはこの2つのうちのいずれかのタイプとなり、より複雑なレーザープリンタータイプの方が、通常は価格が高くなり、家電量販店で安売りされているのはインクジェットプリンターです。
ただし必ずしもレーザープリンターがインクジェットプリンター寄りも価格が高いかと言えばそうとも限らず、その他の機能などによって安価なレーザープリンターもありますし、高価格のインクジェットプリンターもあります。
この2つのタイプ意外にも、写真印刷に特化した高精密プリンターとして熱転写プリンターなど、特種な形式のプリンターも存在します。
印刷可能サイズ
印刷できる対応用紙サイズも、プリンタ本体の価格に大きく影響します。
リーズナブルなプリンターは、一般的なビジネス向けの用紙サイズ「A4」のみに対応していますが、価格帯が上がるに従って倍の大きさとなるA3や、あるいはそれ以上のサイズまで対応しています。
ビジネス文書のみの印刷であればA4だけでも問題なく使える場合がほとんどですが、印刷する内容によってはA3で印刷しなければならないものもあり、この用紙サイズを基準にしてプリンター選びをすることも珍しくありません。
印刷解像度
解像度というのは印刷の「精細さ」で、これはdpiという谷で表されています。
dpiとは「ドット密度と呼ばれるもので、1インチあたり何ドットを表現できるかというものとなります。
この数値が高いほどより解像度が高い印刷ができ、解像度が高ければ見た目の画質も良くなります。
この数字をあげが質を良くするためには、より密度の高いドットを描写するために細かな部品や制御をするための技術が必要で、当然ながらその分コストも高くなります。
インクの色数
インクジェットプリンターの場合は、使用するインクの色数が機種によって異なる場合があります。
通常はCMYKという4原色のインクとなっていますが、ミドルクラス以上、つまりやや価格が高めの機種は6色インクを採用しています。
6色にした分、色の再現性が高くなり、よりカラー印刷、特に写真をキレイに印刷したい場合はこの6色インクモデルが優位になり、孫文本体価格もやや高めになります。
スキャナ〜などの付加機能
その他の価格に影響する機能としては、プリンター本来の印刷機能以外の付加的な機能もあります。
とはいっても今どきのプリンターはほとんどが「複合機」といっても良い機能を持っているため、スキャナー機能やコピー機能は標準で搭載されているはずです。
その他に複合機的に使える機種であればFAX機能が使えたり、その他に自動給紙機能が付いていれば、便利な分価格が高くなります。
消耗品などのランニングコストも要注意
このようにプリンター本体の価格は、印刷速度や機能、解像度などによって変わってきますが、実際にプリンターを利用する際に見逃してはいけないのが、ランニングコストです。
プリンターのランニングコストとは具体的に言えば、インクやトナーなどの消耗品のコストで、このコストもしっかり考えながら機種を選ばなければなりません。
プリンターメーカーのビジネスモデルとしては、本体をある程度利益なしで販売しても、その後の消耗品で利益を上げれば良いという考え方もあるため、インクやトナーなどは割高なイメージがあるのも確かです。
本体価格だけでプリンターを選んでしまうと、その後のインクやトナーが高くて結局割高になってしまったと言うこともあり得ますので、注意が必要です。
まとめ
プリンターは印刷するという基本機能だけを見れば大きな違いがないように見えるかも知れませんが、用途によっていろいろな印刷形式があり、さらにたくさん印刷しなければならない利用環境では、高速で印刷するスペックも求められます。
そのため印刷機能や、その他の付帯する機能がたくさんあるほど本体価格は高くなります。
さらにランニングコストも見逃すことができませんから、プリンター選びの際は自分が実際に使用する適切なスペックを見極めて、さらにトータルでコストダウンできる機種を選ぶ必要があると言えるでしょう。