大型複合機コピー機を企業や個人事業主が導入する場合、購入するよりもリースであるケースが圧倒的です。経理上の処理やメンテナンス契約の面、100万円以上する価格も珍しくなく初期費用が掛からない事が、その理由です。
流れとしては、メーカーが代理店に大型複合機コピー機を納めて、代理店は顧客に納品してリース会社一括支払いを受け、メーカーに代金を一括で支払い、顧客はリース料と保守料金(カウンター料金等)を毎月支払います。
大型複合機コピー機の所有権はリース会社にあり、設置場所は顧客になります。リース料会社は顧客に変わって代金を全額先払いして、金利を加算した金額を毎月顧客から徴収する仕組みですから、結果的には顧客にお金を貸しているのに等しくなります。
契約期間は概ね5年のケースが多く、その期間中に原則解約は出来ません。リース会社にとって、これから先の5年間に顧客が支払いの出来ない状態になれば損失を出すことになり、「お金を貸しても大丈夫な会社・人なのか?」と、契約前には当然調査をします。
これが与信です。
そもそも与信に影響するポイントとは
リース会社は与信の内容や方法について、一切の公表をしていません。
そのため、与信が通らなかった場合も理由の説明は一切ありません。
以下、一般的に与信に影響するポイントを見ていきます。
実績と年数
会社や事業の継続年数(少なくとも3年以上)と実績(黒字経営)が充分なら、審査を通る事は難しくありません。
起業したばかりで、信用に繋がる情報が開示できない場合は難しくなります。
支払い事故歴
企業や個人に過去の支払い事故があり、信用情報に滞納履歴がある場合は、審査が通りにくくなります。審査を申し込んだリース会社と資本関係が無くても、情報は企業間に共有されていて、滞納記録は最低でも5年程度経過しないと消えません。
代表者
返済履歴以外の代表者個人情報も、与信には加味されるケースが多いです。
「持ち家に住んでいるか?」「年齢が若すぎないか?」「高齢ではないか?」などです。
持ち家に住んでいれば当然信用度は上がります。リース終了時に70歳を超えている場合や10代20代の場合には、別の連帯保証人を要求されることもあります。
業種
開業する数が多く廃業率も高い業種は、リース会社が継続性に疑問を持ち審査が通らない場合があります。逆に国家資格が必要な業種では信用度が上がります。
与信を通りやすくするときのポイント
リース会社の審査を通るための工夫ポイントを見ていきましょう。
複数のリース会社に申し込む
リース会社が持つ背景は様々です。
銀行系や信販系、独立系などありますが、与信の時に持っている情報は異なる事が多く、審査基準も異なります。
リース会社によって金利も異なる事があり、複数の審査を受けることでデメリットはありません。審査が通っても、必ずしも契約する必要はありません。審査の通ったリース会社の中から顧客が自由に選択出来ます。
会社に関する資料をできるだけ用意する
リース会社が審査に必要な書類として要求する内容は様々です。
一般的には決算書類等の財務内容を含めた事業の内容が把握出来るもので、契約時には印鑑証明と登記簿が必要になります。
新規企業の場合に必要なのは、ペーパーカンパニーでは無い事を証明する書類です。
具体的には、開業届・賃貸契約書・公共料金の引き落とし書等です。
また、以外と見過ごされる事もありますが、帝国データバンク等の信用調査会社のデータが与信に使われる事があります。過去に電話で調査依頼があって「ぞんざい」に対応していた場合、残念ながらそのデータがネックになる事があります。
与信が通らないときの導入方法
リース会社の与信が通らない時に、複合機を導入する方法を考えます。
割賦
いわゆるローン契約です。
分割払いに対応している会社で購入します。全額支払いが終了した後には、所有権は購入者に移ります。中途解約は出来ません。完済できなかった場合は信用事故として情報が残ります。
銀行借入れ
銀行から借り入れて、複合機の支払いを一括で行う方法です。
ただし、リース会社の審査以上に厳しい与信調査があり、新規起業では難しいケースも多くなります。
レンタル
与信審査が無いケースも多く、初期費用も掛からないため一番オススメする手段です。
経理上も必要経費として計上出来る上に、サブスクタイプなら印刷枚数を問わずに経費を固定できるメリットもあり、事業に集中できます。
最低使用期間は設定されている場合があっても、リース期間よりは遙かに短く、事業継続が困難な場合や必要無かった場合にレンタル契約を終了すれば、信用経歴に傷も付きません。
数年は事業の拡大に邁進して信用と実績を積み重ねて、必要に応じてあらためてリース導入を検討することも良いですね。
中古での購入
リースアップした機器を中心に扱う中古業者も存在しています。
しかし、当然古いタイプが主流になり性能が現行タイプと比較すれば劣る事と、個体によって出せる性能が変わってくる可能性も否定できず、保守サービスも付かない事が大半のため、積極的にはオススメしません。