情報漏洩と聞くと、サイバー上の不正アクセスが連想されますが、どれだけシステムを堅強にしても、ヒューマンエラーに関しては防ぎようがありません。
データを入れたUSBメモリーを置き忘れたり、誤操作でメールに添付したりすれば、即座に情報漏洩に繋がります。
データに関しては厳格なルール決めなどを含めて、気を使う事も増えてきましたが、紙の印刷物に対しても気を配る必要が有ります。
2019年に発表されている、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「2018年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によれば、紙媒体による情報漏洩が発生源になっているケースは、概ね3割にも達しています。
全国無数にあるプリンターからは、個人情報や財務内容や機密情報など、外部の目に触れることが許されない紙の印刷物が、今日も数多く印刷されています。
紙の情報漏洩を防ぐことは、まず管理を厳重にすることですが、印刷ミスでも同様の情報は発生しますし、情報のアップデートが有れば、それまでの書類は処分する必要が出てきます。
迂闊にゴミ箱に捨てることは情報漏洩リスクが高く、そこで必要になるのが細かく書類を細断して読めなくするシュレッダーです。
シュレッダーと一口に言っても、多くの種類が有り、向き不向きもありますし、コストとのバランスもあります。
シュレッダーの種類を踏まえて、安全に情報を守れるのはどれか?解説します。
シュレッダーの種類
シュレッダーと一言で言っても、大きく分けて業務用(会社用)と家庭用で大きく異なります。何点か抜粋して紹介していきます。
業務用(会社用)
ナカバヤシ オフィスシュレッダー
液晶による状況表示機能を搭載した、ナカバヤシ製の最新式オフィスシュレッダーです。
シュレッダーの状態を液晶表示する見やすい操作パネルにより、チップボックスの満杯、扉開き等のエラー原因がすぐに特定でき、素早く対応することができます。
最大細断枚数18枚という高い細断能力により、円滑に作業を行うことができます。
アイリスオーヤマ オートフィード ミニクロスカットシュレッダー
アイリスオーヤマの320枚セットすることができるオートフィードシュレッダーで、4×10mmのミニクロカットを採用している為、細断後修復不可能なサイズまでカットすることができます。
家庭用
サンワダイレクト
手動なのにマイクロカット(極小細断)。紙以外にも、カード・CD・DVD対応しています。
A4サイズの紙も2×10mmのサイズに細断することができ、値段もお手頃ながら、業務用に劣ることなく細断することができます。
アイリスオーヤマ 家庭用シュレッダー
最大細断枚数は5枚となっており、クロスカット、ホチキス対応のシュレッダーになります。家庭用ながら、業務用に負けず劣らず4×40mmのクロスカットで、個人情報や会社の大切な書類を細断することができます。
シュレッダーの種類には他に、カットの種類が異なります。
細断の種類の詳細と、それに伴うセキュリティレベルについて見てみましょう。
細断の種類とセキュリティレベル
シュレッダーの細断片による情報漏洩を防ぐ目安として、国際基準が存在しています。
ISO/IEC21964-2で分類されていてるセキュリティレベルで、細断面積と細断幅に応じて7段階のレベルが存在しています。
ストレートカット
シュレッダーに投入された紙は、縦方向だけにカットされる、最もシンプルな細断方法です。
構造が単純であるため、細断枚数が多く機器のコストが抑えられるメリットがありますが、細断されても読み取る事が可能で、再現されるリスクも現実に有る事から、現在のセキュリティレベルには合わず、既に販売されることは無くなっています。
一昔前の家庭用としては、広く普及していた時期がありました。
クロスカット
シュレッダーに投入された用紙は、ワンカットで縦横方向にチップ状にカットされます。
現在最も普及している事もあり、セキュリティレベルと価格のバランスがとれているため、多くの製品が販売されている主力のカット方法です。
細断面積が160平方ミリメートル(4mm×38mmなどの形状)以下であり、細断幅が6mm以下にクロスカットされた、両方を満たす細断片のセキュリティレベルは「P-4」です。
顧客データ・口座番号など、取り扱いに一定の配慮が必要な文書に最適です。
ミニカット
クロスカットの一辺の長さを、更に短くした細断方法です。
クロスカットと比較して、機器の価格は高額になります。
細断面積は大幅に小さくなり、4mm×10mm程度の細断片は、より一層セキュリティが高くなります。
セキュリティレベルで見れば同じ「P-4」ですが、より取り扱いに注意が必要な文書を細断するなら、ミニカットを選択する事が最適です。
マイクロカット
細断幅がより小さい3mm以下程度に細断することで、よりセキュリティが向上します。
ミニカットよりも、機器の価格は高額になります。
2mmの細断幅になり、併せて細断面積が30ミリメートル以下になると、セキュリティレベルが一段階上がる「P-5」になります。
決算書や次世代戦略文書や特許に関わる機密文書など、極めて気密性の高い文章の処分には、このレベルが最適です。
細かく細断されるため、同じ文章量を処分しても、クロスカットに比べて出るゴミの量は半分程度になるメリットも有ります。
マイクロスパイラルカット
二段階のカッターを用いて、縦方向にカットした用紙を、さらに横方向にカットする細断方法です。
細断片はマイクロカットよりも更に細かくなり、縦横2mm程度になります。
幅2mmのセキュリティレベルは同じ「P-5」ですが、これ以上のセキュリティを求めると1mm以下になり、現実的な細断方法としては、最もセキュリティレベルが高くなります。
マイクロカットよりも切断面がシャープになり、よりかさばらないゴミ量になります。
金額的には最も高価になります。
部署ごとの扱う書類によって、最適なカット方法は異なり、見合ったコストが必要になってきます。
シュレッダーが必要な理由
シュレッダーは個人情報を守る為にも必要不可欠になりますし、会社の大切な書類も流出することなく細断することができます。
シュレッダーが無くても、自分で紙をちぎって捨てたりする方もいると思いますが、それでは万が一誰かに拾われた場合、個人情報の流出などに繋がり、会社に大きな損害を与えてしまう恐れがあります。
さらに、何枚も紙媒体を使う仕事でしたらかさばることもありませんし、楽に処分することができます。
簡単なメモからも個人情報が特定されてしまう場合もありますので、そんな危険性を無くすためにも、シュレッダーは必要不可欠になると思います。
大切な社内情報や個人情報を守ろう
先ほども紹介しましたが、個人情報はかなり慎重に扱わなければいけません。少しのミスで、会社に大きな損害を与えてしまい、ひどい時には会社の倒産、クビになる恐れもありますので、十分に気を付けなければいけません。
セキュリティ対策と情報の保護が、とても大切な時代になっています。
昨今増加しているテレワーク・在宅ワークでは、よりセキュリティには気を配る必要が有り、シュレッダー以外にも気をつけるポイントが数多くあります。
テレワークのセキュリティについては、「テレワークのプリンターのセキュリティは大丈夫?問題とその解決方法をご案内します」も併せてご覧下さい。